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- 21章 -
- 冒険 -
しおりを挟む「これで最後だ!!
インディグネイショーン!!」
その言葉と共に最後の机が教室に戻された。
「誰だよそれww」
「某青髪ポニーテール男子の真似!!」
「誰だよっ!!ww」
「それより!早く移動しようぜ!!大部屋予約しといたから!!」
「それな!!」
文化祭の後片付けが終わり最後のイベント、打ち上げへと向かうため各々が急ぎばやに帰りの準備を進め始めた。
それにならい植野も帰り支度を始める。打ち上げは勿論楽しみだ。今日まで皆で頑張って準備をしてしきて好評で幕を閉じることが出来たのだし、最後に労いこめて祝いたい気持ちは勿論ある。
でも、やはりそこに鈴橋が居ないのは少し寂しく感じてしまう。こう言う場が嫌いなのだからしょうがないことなのだけど。
少しばかり陰りを落とした表情を浮かべつつ鞄を肩にかけなんとなしにスマホを見ると通知ランプが点灯していた。パッと画面をつけロックを解除、通知欄に出てきたLINEの送り主の名をみた途端、陰ったその表情は暗さなどみ残もない明るいものに変わる。
急いでトークを開きみると、そこには“いかにも” な用件のみを手短に伝える文章が書かれていた。
「ごめん皆っ!急用できた!!俺帰るわっ!」
「急用っ!?植野居ないの悲しーんだけどぉ!?」
「ごめんて!カラオケはまた今度っ!じゃ!!」
「えぇーー(。´Д⊂)」
後ろでまだなにかを言っているクラスメイトに有無を言わせぬ勢いで教室を飛び出した。
目的地までノンストップで走っていき、その少し手前で足を止める。日々の部活のおかげか息切れはまったくしていない。
足を止めたのは、だだなんとなく、少し余裕のある感じで会いに行きたかったから。
そこから歩いて目的地まで向かい、入る前にドアの窓から静かに中を覗いた。
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