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- 26章 -
- クリスマスおまけ① 睦×聖 -
しおりを挟む「……なんか、増えてんな」
「ねっ!」
そこには、昨日の墓参りで帰り際に作った雪だるまが、そしてその隣に新たに “ 3体 ” の雪だるまが並んで置かれている写真が映し出されていた。
「どういうこと?」
「楓さんのご両親からあっきーに送られて来たみたい。娘の為にありがとうございましたって」
「そう。この増えてるのは?」
「ご両親も作ったみたい」
「ふーん…」
なんで “ 3体 ” なんだろうと頭を掠めたけれど、1人1体しか作ってないとは限らないしとさほど気に止めず再び目を閉じた。
「ねぇ、睦月」
「んー…?」
再び寝る姿勢に入った市ノ瀬にならい班乃へと手早く返信をした安積は今度こそサイレントにしてその胸元に潜り込む。
「今日は…昨日もだけど、めっちゃ楽しかった!色々、ありがとぅ」
「別になんもしてねぇよ」
「それでも、ありがとう。一緒に居てくれて。俺を選んでくれて、いつも大事にしてくれて、本当にありがと」
『……それはこっちのセリフだっての』
班乃の指輪に関して知った今だからこそ尚更だ。初っ端からかなりのやらかしをして冷たく接して散々手も妬かせてイラつかせたりもしたと思う。
それでも自分を認めてくれて
誰よりも特別にしてくれた。
あれから考えれば、今こうして一番近くに居れることは奇跡にも近い気がする。感謝するのは自分の方だ。
「安積」
「なに?」
「最高のプレゼントだったわ。
……これからもよろしく」
「…それは良かったっ! こちらこそよろしくっ!」
そんな奇跡がもたらした腕の中の温もりを、なにがあっても失うことがないように。自分の全てをかけて “ 幸せ ” にしてあげられるように。
側にいて、抱き締めれば抱き締め返してくれる、そんな幸せを当たり前にしないように…
1人誓いをたて、今という幸せを味わいながら、クリスマスの夜に意識は溶けていった。
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