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慰弦

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- 26章 -

- それは白く輝く -

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「…ごめんっ、楽しみすぎてつい。 もーほんと食べたいのありすぎて困っちゃうよっw じゃぁ、あみだでもするっ!?」

「いや、いいよあみだじゃなくて」


なんとなくだけれど運に任せて決めるよりもちゃんと自分で決めた方が喜んでくれそうな気がして先程のズラズラと発せられた言葉を思い返してみる。

『なんだっけ…1つだけ聞いたことのないのがあった気が…確かー』


「あぁ、そう。アヒージョってどんなやつ?」

「アヒージョ?  トマトとかブロッコリーとか海鮮系のやつオリーブオイルに突っ込んでグツグツしたやつ!簡単に出来てめちゃうまい!カリカリのフランスパンに味の染み込んだオリーブが相性激やばっ!!」

「へぇー」


返事はしたもののちょっと良く分からない…話ながら検索をかけてみるとそれた確かに言われた通りの見た目をしていた。

『説明下手かって疑って悪い…』

しかし見たことはあるけれど食べたことはない。糖質は良いとして並々と主張するオリーブオイルのカロリーは気になる所だけれど、新しい物に挑戦するのも悪くはない。


「じゃぁ、それにしよう。食べた事ないし。それとシチュー…はホワイトが良い。サラダはカルパッチョで、スープはおまかせな」

「食べた事ないのっ!? OKっ!色々OKっ!!全力で作るよっ!!ってもアヒージョはぶち込むだけだから、愛情3割増しでぶち込むわっ!!」

「気持ちの問題かよw」


『…まあ、十分嬉しいけど』


レシピも決まり朝食兼昼食を食べ終わったあと、丁度昼時でスーパーは混雑していないだろうと休むことなく買い物に出た。

狙い通りに人はまだ少なく100均でイキイキと買いすぎなくらいに装飾関係をかごにぶち込む安積のに、飽きれと微笑ましさで脳内を忙しくしながらようやくスーパーへと足を向ける。


「シチューとローストビーフなんだけどさ」

「んー?」

「冷凍してあるのあるからそれで良い?」

「勿論。時短になるしな」

「ありがとっ!じゃぁー」

「あのっ!!」


カートを取ろうとしたちょうどその時。少し離れた所から女性の呼び声が聞こえ同時に振り返ると、連れと2~3会話をした女性が連れを残し安積達の方へと走り寄って来た。


「誰?もしかして睦月、どっかでナンパでもした?」

「お前が居るのにするかよ」

「…あ、そう」


小声でそんな冗談を飛ばしていると目の前まで来た女性が2人をまじまじと見上げ、そして自信なさげに口を開いた。


「こんにちはっ!!あっ、あの、チラッ、チラシっ…」

「チラシ?」

「そう、チラシ…じゃなくてえっと、なんだっけ…フライヤー…って言うんだっけ? で見たことあるなって。間違ってたらごめんなさい、安積君と市ノ瀬君、だよね?」
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