女子小学生と猫耳ねえさん

僕の猫

　「ふわぁ。よく寝たわ」
起き上がって、伸びをした。そして、こちらを振り返って、キョトンとした顔をする。
「おはよ。ほのかさん」
今の状況が理解できず、頭にはてなマークがたくさん浮かんでるに違いない。
「そういえば、自己紹介してなかったね。僕は渚っていうんだ」
「渚くん？」
「あはは。僕はこう見えて女の子なんだよ」
「それより、なんで私はここに？」
乱れた衣服を整えながら、不安げに聞いた。
「ほのかさん。酔っ払って倒れてたんだ。その場に置いていく訳にもいかないから連れて帰ってきた」
「やっぱり、私飲みすぎたんだ」
あちゃーと頭を抱える。
「もう大丈夫？」
「ええ、おかげ様で」
「顔洗う？」
「いいの？じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ」
立ち上がると、洗面所に案内した。　　
　洗面所で鏡を前にして、ほのかさんは固まった。
「どうしたの？」
真っ青な顔でペタペタ頭とおしりを触る。
「ねぇ、いつから出てた？」
「何が？」
「これ」
「耳と尻尾のこと？」
いたずらっぽく笑ってみせた。
「見つけたときからずーっと」
「……」
「秘密にしておいてあげる」
「本当？」
すがるような目で僕を見つめる。
「でも、僕のペットになってくれたら。だよ」
「へっ？？」
「酔ってる時はOKしてくれたよ」
ほのかは一回フリーズして、次の瞬間真っ赤になった。青くなったり、赤くなったり忙しい人だなぁ。
「嫌？」
「そんな……」
「言いふらしちゃお」
「うぅ……」
小さく頷いた。