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- 21章 -
- 冒険 ~余談~ -
しおりを挟む自宅へと帰ってきた植野は早速貰ったチューベローズを花瓶へと飾り机の上に置いた。
ソファーに座り無言でそれを眺める。
浮かんでくるのは、もちろん今日の事だ。
鈴橋の言動、行動、思い出される全てが、とてつもない幸せを心の中に投下してくる。
自然と上がる口角は、まったくもって下がってくれる気配がない。端から見たら怪しい人かもしれないが、この家には自分しか居ないのでまったく問題はないだろう。
「そういえばー……」
文化祭では全部の花の花言葉を、育て方と一緒に記載ていた。ふとそんなことが頭をよぎり、なんとなしに携帯を取り出し検索欄にチューベローズと打ち込んだ。
そして出てきた花言葉に、言葉を失くした。
危険な楽しみ
危険な戯れ
危険な快楽
冒険
「がっくん……これは……危険すぎるよ、色々と」
鈴橋が“わざわざ”文化祭で、想いを伝える為に渡した花の花言葉を意識していないとは思えない。
これからの自分達を示唆しているようで、それがどんな事なのか……考えれば考えるほど1人見悶えるしか出来ず、爆発しそうな鈴橋への気持ちを持て余すしかなかったのであった。
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