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- 17章 -
- 文化祭まで後1ヶ月弱 -
しおりを挟む「安積がキモいんだけど…どうしたらいい?」
「原因は貴方でしょう? 自分で何とかしてください」
「冷たいこと言うなよ。友達だろ?」
「安積だって友達ですよね? 自分が招いた友達の奇行はご自身で責任とってください」
「別に…友達じゃねぇし」
「じゃぁ、なんなんですか?」
「…からかい要因? いじめて遊ぶペット的な」
「駄目ですよ、ペットいじめるのは。しかしそうと言うのならなおの事、ペットの奇行を止めるのは飼い主の責任じゃないですか?頑張って下さい」
「あー…もう、返す言葉もねぇ。 これが自業自得ってことか… からかうなら今度からはもっと頭使わねぇとな…」
安積の対処を擦り付けあっている間も奇行はずっと続いていたが、とりあえずは市ノ瀬が本気ではなくからかっていただけだと言うこと、安積が傷ついて居なかったと言うことに一安心する。
「あー…別にどう受け取ってくれても構わねぇけど、そろそろキモいから正気に戻ってくんね?」
「いやー、まさかお前に誉められるとは思ってなかった!!ありがとうっ!」
「や、だから誉めてねぇs」
「上手く手伝い出来てたのかちょっと不安だったけど、めっちゃ自信ついた! 」
「…そりゃ、良かったな」
「どうしよ!!急に子供達に会いたくなってきたっ!俺、ちょっとがっくんと話してくるっ!!あっきー達は先教室戻っててっ!!」
市ノ瀬の言葉など全く耳に入ってない様子で一気に喋り、嵐のような勢いで安積は鈴橋の元へ走っていった。
「授業遅れないようにしてくださいねー…」
ものすごい勢いで消えていく後ろ姿に恐らく聞こえていないであろう言葉を投げ掛けると、班乃と市ノ瀬は顔を見合わせ疲れた笑いを交わしあったのだった。
「で、ここにXを当てはめてこの公式を使うとー、こうなるわけだ」
数学教師の説明を聞きながら、班乃はただならぬオーラを醸し出している席を見る。
色で例えるなら果てしなく黒に近いブルーだろうか。
授業開始時間ギリギリに帰って来た彼の、安積の様子を見ればなにがあったかは一目瞭然であった。
『きっと、というか、絶対学君に一蹴されたんでしょうねぇ』
子供達に会いたくなって来たと嬉しそうに笑い鈴橋の元へ意気揚々向かった安積の後ろ姿を思い出すと切なくもなるが、それよりも面白さが勝ってしまうのが申し訳無い所だ。
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