499 / 1,107
- 22章 -
- 哀 -
しおりを挟む「あれ?」
文化祭の片付けも滞りなく進み、手の空いた者から打ち上げへ行く為帰りの準備を進めていた。
市ノ瀬もようやく片付けを終わらせ帰りの準備を始めようとしたその時、安積の姿がないことに気がつく。まだ片付けが終わってないのかもと思ったけれど、安積と共に片付けをしていた部員たちは既に帰りの準備も終わらせて雑談をしているところだった。
「おつかれ。安積は??」
「あっ、おつかれ!安積なら帰ったわー」
「は??」
「終わったとたん用事あるからって。残念だよな…でも楽しんで来てって言ってたよ!特にお前と矢吹はMVPだからって!」
「……そう」
『打ち上げを断る程の用事?てもそんなこと、一言も言ってなかったよな?』
だが用があると言うのならそうなのだろう。そしてその用事が班乃に関係するものだろうことも予想はできる。演劇を出ずに帰ったのだし、班乃になにか大変なことでも起こっているのではないだろうか。
以前にも似たようなことがあったし、”班乃の特別になりたい”と自分に相談してくるくらいだ。安積が行動を起こさないわけがない。
『面白くねぇな』
2人が何も言ってくれないことに対してもだし、安積の優先順位はやはり班乃が1番だと言うところもだ。
のけ者にされている感じがどうしても否めない。だが、そう感じて大人しくのけ者にされる性分ではない。
『打ち上げ終わったら安積ん家寄ってもう1回聞いてみるか。教えてもらえなければその時はその時だ』
とりあえず主役2人とも欠席するのは申し訳ないし、楽しんで来てと言われてしまってる以上行かないわけにもいかないだろう。
『俺のせいで打ち上げ断らせてごめんとか言いそうだし、それはこっちこそごめんだ』
もやもやした気持ちを抱えたまますべての片付けを終えた体育館を一瞥すると、部員達と共に打ち上げへと向かった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる