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- 9章 -
- すれ違い -.
しおりを挟む――腹違いの弟だよ
一緒には育たなかった。
一緒には居れなかった。
親の愛情は弟に向けられた。
血の繋がった弟。
なによりも大事な弟。
会えない理由は…
「俺は愛されなかった存在だから。だから俺は…」
班乃は二の次が告げなかった。その後も続く淡々とした月影の言葉になんて返せば良いのか分からなかった。
名字が違う理由。
月影が育った環境。
弟に名乗り出られない理由。
予想はしていなかった。
正確には予想を遥かに越えていた。
だが…
「安積は…」
「ん?」
「安積は貴方の事、気がついていると思います」
「うん」
「会いたい人が居るって、すっごく大事な人だって。その為に転校して来たって…」
「凄い行動力だよね。どうしたものか」
日が傾きかけた窓の外へと視線を落とし発せられた月影の弱々しい声は、教室に響き溶けて消えていった。
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