女子小学生と猫耳ねえさん

緑茶

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逃げる猫

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 「そろそろ、お家にかえりたいです……」
上目遣いで聞いてくるのが、可愛くてたまらなかった。
「やだ」
「ふぇぇ…」
弱々しく耳が垂れる。
 ガチャッ。
「ナギサッ!」
ヒステリックな声が玄関で叫んだ。反射的に玄関に飛んでいこうとすると、ほのかが袖を掴んできた。
「誰ですか?」
「義理の母……です」
声が震える。カッカッカッとお母様の貧乏ゆすりする音が聞こえた。
「大丈夫ですか?顔色が……」
「は、早く行かなきゃ。怒られる」
ほのかの声がもう聞こえなくなっていた。
「もしかして、いじめられてるんですか」
「ハイヒールで蹴られる。革のカバンで頭を殴られる。痛い、痛い、痛い!!!!」
「落ち着いてください」
 ほのかは直感的に、あの義理の母親のもとにやってはいけない気がした。部屋を見回す、窓が一つ。ここは2階……渚の手を握り、窓に駆け寄る。下は花壇だ。いけるか?
「いける!」
自分に言い聞かせた。渚ちゃんをお姫様だっこし、念入りに屈伸する。窓を開け放つと、飛び降りた。
「うりゃ」
 体を上手くひねり足で着地。結構な衝撃があり、体中がじんじんする。しかし、止まっているひまはない。すたこらサッサッとその場から、走りだした。
 理性を取り戻すと、僕はほのかさんの胸の中にいた。
「ほのかさん?」
「ごめんね。ちょっと誘拐まがいなことしちゃった」
いつの間にかほのかさんの尻尾と耳は消えていた。
「あれ、僕は部屋に……」
「えへへ、ちょっと窓から飛び降りまして、今にいたるのです」
「大丈夫なの?」
「猫ですから」
少し自慢げに言った。
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