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ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?

16.中ボス2

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 そういえば現在の所持金は……。

 4万Crづつ増えて、俺は22万Crくらい、久奈は20万Crくらいで、結月は21万Crくらいだ。

「もう少し頑張る?」と俺が二人に聞くと「「もちろん!」」と久奈と結月は声を揃えて力強く答えた。

 午前中と同じように、結月に指示されたとおりに刀を振ってモンスターを倒していく。久奈はさらにやる気が出たようで、魔法を次々とぶっ放す。調子よくどんどん進んでいくと、開けた場所に出た。大扉のあるボスの広間だな。

 大扉の前にいるモンスターは、見るからにゴーレムな形をしている。かなりの大きさだ、3m以上はあるな。アシストによる強さ判定は強い……か。俺は久奈と結月の方に視線を送る。

「中ボスのところまで来ちゃったねどうする? 戦ってみる?」

 結月がゴーレムを眺めながら応える。

「ちょっと戦ってみて無理そうなら逃げよ。私なら少し戦えば、相手の力量が分かるから」

「私が前に出てアイツの隙を作るから、樹は攻撃できそうなら攻撃して。久奈はアイツから距離をとって魔法で狙って」

「もし、勝てそうになかったら逃げるって合図するね」

 結月が作戦を話すので俺と久奈は頷く。よし、気合入れて行くぞ!

 結月が歩いてゴーレムに近づくと、ゴーレムの目が怪しく光り動き出す。結月に向かって地を蹴り突進した。見た目のイメージに反してかなり速い。しかし俺も魂力が上昇しているおかげか、十分反応できそうなスピードだと感じた。

 結月は軽やかな動きで回避。すれ違いざまに抜刀しゴーレムの足に斬撃を放つとゴーレムは勢い良く転倒した。

「樹! 久奈!」

 結月が叫ぶと、久奈は頷き魔法を放つ。手に持っている銀色の杖から稲妻が走りゴーレムに直撃した。久奈の魔法が終わるのを見計らって、俺はゴーレムにダッシュで近づき渾身の居合切りを放つ、刀とゴーレムの体が激しくぶつかり火花が飛び散る。

 ゴーレムは上体を起こして、俺に拳を叩きつけようと腕を振り上げた。全力で刀を振り切った俺は体が硬直していてすぐには動けない。

「フフッ、私の樹を殴らせるわけにはいかない!」

 冷たく笑う結月がゴーレムの背後から何度も斬撃を浴びせた後、鞘を叩きつけた。魂力が上昇しているので力も上がっているのだろう、いかにも重たそうなゴーレムが軽々と吹っ飛ぶ。

 そのまま追撃の体制をとるが、ゴーレムから何か嫌な感じがした。

 俺と結月は、バックステップでゴーレムから距離をとる。直後、ゴーレムは巨大な岩の槍を作り出し俺に向かって投擲した。速い、直撃する! と思ったその時、目の前に氷の壁ができて岩の槍を止めた。久奈の魔法か? 助かった!

「よくも私の樹に!」

 久奈が叫び、数えきれないほどの無数の炎の矢をゴーレムに連射する。まるでガトリングガンのようだ。次々と命中してゴーレムは煙に包まれていく。うわぁ……久奈の目つきヤバい。

「クッ、MP無くなった」

 炎の矢の連射が止まり、立ち昇る煙が晴れていく。ゴーレムはすでにボロボロだ。

 結月が、とどめと言わんばかりの気迫のこもった居合切りを放つと、ゴーレムは真っ二つになって消滅した。
 
 俺達は「やった!」と口々に言い、三人でハイタッチをした。

「ふう、何とか勝てたな……」

「「樹、大丈夫だった?」」

 二人は心配そうに聞いて来るので、俺は笑顔で答える。

「久奈と結月のおかげで無傷だよ、ありがと」

 二人は「ふぅ」と胸をなでおろして微笑んだ。


 音声アシストが聞こえる。

「ゴーレムを倒しました166666Cr獲得。魂力が200増化しました」

 16万Cr? 変に端数があるな、パーティメンバーで等分だからか。強敵だったからかなりお金が増えたけど、まだ足らない。でも大扉を開けたらボーナスでお金がもらえるはず。
 
「魂力の総量が1000を超えたため、プレイヤーの資質に応じた能力が発現します」

 ん? 音声アシストがなんか言ってるけど、とりあえずお金ほしいから大扉を開けよう。俺は大扉に触れる。

「この扉を開けることで次のエリアが開放されます。扉を開けますか?Yse/No」

 ……Yes。

「扉を開けました。次のエリアに進入できるようになりました」

「この地点から、センターにつながる転移ゲートが開放されました」

「回復スポットが利用可能になりました」

「扉開放ボーナスとしてパーティーメンバー全員が200000Cr獲得しました」

 おお! 20万Crか! ついでに転移ゲートと、回復スポットが広間の中央に出現した。

 これで所持金は……俺が58万、久奈56万、結月57万だ。一日で達成してしまったな。これであのログハウス風の家を買うことが出来る。

 俺たちは新しく出現した転移ゲートをくぐりセンターに戻っていった。
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