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- 26章 -
- それは白く輝く -
しおりを挟む唸りながらあまりにも真剣に考える安積の姿にクリスマスの定番と言えば2つしか思い浮かばない自分がおかしいのかと若干不安にもなってくる。
「決まった?」
「あぁ」
「じゃぁ、いくよ? せーのっ!」
「ローストチキンっ!!」
「ローストビーフ 」
「「……………」」
「いや、チキンかな?」
「だよなっ!?」
一瞬にして悲しそうに染まった安積の顔に即座に言い直す。どちらもクリスマスらしいメニューだしどちらとも嫌いでもない。となれば安積が選んだ方にしない選択肢はないだろう。
「あっ、でもローストビーフも捨てがたいな…冷凍してたのがあったはずだし…」
「じゃぁ両方にすれば」
「んー…でも肉に肉って変じゃない?」
「肉料理が2個あったって別に変じゃねぇだろ」
「そう、かな?」
「そうだろ」
「そっか!!」
携帯を取り出しメモ帳を開くと必要な材料を打ち出す安積を見つつ頭の中にレシピが入っていと言う事に関心を覚える。
自分じゃいくら考えたところで、牛肉の塊!骨付きの鶏肉!くらいしか思い浮かばない…
「じゃー、メインは? 米?パン?パスタ?」
「…パンかパスタかな」
「良いね!トマト系のパスタならチーズ盛りだくさんにして、コンソメでポトフとか鶏ガラで卵スープとか、シンプルに醤油ベースのワカメスープとかでも良いな!クリームとかオイル系ならミネストローネでも良いよね!!」
「…そうだな」
「パンだったら…シチューかな? あー、でもカリカリに焼いたフランスパンにアヒージョ乗っけて食べるのも捨てがたいし…やばっ、ちょー迷うっ!!なにが良いっ!?」
「なにが………」
「サラダはポテトサラダとかマカロニサラダとか、周りを葉物で囲ってリースっぽくするのもクリスマスっ!って感じで良いよな!難しいけどカラフルな野菜いっぱい使って生春巻とか!!けど、カルパッチョも食いたいなぁ…」
「サーモン好きだよな、お前」
「大好きっ!! ねぇ、何にしよっかっ!?」
「…お前が食べたいので良いよ」
「なにそれ適当っ!? 一緒に考えてよー!折角一緒に食べんのにっ!!」
「いや、そーいうんじゃなくて、ポンポン出すぎて付いていけねぇ」
「ーえっ?ご、 ごめん…そんなだった?」
「お前らみたいに自炊なんてそうそうしないからな。明だったら付いていけるんだろうけど」
『やば…自分で言ってダメージ』
しかしここで黙ってしまったら余計な気を使わせてしまう。出来るだけなんでもない風を装いつつ一度目を閉じ気持ちを切り替える。
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