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- 26章 -
ー 聖誕祭 ー
しおりを挟む『………まぶし』
微かに開いたカーテンの隙間から差し込む日の光が意地悪く目蓋を焼き眠りから覚醒する。
しかし起こされたというよりも起きたと言う表現がしっくり来るくらい目覚めは良好だ。
良くも悪くも昨日一昨日と感情が大きく揺れ動かされる事が多く、その疲労から夢も見ない程泥のように深い眠りにつけていたおかげだろう。
『でも…多分それだけじゃぁ、ないよな…』
感情を使いすぎたからだけじゃない。
まだ寝惚けた頭に微かに浮かんだもう一つの要因。
それはー……
『っ!!』
その先へ向かおうとする思考に急速に思い出された昨夜の記憶が完全に目を覚醒させた。ノロノロと両手で顔を覆い一気にはね上がった心臓を落ち着かせようと大きく息を吸うとゆっくりと吐き出した。
『どっ、どーしよっ…!どーしよぅっ!?』
指の隙間から目だけを覗かせ横に視線を移すと、そこには気持ち良さそうに寝息を立てている市ノ瀬の姿があり更に鼓動が激しく波打つ。
『駄目だっ!このままじゃ駄目だっ!!
いったんっ、いったん落ち着かないとっ!!
そうだ顔っ!顔でも洗って頭冷やそうっ!』
洗面所へと向かう為自身の胸元へと乗せられている腕を起こさないようにそろそろと下ろし、片足をベッドから下ろ…下ろ……
下ろそうとしたのだが、諦めて再びベッドへと体重を預けた。
『あっ、あれっ……?? こっ、…これってもしかして……あれか? …俗に聞く、あれ、かっ…?』
腰が痛いとか、内腿諸々筋肉痛とか、異物感があるとか、なんか、そーいう……
『いや、異物は失礼か……
って、朝からなに考えっ……!!』
自身の体に刻まれた痛みやベッド下に転がる残留物が昨夜の出来事は夢ではないと生々しく伝えてくる。
ソファーから浴室へ、浴室から寝室へと流れるように場所を移し、馬鹿みたいに丁寧で、馬鹿みたいに優しさの溢れた、馬鹿みたいに満たされる夜を共に過ごした後いつの間にか眠りについていた。
まさか
直ぐにこんな展開になるなんて思ってもなかった。
まさか
自分がこんな事をするとは思ってはなかった。
本当に “ いつの間にか ” だった。
とはいえ、その事に後悔はない。
ないのだけれど……
『どーしよ……起きたらなんて声かければ…』
さしあたっての問題はそこだった。
無難におはよう?
でもそれだとなんだか普通すぎるというか
冷たすぎる気がする。
なら、他には?
もう少しなにか付け加えてみるべき?
なにか…なにか……
……………感想、とか…?
『…… Σって、 感想っ!? いやっ、無理無理無理っ!!難易度高過ぎっ!!!過信禁止っ!!』
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