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- 13章 -
- 真実 -
しおりを挟む「よーいしょっ、と」
そんな呑気なかけ声と共に囲いを越えて4人のほうへ歩いて来ると、“ねぇ、俺も混ざって良い?”と、突如現れ突如ニコニコと笑いながら問う月影に、鈴橋と植野は終始固まっている。
条件反射も今は機能を停止しているらしい。
「って言ってますけど、どうします?安積」
「俺は聖が良いならそれで良いけど…」
「やったぁ、ありがとぉー」
嬉しそうに笑った月影は、少しずれて場所を空けた安積の隣へと座ると、安積の手に握られていたサンドイッチに目を落とした。
「あ、おいしそう」
「えっと…食べる?学食のだけど」
「えっ?良いのっ!?嬉しいっ、ありがとぉ!美味しそうだなぁって思ってたけど、学食って買いに行けないからさぁ」
「…でしょうね」
「じゃぁさっ、今晩ご飯食べいこっ!お礼させてっ!」
「えっ?あ…うん、ありがと」
皆のペースを崩しまくりな事に気付いてないのか気にしていないのか、月影は終始マイペースに話を進め美味しそうにサンドウィッチを頬張っている。
『まったく。埒があきませんね』
これ以上貴重な昼休みを無駄にするのは勘弁してほしい。自分のカップジュースを飲み干し握りつぶすのを我慢した班乃が仕切りなおすように咳払いをした。
「それで、貴方はなにしに来たんですか?」
「そんなツンケンしないでよぉw皆楽しそうにしてたからちょっと混ざってみたくなっただけっ!」
「だけって…今まで頑なに“撫子の君”を守り通してたのに、なんの心境の変化ですか?」
「やだもうっ、班乃君こわぁーい!」
「えっ…と?」
今まで謎のベールに包まれて居た人物が急に現れただけでも驚いているのに、その人物の子供のようなマイペース過ぎる、そして班乃の睨みを意に介さず緩い笑みを浮かべるそんな雰囲気からは、どこか強者感が纏っており、驚きっぱなしでまったく頭がついていかない。
サンドイッチを食べきると長い息を吐き、月影はその笑みをさっきから会話に参加していない事情の知らない植野と鈴橋に向ける。
行き成り自分たちを視野に入れられた2人は思わず息を飲んだ。
「今からいう事は絶対に秘密です。いいですか?」
「あっ、はい…」
「は、はい…」
「よしよし。ではまず君達が気になっていることからズバッといくとしましょうか!…と言いたい所だけど、まず先に自己紹介ねっ!」
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