14 / 1,150
- 4章 -
-だってか弱いんだもんw-
しおりを挟む「運動部…確かにモテるかも… 文化祭とかなら一般で女の子達来るかもだし…」
「せーちゃんっ!」
そんな不純な理由の入部は有なのか…この際入ってくれるなら、理由はどうであっても構わない。入部してくれれば、当初の理由などどうでも良くなる程、走り高跳びに夢中にさせる自信はあった。
「じゃぁせーちゃん!是非とも走り高跳びなんてどうだいっ!」
今を逃す手はない!!
ここぞとばかりに身を乗り出す。
「空を飛ぶのって気持ち良いぞっ☆」
グッと親指を立て、ついでにウィンクまでつけたのだが…
「でも、ギャップ萌って有じゃないっ!?一見運動部に居そうな活発少年…だがしかし文化部と言う知的な面も持ち合わせて居たっ!的な?」
やはり、私のために争うのは発言したやつだけある。
「めでたい頭だな…」
呆れニュアンスをふんだんに入れ、ため息と共に吐き捨てた鈴橋は最早聞く気0とでも言うように完全に昼食へと意識を向けた。
「それに、だって俺…」
そんな中、未だに諦めきれない植野は、続く安積の言葉に微かな希望を込めた。
「だって?」
今まで傍観を決め込んでいた班乃も今度は何を言い出すのかと目を輝かせた。
「だって?」
「だって俺、か弱いんだもん☆」
こうして植野の希望は脆くも崩れ去り、鈴橋は昼食を食べ終え、班乃は安積をダシに植野をいじる事を覚えたのだった。
「だからさ、文化部で何かオススメない?」
「文化部ですか。文化部と言ってもこの学校は結構数ありますよ?茶道、華道、琴、栽培部…っと、学君は栽培でしたね。」
「えぇ、まぁ」
「栽培部!?すげぇっ!俺朝顔ですら育てらんないのにっ!」
「お前は小1からやり直せ」
「がっくんっ´д`。」
ブリザードは人種を選ばず有効らしい。
「あっきーはなに部なの?」
「あっきー…って僕の事ですか?」
普段名字か会長としか呼ばれないため思わず辺りを見渡した班乃だが、周りにあっきーと呼ばれそうな生徒は居ない。そして安積の視線は自分に向いていた。
「ぅん? あっきー以外にあっきーは居ないでしょ?」
キョトンとした安積はもう一度あっきーと口にすると、ピっと班乃を指さた。
「……」
安積を暫し驚き顔で見ていた班乃だが、自分を呼んだのだと理解した直後嬉しそうに、そして照れたように笑った。
「僕は演劇部ですよ。台本から衣装、大道具小道具、全て自分達でやるので遣り甲斐はあります」
飲み終わった牛乳パックを近くのゴミ箱に見事にダイブさせ、“どうですか?”と付け加えた。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説


心からの愛してる
マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。
全寮制男子校
嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります
※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください

そんなの真実じゃない
イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。
【BL】どうやら精霊術師として召喚されたようですが5分でクビになりましたので、最高級クラスの精霊獣と駆け落ちしようと思います。
riy
BL
風呂でまったりしている時に突如異世界へ召喚された千颯(ちはや)。
召喚されたのはいいが、本物の聖女が現れたからもう必要ないと5分も経たない内にお役御免になってしまう。
しかも元の世界へも帰れず、あろう事か風呂のお湯で流されてしまった魔法陣を描ける人物を探して直せと無茶振りされる始末。
別邸へと通されたのはいいが、いかにも出そうな趣のありすぎる館であまりの待遇の悪さに愕然とする。
そんな時に一匹のホワイトタイガーが現れ?
最高級クラスの精霊獣(人型にもなれる)×精霊術師(本人は凡人だと思ってる)
※コメディよりのラブコメ。時にシリアス。


BlueRose
雨衣
BL
学園の人気者が集まる生徒会
しかし、その会計である直紘は前髪が長くメガネをかけており、あまり目立つとは言えない容姿をしていた。
その直紘には色々なウワサがあり…?
アンチ王道気味です。
加筆&修正しました。
話思いついたら追加します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる