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- 23章 -
- 終幕 -.
しおりを挟む「なんかさ、あれみたい、あれ!!」
「なんだよあれって」
「ほら、生まれた時は違うけど、死ぬ時は同じが良い、みたいなあれ!パーリィーピーポーな軍師が言ってた気がするあれ!なんだっけ?」
「…あぁ、たしか桃園の誓い、でしたっけ?劉備と関羽と張飛が義兄弟の契りを交わしたという。同年同月同日に生まれることを得ずとも、同年同月同日に死せん事を願わん、とかなんとか」
「確かのレベル高ぇな…いや、でも義兄弟の契りは遠慮するわ」
『なりたいのは義兄弟じゃないし…』
契りなんて交わした日には、義兄弟なんて概念作ってしまった日には、それ以上には進めなくなってしまいそうだ。
「えー…なんっ……なんっ、なんでも、ない」
なんでよー!?とでも言いかけたのだろうか。しかし遅れて市ノ瀬の言葉の意図を察した安積は言葉を濁した。
「とにかく、義兄弟の契りがどーのじゃなくて、2人とは死ぬまでずっと仲良くしていきたいなって心意気よ!!」
「心意気よ!って……まぁ、なんとなくは伝わりました。それなら、喜んで。良かったですね、睦月」
「うるせぇよ」
『目じゃなくて口で言いやがったっ
今度は言って良いよなこれはっ!?』
「え……嫌だった?」
「嫌とかじゃねぇよっ」
「よく分かんないけど、嫌じゃないなら良し!!」
『…こっちも察しろ馬鹿っ』
そんな苛立ちも、葉っぱを空にかざし嬉しそうに笑うその姿1つで溶かしていってしまうのだから、どうしようもない。
「綺麗だなっ!」
「そーだな」
「そうですね」
安積と同じく空に葉をかざし、目に映るその色は沈み行く日の光に透けて輝いている。
その日の景色は、間違いなく、3人の記憶へと色濃刻まれる事となった。
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