267 / 1,150
- 15章 -
- 波乱 -
しおりを挟む安積が居なくなった屋上で、張り詰めた空気が一気になくなり3人は詰めていた息を吐いた。
「会長…一体なにがあったんですか?めっちゃくちゃお怒り中ですよね、せーちゃん」
「いつも通りとか言いつつあからさまにおかしい…って言うか、普段そういうのに無縁そうな奴が機嫌悪いと地味に怖いですけど」
「なんかすいません…ちょっと、色々とありして。 僕にも原因があるので、僕が何とかします。暫し不都合おかけしてしまうかもしれませんが、少し待ってもらって良いですか?」
「まぁ、会長がそういうなら俺は構いませんけど…」
「言いづらい事もあるしね…」
と言いつつも、どこか腑に落ちない顔をしている。
全部話せば長くなってしまうし、正直この話はしたくはない。だがこの2人は安積を心底心配してくれているし、共に行動する事も多い…
ここはざっくりとでも話しておくべき所だろう。
「…まぁ、あれです。原因は僕の校則違反でして」
「…校則違反?してましたっけ?」
「指輪していたでしょ? その事がとある子を刺激してしまって…」
「あぁ、市ノ瀬って奴だな」
「…えぇ、まぁ」
「で、そいつがどうしたんですか?」
「えと…その子が怒って指輪を投げ捨ててしまって、それで安積までが怒ってしまって、ちょっと色々とね」
「はぁ?たかがそれくらいでっ?馬鹿なのそいつっ?」
「…見た目通りの糞やろうだな。指輪、前に大事な物なんだって話してましたよね?会長は大丈夫ですか?」
「えぇ、大丈夫ですよ。ありがとうございます。ただ少し教室の空気が重くなってしまって。市ノ瀬君に対しての批判の目が、ね…転校してきたばかりなので余りこういう事は嫌なんですけど…」
感情に任せ手を上げはしたものの理由が理由だからか安積が責められることはなく、そのこと自体は安堵したのだけれど…
その理由のせいで市ノ瀬が孤立してしまわないかが心配だ。最悪好かれこそしなくとも、平和な学生生活を送ってほしいと思う。
自分の未練がこんな事態を引き起こしてしまうなんて思ってもみなかった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説


そんなの真実じゃない
イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。
【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。
riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。
召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。
しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。
別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。
そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ?
最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる)
※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。


BlueRose
雨衣
BL
学園の人気者が集まる生徒会
しかし、その会計である直紘は前髪が長くメガネをかけており、あまり目立つとは言えない容姿をしていた。
その直紘には色々なウワサがあり…?
アンチ王道気味です。
加筆&修正しました。
話思いついたら追加します。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる