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- 26章 -
- 貴方に送る祝福と -
しおりを挟む「………」
「……………」
「あっ、分かった!」
「分かったんですかっ?」
「これ、あれじゃね? シュ○ック!?」
「……あっ、あぁ、成る程。じゃぁその隣は…お嫁さん、ですかね?」
開かれたカーテンの向こう、そこには色とりどりに着色された小さい雪だるま…のようなそうでないものがずらりと並んでいた。
とりあえず一番手前にあった緑色の物について予想を立てると、正解を求めるように見上げた2人の視線を受けた安積はなにも言わずニコニコ顔で頷いた。
どうやら正解だったようだ。
しかしその横にも緑色の似たようなものが並べられており、その他にも謎の雪像が複数作り置かれている。まだまだ安堵は出来そうもない。
「…この2人、子供とか居ましたっけ?」
「居たと思う、けど…これはでかすぎじゃね?」
「……確かに」
小声で相談を交わしつつ雪像に真剣な眼差しを向け頭を悩ませる。後ろから感じる期待のオーラに、なんとしてでも答えを見つけないというプレッシャーがのし掛かる。
「「……………」」
「あっ」
「すげぇなあっきーっ!!」
「正解かどうかは分かりませんけど…後ろにある3体の、赤と青の雪像。あれ、蜘蛛に噛まれた…」
「…あっ、あぁ、あれ、あれか!!親愛なる隣人!」
「2号3号1号、ですかね?」
そうだと思うとそうとしか見えない。
「「隣人っ!」」
びしっと指差し2人同時に安積を見上げると、手を口に当て小さく震えながら嬉しそうにコクコク頭を頷かせた。
……なんだか少し楽しくなってきた。
真剣な表情を浮かべ再び雪像へと視線を戻した2人は、示し合わせたわけでもなく口に手を当て同じポーズを取っていた。
『と、するとだ。緑色の夫婦の横にある子供と見せかけたこの雪像はー』
親愛なる隣人の前に堂々と置かれてる2体…
「そう言うことか!」
「分かりました?」
「親愛なる隣人繋がりじゃね?天才物理学者の!」
「成る程!じゃぁその隣は従姉妹の弁護士さんですね」
「やべーな、シュ○ックと間違えるとか、俺ら弁護士にぶっ飛ばされんなww」
「全力で謝罪しないとですねw」
「どうよっ!」
「大正解っ!!凄いな2人ともっ!じゃぁ、あと2つ!」
よしよし、順調。この調子ならー
「「……………………」」
雪像を眺め、班乃と視線を交わし、再び雪像へと視線を戻す。最後の2体。これは……
「ヒーロー率高いよな…」
「そうですね…」
「「……………」」
ヒーロー繋がりと言えばなんとなく。けれども、どうも少しばかり違和感がある。と言っても、今まで運良く当ててきた物も、出来栄えで言えば当てられたのは最早奇跡で…
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