11 / 12
王
しおりを挟む
その男は俺たちに手のひらを向け「超鑑定」と声を上げる。
俺達はビクッとして一歩下がると、男は満面の笑みでゆっくりとこちらに歩き出した。
「騎士団からの報告に眉唾ものと思って出向いてみれば、本当にブラッディマッシュじゃないか。しかもかなりの美人さんに擬態してるね?」
「あと、そっちのおじさんも興味深い。Bランク冒険者って聞いてたけど、Aランク程度の強さは優にあるね。さらに面白いのが、ブラッディマッシュの加護って鑑定に出たことだ。モンスターの加護ってなんだよ? 聞いたことないよ、そんなの」
どうやら、おしゃべりな奴のようだ。見た目は若造だが、身なりは上等な服を着ている。どっかの貴族だろうか?
「お前、何者だ?」
「ああ、ごめんね。僕ばかりが勝手に話してしまって。あまりに珍しい事象だったから、とても興奮してしまったんだ」
男は高貴な身分の人間がするような、優雅な動きで礼をした。
「僕の名前はアルス。この統一国家の王。君たちも『イセカイ王』って聞いたことくらいはあるんじゃないかな?」
その言葉を聞いて、俺は息をのんだ。目の前の若造からは、得体の知れない威圧感を感じるし、何より、王としての風格が感じられる。
「その王様が、俺ごとき冒険者になんの用で……?」
「ふ、分かってるくせに」
アルスは片手をあげて俺達に向ける。
「魔獣召喚! いでよ、ヒュドラ! オルトロス! コカトリス!」
地面が青く光り、3つの魔法陣から魔獣が出現した。
「ブラッディマッシュのベネットさんか、いい名前だね。君の力を見せてくれないか?」
即座に臨戦体制になったベネットから菌糸が伸び、三体の魔獣は一瞬で喰われて消える。それを見ていたアルスは嬉しそうに笑い声をあげている。
「凄いねー。Aランク三体を一瞬か! これは期待以上だ!!」
「ウィルさん、少しだけベネットさんと遊ばせてもらうよ」
言い終わると、一瞬でベネットに近づいて、剣を振るうアルス。ベネットはその剣を、硬化させた菌糸で止めた。
「へぇ、硬いね。それに力も強い。手加減してるとはいえ、僕の一撃を止めるなんて驚きだ。さっきの三匹を喰ってさらに力を付けたのかな?」
ベネットは、余裕の表情で話すアルスに向かって、紫のブレスを吐いた。それをもろに喰らったアルスは後ろに跳んで距離を取る。
「さっき喰ったばかりのコカトリスの能力、石化ブレスを使ったのか!? 凄い! 凄すぎる!!」
おいおい、石化ブレスってんなら、何でお前は石化しないんだよ……? 俺の疑問を察知したのかは知らないが、アルスは嬉しそうに口を動かす。
「せっかく石化ブレスを再現してくれたのに残念! 僕は状態異常にかからない体質なんだ。毒も麻痺も呪いも催眠もね。でも他にもまだいろいろできるんでしょ?」
ベネットは歯噛みしながら、体から伸ばした菌糸をうねうねと動かす。すると空中に五つの魔法陣が現れ、火炎の槍が飛び出し、アルスに次々と命中した。
着弾した炎の槍は炸裂して爆炎が上がり、夜空が赤く照らされた。
「おおー。今のは中々に効いたよ」
全くダメージを受けていないどころか、服に焦げ跡一つついていないアルスが、煙の中から歩いて出てきた。
「ヒュドラの火炎のブレスと、オルトロスの発火能力を昇華させて、火槍を撃ち出す魔法を即興で創りだしたのか! なんて桁違いなセンスだ!」
あの炎の中で無傷で笑っていられるとは……。俺が驚愕していると、アルスは魔法を発動させた。
「これは僕からのプレゼント」
上空に魔法陣が現れ、そこから巨大な雷が落ちてきて、ベネットを直撃する。
ベネットの悲鳴が響く。彼女は全身を焼かれ、黒こげになって地面に倒れ伏してしまった。
「ベネット!!」
俺は慌てて駆け寄りベネットを抱き起した。俺の腕の中で、ベネットの焦げた部分が剥がれ落ちると、元の美しい姿を取り戻した。
「ウィル、ごめんね。服が燃えちゃった」
「んなもんはまた買えばいいんだ。それよりお前は大丈夫なのかよ?」
「全く平気って言うと嘘になる。でも心配しないで。あいつは私が何とかする。そしたら二人で一緒にスローライフしようね」
「でも、その前にちょっとだけ、ウィルの血が欲しいな……」
俺はベネットに口づけ、舌を差し入れた。そんなことしなくても、ベネットはどこからでも俺の血を吸えるだろう、でも、今はこうしたかった。
「ありがとう、力が湧いてきた。ここからは私の本当の姿で戦うから、目を閉じていて欲しいな」
「俺を見くびんなって。どんな姿でもベネットだろ? お前を好きだって気持ちが、揺らいだりしねぇよ」
ベネットは俺に抱き着いて、声を震わせた。
「うん、そうだったね。私、負けないから。見ててね、ウィル!」
そう言って立ち上がったベネットは、俺から離れると全身から菌糸が噴き出し、瞬く間に高さ5mはある巨大なキノコの姿になった。
その姿を見たアルスは大喜びしている。
「これがたった一体で騎士団一個大隊を壊滅させたと伝えられる、Sランクモンスターのブラッディマッシュか! その力、存分に僕に見せてくれ!」
ベネットの触手状に束ねられた菌糸が、複数一度にアルスに襲い掛かる。
アルスはそれらをものともせずに切り払い、踏み込んでベネットに斬りかかった。
ベネットは巨体ながら素早い動きで攻撃を躱すと、即座に反撃に転じている。
アルスが強烈な魔法を放てば、即座に魔法を撃ち返しそれを相殺した。
戦況は互角か、ややベネットが押しているように見える。
二人とも並みの冒険者をはるかに凌駕した戦闘力だ。俺が割って入るなどは不可能だろう。速すぎて、二人の戦いをはっきりと目で追うことすら出来ない。魔法のぶつかる閃光と爆風、剣戟の音が激しく轟く。
俺にはただ、ベネットの無事を祈ることしかできなかった。
そして、一際大きな音が響き渡ると、静かになって煙が晴れてきた。目を凝らすと二人の姿が徐々に見えてくる。
ベネットの硬化して刃のようになった菌糸が、アルスの体をいくつも貫いていた。どう見ても致命傷だ。この勝負ベネットの勝ちだ!
ベネットは美女の姿に戻ると、その場にへたり込んでしまったので、俺は駆け寄って抱き起し、上着をかけてやった。
「お疲れさん。あんなバケモノによく勝てたな」
「変なの。ウィルからしたら、アイツは同族で、私はバケモノでしょ?」
「違うって、ベネットは俺の大事な女で、アイツは凶悪なバケモノだ」
ベネットは嬉しそうに笑う。
「ねぇ、ウィル。私、力を使い果たしたから、少し多めに血が欲しいな」
「いいぞ、好きなだけ飲んでくれ。俺は干からびたっていいからな!」
俺とベネットが笑い合っていると、アルスがむくりと起き上がってきた。
「酷いな……、誰がバケモノだって?」
振り向くと、アルスは棒立ちのまま不敵な笑みを浮かべ、俺達を見ていた。
俺達はビクッとして一歩下がると、男は満面の笑みでゆっくりとこちらに歩き出した。
「騎士団からの報告に眉唾ものと思って出向いてみれば、本当にブラッディマッシュじゃないか。しかもかなりの美人さんに擬態してるね?」
「あと、そっちのおじさんも興味深い。Bランク冒険者って聞いてたけど、Aランク程度の強さは優にあるね。さらに面白いのが、ブラッディマッシュの加護って鑑定に出たことだ。モンスターの加護ってなんだよ? 聞いたことないよ、そんなの」
どうやら、おしゃべりな奴のようだ。見た目は若造だが、身なりは上等な服を着ている。どっかの貴族だろうか?
「お前、何者だ?」
「ああ、ごめんね。僕ばかりが勝手に話してしまって。あまりに珍しい事象だったから、とても興奮してしまったんだ」
男は高貴な身分の人間がするような、優雅な動きで礼をした。
「僕の名前はアルス。この統一国家の王。君たちも『イセカイ王』って聞いたことくらいはあるんじゃないかな?」
その言葉を聞いて、俺は息をのんだ。目の前の若造からは、得体の知れない威圧感を感じるし、何より、王としての風格が感じられる。
「その王様が、俺ごとき冒険者になんの用で……?」
「ふ、分かってるくせに」
アルスは片手をあげて俺達に向ける。
「魔獣召喚! いでよ、ヒュドラ! オルトロス! コカトリス!」
地面が青く光り、3つの魔法陣から魔獣が出現した。
「ブラッディマッシュのベネットさんか、いい名前だね。君の力を見せてくれないか?」
即座に臨戦体制になったベネットから菌糸が伸び、三体の魔獣は一瞬で喰われて消える。それを見ていたアルスは嬉しそうに笑い声をあげている。
「凄いねー。Aランク三体を一瞬か! これは期待以上だ!!」
「ウィルさん、少しだけベネットさんと遊ばせてもらうよ」
言い終わると、一瞬でベネットに近づいて、剣を振るうアルス。ベネットはその剣を、硬化させた菌糸で止めた。
「へぇ、硬いね。それに力も強い。手加減してるとはいえ、僕の一撃を止めるなんて驚きだ。さっきの三匹を喰ってさらに力を付けたのかな?」
ベネットは、余裕の表情で話すアルスに向かって、紫のブレスを吐いた。それをもろに喰らったアルスは後ろに跳んで距離を取る。
「さっき喰ったばかりのコカトリスの能力、石化ブレスを使ったのか!? 凄い! 凄すぎる!!」
おいおい、石化ブレスってんなら、何でお前は石化しないんだよ……? 俺の疑問を察知したのかは知らないが、アルスは嬉しそうに口を動かす。
「せっかく石化ブレスを再現してくれたのに残念! 僕は状態異常にかからない体質なんだ。毒も麻痺も呪いも催眠もね。でも他にもまだいろいろできるんでしょ?」
ベネットは歯噛みしながら、体から伸ばした菌糸をうねうねと動かす。すると空中に五つの魔法陣が現れ、火炎の槍が飛び出し、アルスに次々と命中した。
着弾した炎の槍は炸裂して爆炎が上がり、夜空が赤く照らされた。
「おおー。今のは中々に効いたよ」
全くダメージを受けていないどころか、服に焦げ跡一つついていないアルスが、煙の中から歩いて出てきた。
「ヒュドラの火炎のブレスと、オルトロスの発火能力を昇華させて、火槍を撃ち出す魔法を即興で創りだしたのか! なんて桁違いなセンスだ!」
あの炎の中で無傷で笑っていられるとは……。俺が驚愕していると、アルスは魔法を発動させた。
「これは僕からのプレゼント」
上空に魔法陣が現れ、そこから巨大な雷が落ちてきて、ベネットを直撃する。
ベネットの悲鳴が響く。彼女は全身を焼かれ、黒こげになって地面に倒れ伏してしまった。
「ベネット!!」
俺は慌てて駆け寄りベネットを抱き起した。俺の腕の中で、ベネットの焦げた部分が剥がれ落ちると、元の美しい姿を取り戻した。
「ウィル、ごめんね。服が燃えちゃった」
「んなもんはまた買えばいいんだ。それよりお前は大丈夫なのかよ?」
「全く平気って言うと嘘になる。でも心配しないで。あいつは私が何とかする。そしたら二人で一緒にスローライフしようね」
「でも、その前にちょっとだけ、ウィルの血が欲しいな……」
俺はベネットに口づけ、舌を差し入れた。そんなことしなくても、ベネットはどこからでも俺の血を吸えるだろう、でも、今はこうしたかった。
「ありがとう、力が湧いてきた。ここからは私の本当の姿で戦うから、目を閉じていて欲しいな」
「俺を見くびんなって。どんな姿でもベネットだろ? お前を好きだって気持ちが、揺らいだりしねぇよ」
ベネットは俺に抱き着いて、声を震わせた。
「うん、そうだったね。私、負けないから。見ててね、ウィル!」
そう言って立ち上がったベネットは、俺から離れると全身から菌糸が噴き出し、瞬く間に高さ5mはある巨大なキノコの姿になった。
その姿を見たアルスは大喜びしている。
「これがたった一体で騎士団一個大隊を壊滅させたと伝えられる、Sランクモンスターのブラッディマッシュか! その力、存分に僕に見せてくれ!」
ベネットの触手状に束ねられた菌糸が、複数一度にアルスに襲い掛かる。
アルスはそれらをものともせずに切り払い、踏み込んでベネットに斬りかかった。
ベネットは巨体ながら素早い動きで攻撃を躱すと、即座に反撃に転じている。
アルスが強烈な魔法を放てば、即座に魔法を撃ち返しそれを相殺した。
戦況は互角か、ややベネットが押しているように見える。
二人とも並みの冒険者をはるかに凌駕した戦闘力だ。俺が割って入るなどは不可能だろう。速すぎて、二人の戦いをはっきりと目で追うことすら出来ない。魔法のぶつかる閃光と爆風、剣戟の音が激しく轟く。
俺にはただ、ベネットの無事を祈ることしかできなかった。
そして、一際大きな音が響き渡ると、静かになって煙が晴れてきた。目を凝らすと二人の姿が徐々に見えてくる。
ベネットの硬化して刃のようになった菌糸が、アルスの体をいくつも貫いていた。どう見ても致命傷だ。この勝負ベネットの勝ちだ!
ベネットは美女の姿に戻ると、その場にへたり込んでしまったので、俺は駆け寄って抱き起し、上着をかけてやった。
「お疲れさん。あんなバケモノによく勝てたな」
「変なの。ウィルからしたら、アイツは同族で、私はバケモノでしょ?」
「違うって、ベネットは俺の大事な女で、アイツは凶悪なバケモノだ」
ベネットは嬉しそうに笑う。
「ねぇ、ウィル。私、力を使い果たしたから、少し多めに血が欲しいな」
「いいぞ、好きなだけ飲んでくれ。俺は干からびたっていいからな!」
俺とベネットが笑い合っていると、アルスがむくりと起き上がってきた。
「酷いな……、誰がバケモノだって?」
振り向くと、アルスは棒立ちのまま不敵な笑みを浮かべ、俺達を見ていた。
0
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい
桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる