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- 23章 -
- 青の終焉 -
しおりを挟む「学、お前さぁ。照れてんだか困ってんだか知らんがもー少し愛想よく出来ねぇわけ?せめて部活してる時の半分でも笑ってれば少しは可愛げあるのに、損してんぞお前」
「お前達に愛想振り撒いても特なんてないだろ」
「はいはい」
そんな呆れたようなニュアンスで発せられた市ノ瀬の言葉に、植野は自分の笑顔が凍りついていくのを感じた。
『なにそれなにそれ!?
なにそのがっくんの事理解してますみたいな言い方っ!?一体がっくんの何が分かるってのさ!!その不器用さも無愛想さも全部がっくんの魅力だし、だからこそ好きな事とか好きな人だけに見せる笑顔が半端ない破壊力を放つんじゃんっ!ギャップ萌最高っ!!ってか最近がっくんに触りすぎだよねむっちゃんっ!?この間なんか頬っぺた触ってたし!何なんか知らない間に親密になってんの!?紗千ちゃんの件からがっくんもむっちゃんに対してやけに素直だったり譲歩したり、相談乗ったり寄り添うような感じだし、どーゆーこと!?どーゆーことっっ!?ってか、なに気安く近づいてんの!?なに気安く触ってるの俺のがっくんにぃ!?』
と、心渦巻く様々な思いを隠した握り拳に押し込め、凍った笑顔をなんとか溶かす。
「まぁまぁ、それもがっくんの魅力と言うことで」
っていうか、魅力です。
「まぁ…学が安積みたいに愛想振り撒いてたら怖いけどな」
「無愛想より良いじゃんっ!!」
「…喧嘩売ってんのか?」
「あっ!ち、違う違う!!」
始まったいつも通りのわちゃわちゃした和やかな会話をなんとか笑顔で過ごしつつ、ざわつく気持ちをなんとか落ち着かせようとー
「実体験の言葉は重みがありますね、綾雪」
「やめて……」
したのだが、公園での会話をしっかり覚えていた班乃の言葉に、落ち着くのはどんどん難しくなっていく。
『癒しが欲しい…後でがっくんぎゅーさせてもらお』
鈴橋と付き合い初めて意外だったのが、
バグしようと手を広げると、呆れながらも笑って手を広げ返してくれる程にはスキンシップさせてくれるタイプだったということだ。その無駄に男前な所に逆に照れる時もあるけれど、それはそれで役得でしかない。
妹にする時のような、条件反射みたいな時もあるにはあるのだけど…
『あー、早く帰りにならないかなぁー』
眼前から疑念の目を向けられていたことには気がつかず、いつの間にか心のざわつきは消え、笑顔を濃くしたのであった。
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