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- 20章 -
-文化祭っ!!-
しおりを挟む「後15分くらいで学君来ますけど、どうします?」
「そだねー、なにも注文しないで居座るのもあれだし、先注文しちゃおっか!たこ焼きはお腹のすき具合みて頼むとして……あーどうしよ、焼きそばもお好み焼きも食べたいなぁー」
「じゃぁ、僕がどっちか頼むのでシェアしましょうか?」
「えっ!?超優しい!ありがっ!!??」
仲良く注文をする2人の間を引き裂くように急に現れた黄色い物体に驚き共に振りかえると、そこにはアヒルを片手に激戦を戦い抜いた戦士のような清々しい笑顔の秋山が立っていた。
「とったどーー(* >ω<)」
「えっ、えと、おめでとうございます?」
「取れるまでやったんですね…アヒルの価値は??」
「3600円!!」
「高っ!アヒル高っ!!ww」
「いやー、楽しかったぁ」
お店で女性達をイチコロにする笑顔を余すところなく振り撒きながら、手に持つアヒルを安積へと差し出した。
「あげるよっ!」
「えっ!?そんな高価なアヒル貰えません!!」
『そしてちょっといらない………』
「良いの良いの!アヒルじゃなくて、ひーくんと遊んだ思い出が欲しかっただけだしっ!」
「えっ!なんか格好いい!?」
「それにほら!この色!!聖君の髪とお揃いだよ!!」
「ほんとだ!?なんか急に親近感!?」
月影といい秋山といい、植野や安積、たまに市ノ瀬といい、どうして自分のまわりにはこうも馬鹿っぽい人種が集まるんだろうかと班乃は1人頭を抱えた。
別に嫌いと言うわけではないし、周囲を笑顔にするそんなノリはむしろ好きな部類であるが…
それはあくまで第3者として眺めるに限った話だ。いつもは鈴橋が居てくれるおかげで第3者として居られるが、今はその鈴橋が不在である。
まだ安積や植野だけならさばけなくもないが、OB2人はキャラが濃すぎて手に終えない…ゲストに手伝わせるのだって本当は良くないはずだ。
確実に溜まりつつある疲労感をなんとか笑顔で押し隠し、癒しを求め安積を見るとそんな視線に気がついた安積は貰ったアヒルを顔の高さまで持ち上げ
「みてみてっ!お揃いっ!!」
と、輝かしい笑顔を
解き放った。
「……退魔の剣、抜けました」
「えっ??」
「なんでもありません」
退治されたのは自分だ……もしかすると、もしかして、自分も馬鹿っぽい人種の中に片足を突っ込みつつあるのかもしれない。
いや、アヒルと並び笑顔を解き放った安積を可愛いと思ってしまったのだから、もう片足は突っ込んでいるのかもしれない。
頭の中でそんな自問自答を繰り返す班乃を知ってか知らずか、秋山と安積がアヒルを挟み自撮りを始める。
『まるで女子高生ですね……というか、何気なくなく秋山さんもアヒルとお揃いですよね。安積と違って天然の』
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