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- 26章 -
- クリスマスおまけ③ OB組 -
しおりを挟む何かを諦めたように小さく溜め息をつき画面へと指を近づける姿を横目に、秋山は再びアクセルを踏みー
〖てっっっちゃぁぁぁぁぁぁーーーーんっっ!!!〗
「っ!!??」
込みかけたアクセルをブレーキに変えた。
長谷川の携帯からだと言うのに耳に当てていなくてもちゃんと届く声は聞き覚えしかない声で。
『声でかっ!w大丈夫かな耳wW』
心配して長谷川を見ると耳から携帯を離し眉間を押さえ険しい顔をして黙り込んでいる。
そんな長谷川に変わり携帯へと顔を近づけた秋山は思いっきり息を吸い込み、そしてー
「ひぃぃーーくぅぅぅーーーんっ!!!」
〖っ!?えぇっ!?のんちゃんっ!?のんちゃん!!のぉんちゃぁぁぁーーーーんっ!!??〗
「あ゛ぁ゛ーもうっ!!うるせぇよお前らっ!!叫ばなくても聞こえるっつのっ!!」
スピーカーにするから静かに話せっ!!というお叱りと共にスピーカーボタンを押され、携帯がセンタークラスター上に置かれた。
〖今2人で居るのっ!? なんでなんでずるいっ!?〗
「てっちゃんが手作りおつまみ持って職場までお迎え来てくれたのっ!!」
〖えぇー!? てっちゃんおつまみっ!?良いな良いなぁー!羨ましいぃー!! なうで酒盛り中っ!?〗
「うぅん!今からだよっ! 丁度俺んち向かう所っ!」
〖ほんとっ!? 俺も丁度職場の子達がお布団に入った所なんだよねっ!!ねっ?本当丁度良いタイミングだと思わないっ!?〗
それは
そんなの
そんなのはもちろん…
「…… 思うねっっ! すっごくっ!!」
「おい、お前ら…」
「直ぐにお迎えに上がりますお姫様っ!!」
〖お待ちしております王子様っ!!〗
「待て待てっ!!正気かはなっ!? こいつ既に飲んでだぞっ!?」
慌てて制止しようとする長谷川へ視線を移した秋山は限界まで息を吸い込む。
また昔のように3人でクリスマスを祝う事が出来る流れが来ているのに、そんなこと…
そんなこと、絶対にさせない。
「なにか問題でも?? クリパで飲んで騒いで盛り上がってもつぶれずに正気を保って後片付けまでして飲んで寝ちゃった社員さんのお世話を最後まで責任もってちゃんとして尚且しっかり見届けるっていう素晴らしい対処が出来る頼れる社長さんだよ問題ある?ないよねっ!?」
「息継ぎどうした息継ぎっ!?」
「待っててねプリンセス~w」
〖待ってるわプリンス~ww〗
その言葉を最後に電話が切られると即座に目的地を自宅から月影の職場へと変え、今度こそアクセルを踏み込んだ。
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