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- 17章 -
- 文化祭まで後1ヶ月弱 -
しおりを挟む「学園生活に大事なものとくれば―!?」
「愛と正義と友情とっ!!」
「「「学校行事だぁぁ!!」」」
「…うるさっ」
「あはは」
市ノ瀬が静創学園に来てから数ヵ月後の昼休み。
無駄にハイテンションな植野と安積、意外にも市ノ瀬。隠しきれない鈴橋の疲労感。
相変わらず班乃は傍観を決め込みその状況を楽しんでいた。
「ちょっと、がっくんあっきー!もっと盛り上がって行こうよ!!」
「なにいってるんですか。僕は十分楽しんでますよ」
『…確かに会長は楽しんでるな。コイツらの馬鹿さ加減を』
「違うよ!楽しむんじゃなくて盛り上がるの! …あれ、一緒か? よしっ、合格っ!」
「…ふははっw」
『…馬鹿にしてるとも言うのかな』
心中そんな事を考えながら我関せず弁当に舌鼓をしていた鈴橋に気がついた市ノ瀬は、なぜか哀れみにも似た視線を投げ掛けた。
「お前さ、生きてて楽しいことある?」
「…言葉を選ぶと言うことを知らないのかお前は」
「お前が言うか? ま、見るからにイベントで盛り上がらなそうな顔してるし、分かってた事だけどな」
「根暗そうって事?」
「…そう。お前等1回屋上から飛び落ちろ」
「がっくん抑えて抑えてっ!!(;´Д`)」
“がっくんは気持ちがあんまり顔にでないだけで、本当は楽しみにしてるんだよっ”
本来はフォローを入れるべきで、円滑な関係を築く為にも誤解を解くべきなんだろうけれど。
それを理解してるのが自分だけが良いなんて、そんな自己満足から植野はフォローを入れないでいた。
ともあれ、この5人が騒いでいるのは何かと言うと、10月後半に催される文化祭についてである。
「走り高跳びは部活でなにかするの?」
「んやー。部活ではなにもしないよ。 だからクラスの出し物だけだなぁ」
「演劇部は何か劇やるんですか?」
「えぇ。もう直ぐ台本も出来るようなので、楽しみですね」
「今回はどんなモチーフなんだろね!」
「ってか、今回こそは舞台に立つ!」
「そっか、むっちゃん前回は裏方だったんだっけ?」
「えぇ。睦月が裏方だったおかげで、安積の勇姿が見れたんですよ」
「明…遠回しに責めてる?」
「いえ? そんなことはないですよ?」
「あーーー!もう!文化祭楽しみすぎるよー!」
溢れんばかりのやる気に満ちた若い力は、まだ1ヶ月程も先だという文化祭へと向かっていた。
「カフェでしょー、お化け屋敷でしょー、金魚すくいでしょー?軽音と映画部とぉ~…後は運動部の模擬試合も楽しみかもっ!」
「安積は本当、なんにでも興味深々ですね」
「うちのクラスはなににするんだろうなぁ!!」
「そう言えば、学は部活でなんかすんのか? 文化部って展示だけのイメージだけど…」
「確かに…栽培部って、学校内の花壇の世話してるのは知ってるけど、他はなにしてるか分からないや」
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