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- 26章 -
- クリスマスおまけ③ OB組 -
しおりを挟む「ねぇそれ、もしかしておつまみ的なあれ?」
「そう。どうせはなは遅くまで仕事してるだろうし、ひーは忙しくしてるだろうから」
「あぁ、誕生日からの奥さんとクリスマスイブランデブーからの職場でクリスマス会だもんねー」
「ほんと、人生満喫してるよなあいつw」
「ほんとにねっww ちょっと寂しいけど、楽しそうで俺も嬉しいよw」
月影が蓮と付き合い始める前は決まってイブに3人で集まり長谷川の手料理とワインに舌鼓していた。
『懐かしっ!あの頃は楽しかったなぁ~』
少し寂しく感じるけれど、どれだけ大切に思って居ても体は1つしかない。大切なもの全てを優先することなんて出来ないのだから、あの頃のように出来ないのはしょうがない事だと重々承知しているしそれくらいで崩れる絆でもない。
それに生涯のパートナーを見つけたのなら彼女を大切にして欲しい。
共に過ごした幸せな思い出を思い浮かべつつ、助手席に回った秋山はドアを開け長谷川へと全力の笑顔を向けた。
「どうぞ、お嬢様」
「……結構よ」
と言いつつも、大人しく助手席へと入り込むのを確認すると静かにドアを閉め、早足で運転席へと移動しエンジンをかける。
「来てくれてありがとっ!!元気100倍のんちゃんマンだよ!大好きっ!!好き好きっ、てっちゃんだーいすきっww」
「はいはい。早よ車だせー」
「はーい!」
『あぁー…良いな、やっぱ落ち着くなぁ、てっちゃんのこの低めテンションw』
「家で良い?」
「大丈夫」
「てっちゃんは明日仕事?」
「遅番だから多少ゆっくりは出来る」
「やった!因みに俺は休みー!」
「…飲み過ぎるなよ?」
「大丈夫!飲み過ぎても残らないから!!」
「俺に響くんだよ」
「またまたぁ~、好きでしょお世話するの!」
「たまには俺に楽させる気にはならんのか」
「楽しませる気にはなるよっ!!」
「それ、漢字は同じでも意味違うからな?」
「分かってるってww」
「本当かよ…」
「本当本当!! じゃぁー出発~!!」
溜め息つき不満をもらしながらも、それでもこうして気にかけて会いに来てくれる。何年経ってもそれは変わらない。いつだって彼の心は大切な誰かに寄り添っているのだ。
ハンドルを握りアクセルを踏み込んだ瞬間、着信音が車内に響き渡った。ブレーキを踏み2人同時にポケットに手を突っ込むと携帯を取り出す。
どうやら、自分ではないようだ。
長谷川へと視線を向けると、携帯の画面を無言で見つめ続けていた。
「…………」
「………………」
「でないの?」
「いや、出る…出る、けど」
「やだ、でるでるって、この変態さんめっ!!」
「お前がなっ!?」
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