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- 26章 -
- クリスマスおまけ③ OB組 -
しおりを挟む自分の外見が誰かの人生を大きく変えてしまっていたなんて思ってもなく、ただただ驚きでしかない。
「なんか、そんなふうに思われてたなんてすっごく吃驚したよw」
「言葉で伝えるのが難しくても形にすることで思いを伝える事が出来るのかもしれない、って初めて気がつけてね。 その時からぼんやりそう言う仕事したいなぁーって思ったんだよ!だから今の俺があるのはのんちゃんのおかげなのっ! ありがとう!」
その上感謝までされるなんてー
『…嬉しいなぁ』
「俺と言うか、この顔に産んでくれた両親に感謝だねw」
「それもあるかもねww でも俺達を選んで一緒に居てくれたのはのんちゃんだから、やっぱりありがとうだよ! のんちゃんが女の子だったらプロポーズしてたかもっw」
『なんだろ…このデジャブ2乗みたいな感じw』
似た者同士と言うかなんと言うか。
長谷川をいじる事に関しては自信をもって阿吽の呼吸と言えるけれど、それ以外でもなんて最早感動ものだ。
「あっ、でも俺が女の子だったらてっちゃんにプロポーズしてたかも?」
「えぇ!?w俺が男でてっちゃんが女じゃ駄目なのっ!?」
「駄目でしょっ!」
「駄目なのっ!?即答じゃんwひーくんって結構好み激しいよねっww」
「…そう??」
誰でもどんなでも美しいなんて博愛主義のようなことを言っておきながら、そこの好みには中々に煩いようだ。彼を理解しきるのはいまだに少し難しい…
先程長谷川が女の子だったら月影と争う未来が…と感じた不安は、もしそうだったとしても心配する必要はなかったようだ。
「おーい、テーブル開けろー?持ってくぞー?」
「「はーいっ!!」」
次々と料理が並べられ、長谷川が席へと着くとすかさず月影がお酌をする。けれど只では終わらないのが彼等だ。表面張力で溢れそうな程注がれたそれに慌てて突っ込みを入れる長谷川の隣で月影が楽しそうに笑っている。
「…ほんと、2人と友達になれて良かった」
「はぁっ!? なに急にっ!? 今の見て思ったのか!?大丈夫か頭っ!?いや、お前もやる側だったそうだったっ!!」
「このちゃめっけが分からないなんて…まだまだだよねぇ、のんちゃんっ!」
「ほんとほんと、これは生涯かけて分かってもらうしかないよねっ!」
「地獄の果てまで!」
「までっ!」
「こえぇよっ!?」
2人と友達になれた事のどこが良いと思ったのかと言われたら、沢山ありすぎて言葉にするには膨大な時間がかかってしまいそうだし、全てを言語化することも難しそうだ。
一言で表すなら、2人が醸し出す空気感の心地好さ、だろう。
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