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- 13章 -
- 事実は小説よりも奇なり -
しおりを挟むミラーニューロンを発揮し疲労をためている鈴橋とは違い、“すっごい仲良しだねっ!”“鉄兄愛されてんなっ!”と口にした植野と安積の様子を見れば、鈴橋の安息が訪れる日は程遠いかもしれないと、班乃は1人“御愁傷様です”と、心の中で両手を合わせた。
「あーもうっ、お前らちょっと黙ってろっ!!」
「「えぇーー!!?」」
そんな中でも続いていた絡みに業を煮やした長谷川が一喝を入れると声をそろえブーイングする月影等だったが、丁度メインデッシュが運ばれてきたおかげでその口は綺麗にふさがれた。
自由人2人が黙ったおかげでようやく自分も落ち着いて話が出来る。ため息と共にゆっくりと食事に手を伸ばした長谷川は、申し訳なさそうに学生達へと声をかけた。
「君達もひーの突拍子もない事に付き合わされたみたいだな…本当、昔からあぁなんだよ。悪いな」
「聖が楽しそうにしてくれてるのは凄く嬉しいんだけど…なんか、ごめんなさい」
「いやいや、安積くんが謝ることじゃないだろ。気にしなくて良いよ」
「苦労、されているんですね、長谷川さん。でもまぁ、吃驚はしましたけど僕としては面白かったです」
「…将来大物になりそうだね、班乃君は」
「ただ、見事に月影さんと秋山さんのイメージはぶち壊れでした。もっと落ち着いた大人な人だと思ってたんですが…」
「鈴橋君も吃驚しただろw 本当、ちゃんとする所ではピシッ決めるんだけどなぁ…。あいつら黙ってれば面は良いし、社会的地位だってある方なのに…どこで育て方間違ったんだろうなぁ」
「育て方ってwさすが鉄兄っ、子供達の守護神っw」
「それ止めろっ(;´д`)」
「守護神?」
「あぁ、鉄兄の誕生花の花言葉が子供達の守護神なんだよ」
「「あぁ…納得です」」
「止めてっ、納得しないでっ。綾っ、お前も広めんの止めろっ!」
そう言いつつも、長谷川の顔は満更でもなさそうだ。もしかしたら、生まれついての世話好き体質なのかもしれない。
『鉄兄は昔から鉄兄なんだなぁ…俺もだいぶ世話になったしなぁ』
長谷川達の学生生活がどんなものだったのかは分からないけれど、癖の強そうな2人からこんなにも慕われているのを見ると当時から相当目をかけていたのだろう。
そんな予想に昔の自身のやらかしを思い出した植野は、自分の青さに上がる体温を振り払うようにかぶりをふった。
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