Pop Step

慰弦

文字の大きさ
上 下
889 / 1,142
- 26章 -

※- 冴ゆる星 -※

しおりを挟む


『まずいまずいっ、これは、まずいっ!』

なんとか頑張って来たけれど…
これ以上はもう止められる気がしない。
抗える気がしない。

食むような動きを受けながらボタンが外されファスナーが下ろされると、窮屈に締め付けていた物から解放され残るは薄い最後の1枚のみになる。


「……こんなになって…ごめん、苦しかったな」

「良いからっ、話しかけなくてっ…」


顔から火が出そうだ…

なんとか踏み止まって来たけれど、どうやら完全に鈴橋の管理下に入り込んでしまったのだとひしひしと感じる。

見なくても自覚できる程には汚してしまっている最後の1枚から限界近くまで育ったそれが取り出され、予想以上だったのか掴む間もなく小さな音を立てて鈴橋の頬へとぶつかった。


「ごっ、ごめ…」

「別にいい。今、楽にするからー…」


意思とは関係なしに小刻みに動くそれを柔らかく握りしめ、先端の膨らみを啄みながら周辺や割れ目に舌先を割り入れ念入りに掃除していく。

そこから逃れ垂れていく雫を横から咥えるように丁寧に舐めとると、摩擦で痛まないよう唾液と植野自身のモノで十分に濡らし、ゆっくり手を動かし始める。


『こっ、こんなんでっ、まわり気にしてろなんてっ……』

なかなかに酷な事を言う。

限界に近かったとは言え直ぐに達してしまっては流石にプライドが許さない。今すぐにでもぶっ飛びそうな肉感を、細かく息を吐き呼吸を調整しながらなんとか逃がしていく。

街灯も殆んど届かないため囲いの上からのぞく自分を誰かに見られた所で “ 誰か居る ” 位にしか分からないだろうし、もう一つ。

コートに隠れた鈴橋の頭を優しくひと撫でしー

『顔、見えなくて良かったっ』

と心底思った。

残念だと思う気持ちだって勿論あるけれど、切羽詰まった今の状態ではプライドがなんて言ってられる時間さえなく終わっていた自信がある。

次々と溢れ出る先走りを吸い上げながら、ゆっくりと動く手が焦らすように時折突っかかりを通っていく。

その都度襲う緩やかな刺激が堪らなくもどかしい。

植野自身を握り締め愛でている手はそのままに、もう片方の手が状態を確認するかのように根本の膨らみを包み込んだかと思うと、愛でていた手が下部へと下ろされ今度は先端を卑屈に攻め立てていた湿った空洞が淫乱な音を響かせつつ植野を包み込む。


「んンっッ!! ………はっ…っぁ」


唐突に襲う刺激をなんとか耐え凌ぐとザラザラとした刺激が通りすぎ、つるつると滑る柔らかな部分が先端を包み込み動きを止めた。

口からの酸素が供給を断たれ、繰り返す荒い鼻呼吸が聞こえてくる。それ程までに深く咥え込でいると言う事実や、唾液を飲み込む度に閉まる喉が強烈な刺激をもたらす。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

私の事を調べないで!

さつき
BL
生徒会の副会長としての姿と 桜華の白龍としての姿をもつ 咲夜 バレないように過ごすが 転校生が来てから騒がしくなり みんなが私の事を調べだして… 表紙イラストは みそかさんの「みそかのメーカー2」で作成してお借りしています↓ https://picrew.me/image_maker/625951

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

チャラ男会計目指しました

岬ゆづ
BL
編入試験の時に出会った、あの人のタイプの人になれるように………… ――――――それを目指して1年3ヶ月 英華学園に高等部から編入した齋木 葵《サイキ アオイ 》は念願のチャラ男会計になれた 意中の相手に好きになってもらうためにチャラ男会計を目指した素は真面目で素直な主人公が王道学園でがんばる話です。 ※この小説はBL小説です。 苦手な方は見ないようにお願いします。 ※コメントでの誹謗中傷はお控えください。 初執筆初投稿のため、至らない点が多いと思いますが、よろしくお願いします。 他サイトにも掲載しています。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

処理中です...