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監禁編
14話 狂っているのは誰?
しおりを挟む「…これを使っておれを…。」
そう考えると少しゾワッと心が震えた。
このまま教室に戻ってもいいが…朝の上履きの仕掛けといい多分他にも仕掛けがあるんだと考える。
なら…教室にのこのこと行くのは危険だ。
といっても、監禁しなかったのだから別にどうでもいいのだが…。
まぁ、いい。
おれは黎のカバンと兄貴のカバンを持って保健室に向かう。
「…おい、重めぇんだけど!?」
流石に兄貴のカバン、黎のカバン×2、おれのカバン、合計四個を持つのは疲れたため兄貴のカバンは教室に置いて保健室に向かった。
そして、兄貴の机の上には花瓶に花が置いてあり、まるで死んだやつみたいな机になっていたが…そこは触れないことにした。
───やっぱり黎、あいつは普通に狂っていると感じたのだ。
黎{side }
亮はおれを連れて保健室に向かった。おれの真っ赤に染まった足を見ながら顔を真っ青にして…。
「黎?大丈夫?痛くない?」
…どうしてだ?亮。おれは弟に酷いことをしようとしたんだ。
おれは───取り返しのつかないことをしたはずだ。
なのに─────なぜ、おれを許す?
亮はおれを保健室に連れていった。保健の先生はいなかった。
亮はおれを椅子に座らせるとおれの血だらけの足に包帯を巻いた。
「…亮、ありがとうっ。」
「ううん、いいんだよ。」
亮は丁寧におれの足を持って包帯を足にかけた。…てっきり、おれは。
「…嫌われたかと思った。」
「え?」
「…おれは亮に嫌われた…と思った。」
「なんで?」
「なんでって…。」
おれは大切な弟に怪我をさせようとしたのだ。足を…血だらけにしてそして────それだけではない。
「おれ…は、弟の腹にナイフを刺したんだ。」
「…。」
「もう、何を言われても謝るしかできない。亮がおれの顔を見たくないというなら…いなくなる。おれは…そのらいのことをして…」
「おれは、いいと思うよ。」
「…え?」
亮はそういうと包帯を手に掛けて巻き始めた。
「黎は…おれのためにしてくれんだろう?なら…いいと思うしおれは黎のことを嫌いになんかならないよ。」
「だがっ…」
「それに、しょうがなかったんだよ。」
「…え?」
「人を守るためには仕方ないことがあるとおれは思うよ。そのためには…人を痛めつけても止めないと。」
亮はただそのままの顔でそんなことを言った。おれは…亮が亮ではないかんじがした。…だって、亮が言わなそうなことを言うからだ。
「それは…そうかもしれないが…。」
「おれも…もし、同じ立場だったら同じようなことをしていたと思うよ。」
「え?」
「…もし、同じ状況だったなら…おれはどうしてたんだろうな…。」
亮はそういうとため息をついた。
「それに黎はちゃんと平等だから。上履きだって自分の足を犠牲にしてつかって見せただろ?だから…黎のやっていることは悪いことじゃないんじゃないかって思うよ。」
「…そ、そうか。」
自分でも…少し狂ったことをやった自覚はあった。
亮に『黎、やりすぎだよっ!!』
と怒られる覚悟だった。だが…亮は怒らなかった。
「よし、これでいいかっ。」
そんなことを考えている内に亮はおれの足に包帯を巻き終えていた。
「あ、ありがとうっ。」
「ううん。おれこそ、ごめんね。黎にいろいろ心配というか…迷惑かけちゃって…。黎が謝ることないからね、おれが…黎を巻き込んじゃったんだから。」
亮はそういうとごめんっとおれに謝った。
「いやっ…そんな、ことないぞっ。おれは亮の力になりたくて…しただけで…。」
「本当にありがとね。黎。」
亮はおれにお礼をいって足をさすっていた。
「あ、亮…。」
「なに?」
「亮だったら…?」
「え?」
「もし、だぞ?もし、えっと、亮の弟が…誰かに監禁されてしまったとしたら…亮なら、どうする?」
「…え!?監禁?うーん。」
亮は頭を抱えて考えていた。
「そりゃ…監禁した理由とか聞いて…いや、聞いたとしても返してもらわないとな…って言い方は変だけど…あれでも大切な弟だからさ…説得するしかないよね。」
「…もし、説得して、うまくいかなかったら?」
「…うーん。そのときは…」
亮がそういったとき───亮の瞳がきらっと光ったように感じた。
「─────いらないよね。」
「え?」
「…もう、ないことにするしかないかな。」
「…それって…。」
どういう意味だっ…?と聞こうとすると、亮がはっとして慌てだした。
「いらないっていうか…、言い方がよくないんだけど…!理由を聞いても意味がないって思うから…まぁ相手の陣地に乗り込んで殺すしかないっていうか…!」
…一生懸命言い直してるのはわかるが…全然言い直しになっていないような気がする…。おれが呆然していると亮は『殺すって本当に殺すって訳じゃなくてっ…!』
と頭を抱えていた。
「いや…亮、すまない。おれこそ、変な質問をした。」
「おれこそごめんっ!なんか物騒なこと言っちゃって…!というかあんま考えられないっていうか…。」
うーんっと亮は頭を抱えて考えてしまった。久しぶりの学校の初日に亮を困らせてしまったことにとても申し訳なく思う。
「こんなくだらない質問に丁寧に答えてくれてありがとな。あと…もう、朝の会の時間ではないのか?」
「あっ…!」
「おれは念のため保健の先生に足をみてもらう。先に教室に行っててくれ。ここまで…おれを運んでくれてありがとう。」
「いや、そんな…!」
「亮のお礼と弟の謝罪はまた、改めてさせてもらうな。」
「大丈夫だからっ…!」
亮は本当に大丈夫だからっというとそのまま教室に戻っていった。
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