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- 28章 -
-憎悪と情愛-
しおりを挟む「ただいま戻りましたぁ…」
「お帰り私のうぃだいんぜりー…」
「俺に言ってよ…ホントにこれで良かったのか?ちゃんと食った方が…」
「いいの…今固形物入れたら胃が吃驚してマーライオンになっちゃいそうだから」
「……お疲れ」
ジャン負けで買出しに言っていた従業員が帰還し、其々にリクエストされた食料を配られていく。疲れきっている所申し訳なかったとは思うけれど、運も実力の内だとういし、公平なる勝負で破れたのだからしょうがない。
次は頑張れと思うばかりだ。
「疲れてる所お疲れ様。本当ありがとぅね、買出し」
「いえ、負けは負けで…す、…って、あれっ?なんで居るんですか社長? 」
「えっ、いちゃ駄目だった?……なんか、ごめん」
「あっ、いや、そうじゃなくて!上がってくる時駐車場の方に弟さんが歩いてってたの見たので…てっきり一緒に出かけー」
疑問に首をかしげ言い終わるか否や、先程までの態度を一変させ勢い良く起き上がった月影は、素早く携帯に駆け寄り手に取った。
「そーゆー事は早く言うっっ!!」
「えっ、なんかすいません??」
「でも教えてくれてありがとうっ!」
「あ、はい…」
若干の理不尽も、お礼を言われてしまうと文句を言うタイミングも、意欲も失うと言うもので…立場が逆転したかのように月影と同じ謝罪を口にした従業員を尻目に、月影は通知に目を落とす。
クライアントからと思いスルーしてたバイブ音は、もしかして…とよぎった予想は見事的中し、そこには弟からの着信履歴がしっかりと残されていた。
上着を取りに行く時間も惜しい。月影は近くにあったブランケットをひっつかみ、慌てて出入口へと足を向けた。
「ちょっと出てくるからっ!戸締まりはいつものように!社泊するなら連絡ちょーだい!あと、君ら明日振替休日っ!!ゆっくり休んでねっ!」
「はぁーい、りょーかいでーす」
「お気をつけてぇー」
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「ねぇーw いやでも、分かるわぁ、その気持ち。あの子ちょー可愛かったもん。ぎゅってして、パクってしたいくらい」
「……お前、もう弟君に会うなよ?」
「なんでよぅ!?」
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「失礼っ!?しないってばそんな事!! 多分!!」
「ちっとも安心出来ないんだけどっ!?」
そんなやり取りがされているとは知らず、月影は通知から折り返しをかけながら階段をかけ下りる。鞄に入れているのか、はたまたサイレントにしているのか、コール音は繋がりませんの案内音声へと変わった。
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