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- 28章 -
-憎悪と情愛-
しおりを挟むこれはどう言うことだ?嫌いを受け入れられない今の現状が良くないからこそ、助言をしてくれたのでは??頭が混乱してくる…
「まぁ、ずっと嫌いなままで居て疲れないのかなぁーとは思うけどね。俺は、さっき言ったみたいに出来れば、少しは楽になるんじゃないかなって思うけど、その人にとって楽になる方法が、嫌って距離を取る事なら、無理して好きを探すのは逆効果だしさ」
「……言ってること難しいよ」
「そう? 単純な話だよ? 楽になる方法は人各々ってだけ。ただ、切っては切れない相手で、距離をとれない場合は、さっき言ったみたいに、好きと嫌いのバランスを上手く取って行けるようになった方が、楽なんじゃないかって思うんだよね」
「なる、ほど……」
やはり、兄の言葉全てを理解するのは難しい。
自分なりに受け取って理解したと思っても、それ以上の何ががなにかしらがついてくる。
でもそれは、まだまだ吸収し、見識を広げる事が出来るとも言えるし…ここは前向きに考えておこうと一旦結論つけると、改めて兄の言葉を整理してみる。
どんな方法があっているのかは人各々で、こらからそれを見つけていかなければならないこと。
まだ未成年で親の庇護下にあり、完全に関係を切るのは難しいという現状を考えての助言だったということ。
自分にどの方法があっているのかは分からないけれど、嫌いなままでいるよりは、兄のように好きな所も見つけて行ける方が素敵な気がする。
「出来るかな、いつかは聖みたいに」
「歳を重ねれば自ずと見えてくるものだから、焦らなくても良いよ。それに聖なら絶対出来ると思うし。だってー…」
「だって?」
「睦月君の事だって、最初は嫌いだったじゃない」
「……………たし、かに」
そうだ。
もはや忘れていたけれど、確かに最初は苦手だった、というより、むしろ嫌いと言って良い程だった。
わがままで、無愛想で、自分勝手で、人の大切な物も躊躇なく投げ捨てて、謝罪もしない、誰かの好意にありがとうもない、糞やろうだった。
それが今や……
あの時には、夢にも思わなかった。
自分達が付き合うようになるとは。
こんなに、好きになってしまうとは。
市ノ瀬自身がかなり変わったというのも、要因の1つなのは間違いないく、もし同じように、母も変わる事が出来たのならー…
もしかしたら、兄と和解する未来もあるかもしれない。
のだけれど……
一体どこまで知ってるんだ、この兄は。
『俺、聖に睦月のこと愚痴った事あったっけ!?』
「ないよ?」
「ちょっ、心よむの止めてっ!?」
「今のは勝手に入ってきたw」
「そっ、それはしょうがないなっ!?」
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