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- 22章 -
- 不調和 -
しおりを挟むそして安積の事かと即答える辺りやはり鈴橋も感じとっていたのだろう。
元来安積は誰に対してもスキンシップが多いタイプだが、それがあの一件以来鳴りを潜めてる気がした。それは誰に対してもではない。
班乃に対してのみだ。
「安積もだけど…会長も安積の事避けてないか?まぁ、気のせいかも知れないけど」
「避ける、か」
「お前もお前でなんか変だし」
「…俺は別に」
お互い避けあっている。
それはあの日以来自分も感じていたことの1つでもあった。
例えばだ。普段の生活で定位置と言うのがあると思う。昼食をとる際今までなら班乃を挟むようにして自分と安積が、自分の隣に鈴橋植野と続き円となるのが定位置であったのだが、それが時々変わるようになった。
言うまでもなく、安積と班乃がである。
だからなんだと言われればそうなんだけれど、市ノ瀬が転校してきた時から変わることはなかったそれが変わるのはやはり違和感が生まれる。
それだけではない。安積のスキンシップが鳴りを潜めているだけではなく、班乃自身も安積から触れられるのを避けているようにも見受けられた。
あからさまに避けると言うわけではなく、言うなれば“目で止める”という表現が正しいだろうか?班乃へと向けられた手が不自然な動きを見せる場面が度々起こっていた。
ならば何故避けてるのかという話なのだが…
『それが分かんねぇからイライラすんだよな…』
あの日保健室でなにがあったのかが分かれば…と何度も思ってしまう。不自然な態度が見受けられると言っても喧嘩しているようではないし、もしその態度があの日あったことを隠す為のものだとしたらー
『もしかして付き合ってる、とか?それを感づかれない為にあえて距離を置いてるのだとしたら…』
安積や他の人を誰かを傷つけそうになった時はぶん殴ってでもという班乃の発言は、もしかしたら付き合っていく上で何かがあったらと言う事なのかもしれない。“他の人”とは、安積を好きと言った自分に対して言った事だったのかもしれない。
『や、でも泣く程嫌だったくせにそんな展開あるか?』
色々な可能性が浮かんでくるものの、正直あの2人の考えが全く読めない今、それらの考えも当たって居るのかどうか分からない。
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