639 / 1,142
- 24章 -
- 普通 -
しおりを挟む「えっ、なになにっ?どうしたのっ??」
「だって……」
市ノ瀬とクレープを食べに行った日。1人では決断できそうもない思いに答えを出す為に、また市ノ瀬からの猛攻撃に耐える為にと助けを求めたのは異母兄だった。
取り付けた約束通り自宅を訪れた異母兄を迎え入れるや否や、靴も脱がずに急に抱き締められ安積が戸惑いの声をあげる。
「最近さ、ずっーと落ち込んでたでしょ?ごめんね、なにも出来なくて」
「いやいやっ、聖が謝ることじゃないよっ!俺こそ心配かけてごめんっ」
時折遊びに来る異母兄が心配そうにしてたのは知っていたけれど、文化祭からのいざこざをどうしても話す事が出来きず心苦しく思っていた。きっとこの先も話すことは出来ないだろうが、無事に解決もしたことだし今後の振る舞いで安心してもらうしかないだろう。
『…まぁ、また別の問題が出てきちゃったわけだけどさ』
一先ず安心してもらう為にと力強く自身を抱き締める兄の背中を抱き締め返し、ひとしきり抱擁を終えると揃ってリビングへと向かいソファーに並んで腰を下ろした。
『心配かけさせた上にこんな話するなんて気が引けるけど、自分の事として話すわけじゃないし…大丈夫だよね、きっと』
「今日は奥さんは?」
「友達と旅行中!」
「じゃぁ……飲むっ!?」
「あらっ、進めるの上手になったわね!」
頻繁に来るため最早常備されてると言っても過言ではない焼酎を掲げにっこり笑うと、唐突におねぇが登場した。
『というか、バッチリおつまみ用意してきてよく言うよ。おつまみの入りのパックにお鍋様の材料の入ったスーパー袋を引っ提げて登場しといてよく言うよっw』
準備の良さは毎回の事だけれど、奥さんが不在なことに加え今回の装備を見るに、相談があるというお願いに対し腰を据えてたっぷり聞いてくれるつもりで来てくれているのは間違いなさそうだ。
『…ありがと、ひじり』
心中感謝を示しながら、2人揃って鍋の準備の為台所へと向かった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

チャラ男会計目指しました
岬ゆづ
BL
編入試験の時に出会った、あの人のタイプの人になれるように…………
――――――それを目指して1年3ヶ月
英華学園に高等部から編入した齋木 葵《サイキ アオイ 》は念願のチャラ男会計になれた
意中の相手に好きになってもらうためにチャラ男会計を目指した素は真面目で素直な主人公が王道学園でがんばる話です。
※この小説はBL小説です。
苦手な方は見ないようにお願いします。
※コメントでの誹謗中傷はお控えください。
初執筆初投稿のため、至らない点が多いと思いますが、よろしくお願いします。
他サイトにも掲載しています。


塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。


目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
早く惚れてよ、怖がりナツ
ぱんなこった。
BL
幼少期のトラウマのせいで男性が怖くて苦手な男子高校生1年の那月(なつ)16歳。女友達はいるものの、男子と上手く話す事すらできず、ずっと周りに煙たがられていた。
このままではダメだと、高校でこそ克服しようと思いつつも何度も玉砕してしまう。
そしてある日、そんな那月をからかってきた同級生達に襲われそうになった時、偶然3年生の彩世(いろせ)がやってくる。
一見、真面目で大人しそうな彩世は、那月を助けてくれて…
那月は初めて、男子…それも先輩とまともに言葉を交わす。
ツンデレ溺愛先輩×男が怖い年下後輩
《表紙はフリーイラスト@oekakimikasuke様のものをお借りしました》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる