Pop Step

慰弦

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- 4章 -

-だってか弱いんだもんw-

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「運動部…確かにモテるかも… 文化祭とかなら一般で女の子達来るかもだし…」

「せーちゃんっ!」


そんな不純な理由の入部は有なのか…この際入ってくれるなら、理由はどうであっても構わない。入部してくれれば、当初の理由などどうでも良くなる程、走り高跳びに夢中にさせる自信はあった。


「じゃぁせーちゃん!是非とも走り高跳びなんてどうだいっ!」


今を逃す手はない!!
ここぞとばかりに身を乗り出す。


「空を飛ぶのって気持ち良いぞっ☆」


グッと親指を立て、ついでにウィンクまでつけたのだが…


「でも、ギャップ萌って有じゃないっ!?一見運動部に居そうな活発少年…だがしかし文化部と言う知的な面も持ち合わせて居たっ!的な?」


やはり、私のために争うのは発言したやつだけある。


「めでたい頭だな…」


呆れニュアンスをふんだんに入れ、ため息と共に吐き捨てた鈴橋は最早聞く気0とでも言うように完全に昼食へと意識を向けた。


「それに、だって俺…」


そんな中、未だに諦めきれない植野は、続く安積の言葉に微かな希望を込めた。


「だって?」


今まで傍観を決め込んでいた班乃も今度は何を言い出すのかと目を輝かせた。


「だって?」

「だって俺、か弱いんだもん☆」


こうして植野の希望は脆くも崩れ去り、鈴橋は昼食を食べ終え、班乃は安積をダシに植野をいじる事を覚えたのだった。


「だからさ、文化部で何かオススメない?」

「文化部ですか。文化部と言ってもこの学校は結構数ありますよ?茶道、華道、琴、栽培部…っと、学君は栽培でしたね。」

「えぇ、まぁ」

「栽培部!?すげぇっ!俺朝顔ですら育てらんないのにっ!」

「お前は小1からやり直せ」

「がっくんっ´д`。」


ブリザードは人種を選ばず有効らしい。


「あっきーはなに部なの?」

「あっきー…って僕の事ですか?」


普段名字か会長としか呼ばれないため思わず辺りを見渡した班乃だが、周りにあっきーと呼ばれそうな生徒は居ない。そして安積の視線は自分に向いていた。


「ぅん? あっきー以外にあっきーは居ないでしょ?」


キョトンとした安積はもう一度あっきーと口にすると、ピっと班乃を指さた。


「……」


安積を暫し驚き顔で見ていた班乃だが、自分を呼んだのだと理解した直後嬉しそうに、そして照れたように笑った。


「僕は演劇部ですよ。台本から衣装、大道具小道具、全て自分達でやるので遣り甲斐はあります」


飲み終わった牛乳パックを近くのゴミ箱に見事にダイブさせ、“どうですか?”と付け加えた。
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