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- 23章 -
-真誠-.
しおりを挟む「まぁ、さ、あれだよ。転校してきた時に色々やらかしただろ、俺。それでも今充実した学校生活送れてるのは明と安積、2人のおかげだ。自分でいうのもあれだけど相当面倒くさい奴だったし…だから2人の事は尊敬してるし感謝もしてる。俺はお前の事大切な親友だって思ってるよ。安積は違う意味でちょー大切だけど」
「…一言余計だって言われたことありません?」
「台無しだ、とは言われたことあるな」
「そうでしょうね」
どちらともなく笑い合うと、じゃぁ、今度こそ帰るわ、と背を向けた市ノ瀬を今度は班乃が呼び止めた。
もう、認めるしかない。
もう、そうとしか思えない。
市ノ瀬が転校してきた当初には、こんなふうになるなんて誰も予想していなかっただろう。
「僕に言われても、と思うかもしれませんが」
「んー?」
「安積に必要で、安積に相応しいのは、安積を、幸せに出来るのはー」
「……」
「貴方だと、思います」
子供で賑わう時間帯も過ぎ人通りも少なくなった静かな公園に冷たい風が通りすぎた。
耐えきれなくなった枯葉が枝から旅立ち、市ノ瀬の周りにその姿を表しては消えていく。
そんな物には気も止めず思考するかのように一度空を見上げた市ノ瀬は、自信に満ち溢れた笑顔を班乃へと向けた。
「そんなの、当たり前だろっ!」
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