永遠の誓い

rui

文字の大きさ
上 下
11 / 39

10.気づく想い

しおりを挟む


騎士たちの訓練が終わった今の時間、ほとんど人はいません。


「ここは……訓練場?」
「えぇ」


ジル姫の体をゆっくりと下ろしながら、騎士ライトは周りを見渡します。
すると、


「……ライト! お前どこに行ってたんだ?」


騎士ライトに気づいた騎士トゥルーが、駆け寄りました。
そして隣にいるジル姫に気づくなり、目を丸くします。


「おいおい……こんな美人、城にいたか? 誰?」


すると、ジル姫はその視線から逃げるように、騎士ライトの背中へと隠れてしまいました。
そんなジル姫に、騎士ライトは思わず苦笑してしまいます。
 
「……ちょっとした知り合いだ。それより、さっきの小鳥は?」
「あそこ、ベンチのカゴの中。それで、ちょっとした知り合いって?」


騎士ライトの質問に、少し離れた場所にあるベンチを指差しながら答える騎士トゥルー。
しかし、ジル姫の事が気になる様子です。

仕方ないのかもしれません。
ジル姫は、一目見たら忘れられないほどの……美しい女性。
そんな彼女を、女性に興味すらなかった騎士ライトが連れてるのですから。


「……アリスの、友達だ」


騎士ライトは少し悩んだ挙句、そう答えることにしました。

いくら親友とはいえ、ジル姫のことはまだ話すべきではないと思ったからです。
彼女もそう、望んでいるはず。


「…………」


案の定、ジル姫は騎士ライトの言葉にホッとした表情を見せました。


「アリスの? 初耳だけど……まぁいいか。オレはライトと同じ騎士で親友のトゥルーだ、よろしく」
「は、はい。私はジルと申します。……よろしくお願いします」


ジル姫が、差し出された騎士トゥルーの手を戸惑いながらも握るのを見て、複雑な気持ちになります。


「…………」


この気持ちが“嫉妬”というものだと、生まれて初めて知りました。

二人が挨拶を終えるなり、騎士ライトはすかさず口を開きます。


「トゥルー。頼みがあるんだ」


頼みとは、離れの部屋で気絶している男たちを拘束してもらう事です。
騎士トゥルーは何かしら察したのか、


「分かった」


何も聞かずに頷くと、訓練場をあとにしました。


***


騎士トゥルーを見送った後、ジル姫たちは小鳥のいるベンチへと向かいます。


『チチッ』


新しい包帯を巻かれた小鳥は、ジル姫を見上げて元気そうに鳴きました。
どうやら、命に別状は無さそうです。


「……ありがとう、ハク。……それに、ごめんなさい……」


ジル姫は小鳥に心から感謝すると同時に、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

騎士ライトを呼ぶために危険をおかし、こんな痛々しい姿になったのです。
……すべては、自分のせいで。

ジル姫が責任を感じ、表情を曇らせていると、


「……姫。ハクは、姫が好きだから無茶をしたんです」


まるでジル姫の心を見透かしたかのように、騎士ライトが微笑みながら言いました。


「だから、あなたが責任を感じる必要はありませんよ」
『チチ!』


その言葉に、優しい笑みに……ジル姫は胸がじんわりと温かく、そして高鳴るのを感じました。


「ありがとう、ございます……」


赤く染まる頬を見られないよう、慌ててクルリと騎士ライトに背を向けます。
何だか恥ずかしくて、まともに騎士ライトの顔を見れません。
そんなジル姫に、


「? では、そろそろ行きましょうか」


騎士ライトが小鳥の入ったカゴを手に持ち、そう声をかけてきました。


「……どこへ、ですか?」


騎士ライトの言葉に……ジル姫の熱は、一気に下がったような、そんな気がしました。

もう、あの塔へと戻るのでしょうか。

確かに今頃、騎士トゥルーが男たちを拘束して、安全かもしれませんが……。
正直、あんな目にあった部屋へは戻りたくありませんでした。


「私……あの塔へは……」


ジル姫はそこまで口にして、閉ざします。

……戻るしかないのです。
あの庭園と塔だけが、ジル姫の居場所なのですから。

それに、戻りたくない、なんてわがままを言えば、騎士ライトを困らせるだけでしょう。


「……塔に戻るのではありません」


うつむくジル姫は、その言葉を聞いて、思わず顔をあげて騎士ライトを見ます。
すると、騎士ライトの頬は、赤く染まっているようにも見えました。
そして、


「私が住む部屋に、ご案内します。あの……もちろん、姫が嫌でなければ、ですが……」
「、え?」


一瞬、言葉の意味を理解できませんでした。

キョトンとするジル姫に、騎士ライトが慌てたように続けて言います。


「あの、狭いですが、一部屋空いていますし……それに城の敷地内にありますから、庭園にもすぐに行けます。
あなたを、あんな所に帰すわけにはいきません」


……断る理由は、ありませんでした。

しかし、いくら信頼できるとはいえ、騎士ライトは若い青年です。
確かに、塔に戻りたくはありませんが……本当にいいのでしょうか。
結婚してない男女が共に暮らすなど、やはりよくないのではないでしょうか。

そんな事を緊張しながら考えていると、騎士や城で働く者たちの住む建物へと、着いたようです。


「姫、この通路の一番奥の部屋が……」
「……あ! おかえりなさい、ライト」


騎士ライトの言葉は、若い女性の声でかき消されました。
ちょうど一番奥の部屋から出てきた、可愛らしい女性の声によって。


「…………」


サラリとした肩まである茶色い髪に、パッチリとした目が印象的です。
年の頃はジル姫と同じくらいでしょうか。


「あぁ、ただいまアリス」


そう返事をする騎士ライトは、アリスという女性のもとへと向かいます。


『ただいま』


その言葉を聞いて、ジル姫はようやく気がつきました。
騎士ライトとアリスは、一緒に住んでいる親密な仲だということに。


「……ッ、」


……何故、こんなにも胸が痛むのでしょうか。
何故、こんなにも嫌な気持ちになるのでしょうか。


「……あの、私……やっぱり、戻ります」
「え?」
「本当に、今日はありがとうございました」


それだけを震える声で言うと、ジル姫はクルリと背を向けて歩き始めました。

仲の良い二人の姿を、とてもじゃありませんが、まともに見れそうになかったからです。
それが何故なのか、自分でもよく分かりません。


「姫? 一体どうし……」


グイッと、腕を強くつかまれて振り向かされると。
……騎士ライトが驚いたような、困惑したような表情を浮かべました。


「……姫、」


ジル姫の目から、涙が流れていたからでしょう。
ジッと見つめられ、慌てて顔を背けて指で涙を拭います。


「は、放してください。アリスさんに誤解されます」
「……誤解、とは?」


ジル姫の言葉に、騎士ライトは不思議そうに首をかしげて聞き返しました。
すると、


「勘違いさせちゃって、ごめんなさい」


二人のもとにアリスが苦笑しながらやって来て、ジル姫に向かって謝ってきました。
何に対して謝られたのか分からず、ジル姫がキョトンとしてると、


「私はアリス。ライトの妹なの」


ニコリと可愛らしい笑みで自己紹介をされ、ジル姫は無意識に、安堵のため息をつきました。

……恋人では、なかったのです。


「妹……」
「ふふ、はじめまして。あなたはライトの恋人?」


どこか楽しげに質問するアリスに、二人は顔を見合わせました。
そして、同時に赤くなってしまいます。


「へぇー……なるほどね。やるじゃない、ライト」
「アリス。彼女とは、そういう関係じゃない」


からかうような口調のアリスをたしなめるよう、騎士ライトが咳ばらいをしながら言います。
すると、


「ライトはあぁ言ってるけど、ホントに恋人じゃないの?」
「え?」


アリスは、今度はジル姫に向かって聞いてきました。

誰かに恋をしたり、いつか結婚して子どもを育てること……。
呪われてからの数十年、一度も考えたことがありませんでした。

普通の年頃の女性ならば、きっと、誰しもが一度は夢見ること。
しかし、ジル姫は“普通”ではないのです。
ですが……。


『必ず方法はあります。私を信じてください。だから……あなたのそばに、いさせて下さい』


夢見ても、良いのでしょうか。
いつか、いつか幸せになれる日が来るのだと、信じても良いのでしょうか。


「あ、もしかして……やっぱり恋人なんじゃ、」
「い、いいえ、違います」


アリスの言葉にハッと我に返ったジル姫は、慌てて赤くなりながら否定します。


「なんだ、残念。まぁいいわ。立ち話もなんだし、部屋へどうぞ。こっちよ」


アリスはそう言うと、有無を言わさず、ジル姫の手を引いて部屋へとスタスタと歩き出しました。


「……何か飲み物を用意してきます。適当にくつろいでて下さい、姫」
「は、はい」


結局、ジル姫は二人の住む部屋へとやってきました。

とりあえずソファーに腰掛けたものの、何だかソワソワして落ち着きません。
騎士ライトのプライベートな空間にいる事が、まだ信じられないのです。


「ねぇ、さっきから“姫”って呼ばれてるけど……もしかして、あなたがジル姫?」
「!」


不意に、向かい側のソファに座るアリスがそんな事を聞いてきて、ジル姫はビクリと体を震わせました。

……今となっては、ジル姫の存在を知る者は、ごくわずか。
誰かに聞いたのでしょうか。
どこまで知っているのでしょうか。


「何故知ってるんだ?」


ジル姫が答えられずにうつむいてると、騎士ライトがカップを手に、二人のもとへと戻ってきました。
どこか、怪訝そうな表情を浮かべながら。


「リナ姫から聞いた事があるの」


その名を聞いた瞬間、騎士ライトが眉をひそめたように見えました。
そしてカップをテーブルに置くなり、


「姫、ちょっと失礼します。……アリス」


アリスを連れ、部屋の外へと出てしまいました。
残されたジル姫は、不安な気持ちでいっぱいになります。

……また、誰かが自分を襲いにやって来たら。

ここは、騎士ライトたちの住む部屋。
ですから、そんなことはないはずだと頭では分かっています。
分かっていますが……先ほどの男たちの事を思い出し、体が小さく震えました。


ーーガチャ


ドアの開く音がして、ビクリと反応します。
恐る恐る振り返ると、ジル姫の目に映ったのは、アリスただ一人でした。


「……ライト様は?」
「大丈夫、すぐに戻るわ」


部屋に戻ってきたアリスは、不安げなジル姫の隣に座りながら、優しい声で答えます。
そして、


「ねぇ、ジル様はライトの事、どう思ってるの?」


突拍子もなく、そんな事を聞いてきたのです。


「……え、?」


自分でも、みるみる頬が赤く染まるのをジル姫は感じました。
別に、恥ずかしがる事は何もないというのに。


「あ、あの……とても優しい方、だと思います」


明らかに動揺しているからか、アリスがおかしそうに笑みを浮かべました。


「ふふ、可愛い反応。ライトが必死になるのも分かるな。
ライトね、調べものがあるからって、毎日夜中まで起きてるの。……きっと、ジル様の呪いを解く方法を探してたのね」
「ライト様が……」


毎晩遅くまで、寝る間も惜しまず……。

ジル姫の胸が、どうしようもなく締め付けられました。
……とても愛おしい気持ちで、いっぱいになりました。
そして、


(……どうして、気づかなかったの?)


騎士ライトへの自分の想いに、ようやく気づいたのです。

……いつからでしょうか。

彼がジル姫にとって、とても大切な存在になっていたのは。

生まれて初めての、恋。

恋というものが、こんなにも幸せな気持ちになるものだと、ジル姫は初めて知ったのです。
それと同時に……こんなにも辛いものなのだと。


「それにしても、何か問題でもあった? ジル様、ずっと顔色がよくないわ」
「…………」


アリスは勘が鋭いようです。
その質問に答えるべきか、ジル姫は一瞬躊躇しました。
けれどアリスは、ジル姫が“呪われた姫”だと知っても、こうして普通に接してくれます。

ジル姫は、膝の上でスヤスヤと眠る小鳥を撫でながら、今日あった事をポツリポツリと話し始めました。


『何が目的なのですか……?』
『分かりやすく言えばいいですかね? あなたを滅茶苦茶にしろって命令されたんですよ』


話の途中、男たちの言葉を思い出し……ジル姫は表情を曇らせます。
カタカタと、小鳥を撫でる手がまた、震え出しました。


「……命令? 誰にそんな命令されたのかしら……。心あたりはある?」
「…………」


不思議そうなアリスの問いに、ジル姫は言葉を詰まらせました。
……心あたりが、あるからです。

男たちは、塔の鍵を持っていました。
塔の合い鍵を自由に持ち出せる者は、ごく一部に限られているのです。
つまり、


(……王家の者か、それに近い人……?)


……とても悲しい事ですが、他に考えられません。

皆に忌み嫌われているのは、知っています。
だからと言って、こんな事をして、一体何の意味があるのでしょうか。

ジル姫が涙をこらえていると、


「もう大丈夫だから」


アリスがギュッと、ジル姫を優しく抱きしめてきました。


「また何かあったとしても、ライトが必ず守ってくれるわ。それに、ジル様の呪いを解く方法も絶対見つけてくれる」


自信に満ちたその言葉は、決して軽々しい気持ちで発したものではないと分かります。
騎士ライトと同じ、真っ直ぐとした目をしているからです。


「アリスさん……」
「『アリス』でいいわ。だって、いつか私のお姉さんになるかも知れないし?」
「ッ、!」


最後の冗談混じりの言葉に、ジル姫はみるみる頬が赤くなるのを感じました。
そんなジル姫の顔をのぞき込んで、アリスは楽しそうに笑います。


「本当、可愛い。ライトの事よろしくね」
「もう、冗談はよして下さい」


何だか、不思議でなりません。
騎士ライトに出会うまでは、こうして誰かと話している自分を想像すらできませんでした。

……果てしない、暗闇の中。

自分は孤独と共に生きていくと、覚悟していたからです。

でも、


(……ライト様を、信じます)


暗闇だったジル姫の未来に、遥か昔に無くした希望の光が……差し込みました。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~

胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。 時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。 王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。 処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。 これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

処理中です...