Pop Step

- 26章 -

※- 冴ゆる星 -※

自分の為にこんなにも懸命になってくれている姿に言い表し様のない程の愛おしさと幸福感が広がっていく。

のだけど…

鈴橋の背中は大きく上下しており苦しそうで…
そっとその背中に手を滑らせた。


「っ、むり、しなくて良いよっ？」


その言葉を拒否するように咥え込んだまま首が横に降られ、ゆっくりとギリギリまで吐き出されたかと思うと再び限界まで咥え込まれる。

時折口呼吸を織り交ぜつつ左右に舌を移動させながらじっくり味わうように上下に動く。しばしそんな動作が繰り返されると突っかかりを過ぎた先端でピタリと動きを止めた。

そして限界まで酸素を吸い込んだような呼吸音が耳に届き…

暖かく滑った唇が、ツンと尖らせた舌先が、わざとらしく立てた人差し指が、強く握り締めた手が、速度を増させながら至る所を攻め立て上へ下へと大きく行き来する。

『ヤバいヤバいっ！これはっ、ヤバいっっ！』

気を抜けば直ぐにでも痛みから解放されそうな刺激の中歯を食い縛りなんとか耐えると、四つん這いになる鈴橋の背中へ覆い被り鈴橋自身へと手を伸ばした。


「っ、たかぁー」


驚きで咄嗟に持ち上がる鈴橋の頭を押さえ込み制止すると、弾みで奥まで突き刺さってしまったようで苦しそうな嗚咽が聞こえてきた。


「ごめっ、でも…止めないでっ」

「……んっ、ぅっ」


言葉もなく再開される動きを感じながら、ゆっくりと鈴橋を愛撫していく。それは思いの外ー


「……ントにっ、もう…やらしいなぁ、もうっ…人の咥え込んで…まだ触られてもないのに、こんな…してるなんて」


返答の言葉はなくともズボン越しでも分かる程に震えるそれが感情を物語っている。閉じ込められ窮屈そうにしているそれを救い出すと既に十分に自立しており、やんわりと握り締め緩やかに前後させる。

感情を刺激するような音を響かせながら手の中で固さを増していく様子に、今鈴橋を征しているのは自分なのだと言い様のない高揚感に包まれる。

『……まぁ、それはお互い様なんだけどっ』

引っ張られる様に平行して揺れる膨らみに中指と人差し指を伸ばし同時に刺激を与えていく。縮こまり随分と上部へ移動してきているそれは鈴橋も限界が近かったのだと言う事を物語っていた。

押し寄せる快感から逃れる様に捩れ動く腰や植野を口に含んだまま耐えきれず漏れ出るその声が、その咽の細かな震えが、止まる事なく絶佳を呼び寄せていく。

絶頂に近づくにつれ早さを増す鈴橋の手の動きに追随し同じように早めると淫らに大きく腰が跳ねた。

『もっ、無理、かもっ…っ』

結構頑張ったよね…と自分自身を称賛つつ、自分を味わう背中に顔を埋めるとまともに喋る事すら困難な中なんとか口を開いた。

小さく短い返答が届くと、後は登り詰めるだけだ。

気を失いそうな程の快感が押し寄せ、目蓋の裏に煌びやかな星が無数に舞う。そして一瞬止まった植野の手に鈴橋の手が重なると、ほぼ同時に同じ景色を見た。