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- 1章 -
-ラブストーリーは突発に-
しおりを挟むそんな二人の歩く背後。
ひっそりと近づく影が一つ。
「あのさ、がっくん。さっきは本当にー」
もう一度謝ろうかと口を開いた直後。
突如誰かが間に割り入り2人の肩に衝撃が走った。
「「Σ 痛っ!?」」
「おっはよーっ!」
「あっ…おは、よう?」
「……お前だr」
「なぁなぁっ、知ってるっ!?」
『いきなり現れてなんなんだこいつはっ?』
『しかもこちらが喋る間さえ挟まないっw』
そんな2人の戸惑いは意にも関せず、その誰かはなおも明るく話し続ける。
「今日さっ!転校生くるんだって!」
「えっ!?まじでっ*`∀´*」
「まじまじっ!俺の調査によると、背が小さくて華奢で恥ずかしがりやでシャイな可愛い子だって!」
「おおっ!むさ苦し男子校に麗しの兆しっ!?」
「落ち着け植野。どんな可愛い子だって野郎に変わりはないぞ…」
「Σノ´Д`。」
何を期待していたんだこの男は…
呆れる鈴橋を他所に、植野と誰だか分からない2人は楽しそうに会話を続けている。突っ込むのも馬鹿らしく、放置することに決め空を眺める。
今日は天気が良さそうなので、きっと傷付いた苗も元気になってくれるだろうと考えながら。
「まぁ、そう言う事だから是非仲良くしてあげてねっ!」
「了解っ!」
そうして嵐のように現れた少年は終始マイペースに喋り倒したかと思うと、嵐のように颯爽と踵を返し消えていった。
来る時も急だが、去る時も急だ。呆気にとられその姿を見送ると、隣に居る植野を見上げる。彼が誰かなど知らないが、自負できる程交遊関係の狭い自分の事だ。知らないのは自分だけという可能性は捨てきれない。植野は普通に会話していたし、きっと知り合いだったのだろう。
「…で?」
「ん?」
「あいつ誰だよ?」
「さぁ *´v`*」
「「………」」
「行くか、HR」
「りょ!」
『…こういう奴だよな。こいつは』
まぁ、誰とでも直ぐに打ち解けるのは悪い事ではない。些かノリとテンションで生きすぎではないかと思わないでもないけれど。
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