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ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?
5.付きまとう男
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昼食を済まして二人で北の転移ゲートの広場に向かって歩いていると、後ろの方から、鳴海さんを呼ぶ男の叫び声が聞こえた。
二人で振り返ると、一人の男がこちらに向かって走ってきている。
「げっアイツは……! 後で説明する。逃げるよ!」
鳴海さんが顔を引きつらせてそう言うと、突然俺の手を握り、引っ張って走り出した。
何と、鳴海さんが俺の手を握っている!? 柔らかくて温かい感触に感激して、俺の鼓動は急上昇だ。
そんな俺の心のうちなど知る由もない彼女は、全力疾走しながら「ごめん」と謝る。二人してダッシュし、北の転移ゲートに飛び込んだ。
転移ゲートを抜けて、山岳地帯のフィールドを二人で走る。ここは切り立った断崖でできた天然の迷路のような地形だ。いくつもの分かれ道があるので、オートマッピング機能のおかげで迷いはしないが、特定の人物を見付けだすのは困難だろう。
男から逃げ切ったところで、鳴海さんは息を整えてから俺を見た。
「アイツは同じ学校の、同じクラスの男子、双原奏介《ふたはら そうすけ》だよ」
「入学直後からよく話しかけて来たんだけど、自分の事ばっか話すし、自慢話が多いから正直うんざりしてたんだ」
「でも、あまり邪険にするわけもいかないし、愛想笑いしてやり過ごしていたら、なんか勘違いされてたみたいで彼氏面するようになってきたの」
「ある時、慣れ慣れしく腰に手を回してきたからプチッてキレちゃって、お前なんか彼氏でも何でもないわー! 勝手に触んなボケ! キモいんだよクソが! って暴言はいて殴っちゃった♡」
腰に手だと? うらやま……じゃない。それは許せんな。
「柳津君ゴメンね。気を取り直してモンスター狩ろうか」
笑顔でそう話す鳴海さんに、俺は掛ける言葉も見つからないので「そうだね」と応えた。
アイテムストレージから剣を取り出そうとすると、音声アシストが聞こえてきた。
「フレンドとフィールドに入場しました。パーティーを登録しますか Yes/No」
パーティー? 登録するとどうなるの?
「モンスターを倒した際に獲得できるCrと魂力が、パーティーメンバーで等分されます」
んじゃYesだな。鳴海さんを見るとコクリと頷く。すると「パーティーを登録しました」と音声アシストが聞こえた。
じゃ、モンスターをバンバン狩りますか! というわけで、探索アシストを起動してモンスターを探し近づく。昨日何体か倒した岩型のモンスターが2体出現する。
「鳴海さんアイツを狙って雷撃魔法を使ってみて」
鳴海さんは頷くと、ミスリルロッドをモンスターに向けて雷撃と呟く。大きな雷鳴が響きミスリルロッドからモンスターに向けて稲妻かほとばしる。一撃でモンスターは砕け散った。
「ロックを倒しました。5Cr獲得。魂力が1増加しました」
獲得できるCrと魂力が半分になってるな。なるほど、獲得できるものはパーティーメンバーで等分ということか。
「もう一体は俺が倒すね」
残った方にスキル1を発動と念じると、俺の体は勝手に剣を構え、地を蹴って一瞬でモンスターに近づき薙ぎ払う。その一撃でモンスターは真っ二つになり、砕け散った。
昨日は一撃で倒せなかったのに一撃だったな。魂力が上がって強くなっているんだろうか。
MPを確認すると減ってない。スキルはMPを消費しないのか? 連発可能なのか? 要確認だな……。
昨日よりも、俺はいくらか強くなっているようで、スキルを使えば一撃、使わなくても、ほとんどのモンスターを一撃で倒せるようになっていた。
また、スキルはMPは減らないが疲れる。
3体のモンスターが出現したときに、試しに3回連続でスキルを使用してみた。
すると200m位を全力で走った時のように、息が上がって一時的に立てなくなった。連続で使用するのは避けないといけないな。
鳴海さんも最初のうちは少し緊張した様子だったが、モンスターを数体倒したところで楽勝なのが分かり、途中からリラックスしていたようだ。
二人で雑談をしつつ、和気あいあいといった雰囲気で狩りを続けた。
* * *
もうかれこれ二時間くらいは、狩りをしているだろうか。
俺は買っておいたペットボトルの水をアイテムストレージから2つ取り出し、鳴海さんに一つを差し出す。
「ちょっと休憩しようか」
そこら辺の適当な岩に二人並んで腰掛ける。
「柳津君って剣術とか習ってたの? すごい動きだったけど」
「いや、習ってないよ。あれはスキル発動って念じただけで、体か勝手に動くんだ。システムが体の動きを補助してるんだって」
「ふーん、そうなんだー」
鳴海さんは、分かったような分からないような顔をしている。どんな表情でもこの子は可愛いいなと脳内でいつも通り悶える。
突如、岩のモンスターが3体出現した。なんか金色に光ってるな。
俺は即座に剣を構えスキル1を発動。間合いを一気に詰めて一体を撃破。近くにいいたもう一体はスキルなしで剣を叩きつけ撃破。少し離れたところにいる残りの一体を、鳴海さんが雷撃で撃破した。
「「やったね!」」
鳴海さんとハイタッチする。なんか距離が近づいているようで嬉しい。
「ゴールドロックを3体倒しました。15000Cr獲得。魂力が3増加しました」
なにっ! 15000だと?
「15000だってー すごいね!」
鳴海さんも驚いたようで、可愛い笑顔で喜んでいた。
「レアモンスターだったのかもね」
お金も増えたことだしそろそろ戻ろうと提案すると、鳴海さんは賛成したので、二人で転移ゲートに向かって歩き出した。
転移ゲートのところに戻ってくると、双原奏介が待ち伏せしていた。そうか、迷路のような山岳フィールド内で発見するのは難しくても、そこで待ってれば嫌でも遭遇するよね。
双原奏介の姿を確認すると鳴海さんが、はぁとため息をついて嫌そうな顔をした。仕方なく転移ゲートの方に歩いていく。双原奏介はじっとこちらを見ている。
ある程度近づいたところで、双原奏介が声をかけてきた。
「久奈! こいつはなんなんだよ?」
オイオイ下の名前呼び捨てかよ……なんかイラっときたが俺はなるべく冷静に答える。
「俺は鳴海さんのゲームシステム上のフレンドで、パーティーメンバーの柳津樹だが何か?」
「お前には聞いてない! 久奈に聞いているんだ!」
双原奏介は声を荒げて怒鳴ってきた。
「まるで彼氏気取りね。ウザクて面倒だからはっきり言っておくけど、私は双原君の事がキライなの! もう関わらないで!」
はい、来ました……。好きな女の子からの嫌い宣言。俺は双原奏介に少し同情した。
すると、双原奏介は逆上し鳴海さんに掴みかかろうとする。しかし、彼の手は見えない壁にバチンとはじかれた。
「なっ、警告? 接触制限だと?」
あー、この世界に転移したときそんな説明あったな。勝手に触れないとか。
鳴海さんを見ると指を動かしている。視界に映っているインターフェースを操作しているようだ。
すると双原奏介がまた騒ぐ。
「鳴海久奈から接触制限レベル4に設定されました。以後一切の接触を禁止します。だと? ちょっと待って……」
双原奏介は地面に崩れ落ちると、涙目で鳴海さんに訴える。しかし、鳴海さんは全く取り合う気は無いようだ。
「柳津君、こんなやつほっといていくよ!」
鳴海さんは俺の手を掴むと、引っぱって転移ゲートに入っていった。
転移ゲートの広場に出ると、申し訳なさそうに鳴海さんが謝る。
「せっかく、大金ゲットでいい気分だったのに台無しだね。ゴメン」
「いや、気にしないで。別にどうということは無いよ」
こういう時にどんな声を掛けていいのか、俺はよくわからない。
「甘いものでも食べて気分転換しようか?」
女子はスイーツを食べると機嫌が良くなると、どこかで聞いた事があるので提案してみた。
「いいね! そうしよう」
鳴海さんは笑顔で賛同してくれたので、二人でカフェに向かって歩いて行くのだった。
二人で振り返ると、一人の男がこちらに向かって走ってきている。
「げっアイツは……! 後で説明する。逃げるよ!」
鳴海さんが顔を引きつらせてそう言うと、突然俺の手を握り、引っ張って走り出した。
何と、鳴海さんが俺の手を握っている!? 柔らかくて温かい感触に感激して、俺の鼓動は急上昇だ。
そんな俺の心のうちなど知る由もない彼女は、全力疾走しながら「ごめん」と謝る。二人してダッシュし、北の転移ゲートに飛び込んだ。
転移ゲートを抜けて、山岳地帯のフィールドを二人で走る。ここは切り立った断崖でできた天然の迷路のような地形だ。いくつもの分かれ道があるので、オートマッピング機能のおかげで迷いはしないが、特定の人物を見付けだすのは困難だろう。
男から逃げ切ったところで、鳴海さんは息を整えてから俺を見た。
「アイツは同じ学校の、同じクラスの男子、双原奏介《ふたはら そうすけ》だよ」
「入学直後からよく話しかけて来たんだけど、自分の事ばっか話すし、自慢話が多いから正直うんざりしてたんだ」
「でも、あまり邪険にするわけもいかないし、愛想笑いしてやり過ごしていたら、なんか勘違いされてたみたいで彼氏面するようになってきたの」
「ある時、慣れ慣れしく腰に手を回してきたからプチッてキレちゃって、お前なんか彼氏でも何でもないわー! 勝手に触んなボケ! キモいんだよクソが! って暴言はいて殴っちゃった♡」
腰に手だと? うらやま……じゃない。それは許せんな。
「柳津君ゴメンね。気を取り直してモンスター狩ろうか」
笑顔でそう話す鳴海さんに、俺は掛ける言葉も見つからないので「そうだね」と応えた。
アイテムストレージから剣を取り出そうとすると、音声アシストが聞こえてきた。
「フレンドとフィールドに入場しました。パーティーを登録しますか Yes/No」
パーティー? 登録するとどうなるの?
「モンスターを倒した際に獲得できるCrと魂力が、パーティーメンバーで等分されます」
んじゃYesだな。鳴海さんを見るとコクリと頷く。すると「パーティーを登録しました」と音声アシストが聞こえた。
じゃ、モンスターをバンバン狩りますか! というわけで、探索アシストを起動してモンスターを探し近づく。昨日何体か倒した岩型のモンスターが2体出現する。
「鳴海さんアイツを狙って雷撃魔法を使ってみて」
鳴海さんは頷くと、ミスリルロッドをモンスターに向けて雷撃と呟く。大きな雷鳴が響きミスリルロッドからモンスターに向けて稲妻かほとばしる。一撃でモンスターは砕け散った。
「ロックを倒しました。5Cr獲得。魂力が1増加しました」
獲得できるCrと魂力が半分になってるな。なるほど、獲得できるものはパーティーメンバーで等分ということか。
「もう一体は俺が倒すね」
残った方にスキル1を発動と念じると、俺の体は勝手に剣を構え、地を蹴って一瞬でモンスターに近づき薙ぎ払う。その一撃でモンスターは真っ二つになり、砕け散った。
昨日は一撃で倒せなかったのに一撃だったな。魂力が上がって強くなっているんだろうか。
MPを確認すると減ってない。スキルはMPを消費しないのか? 連発可能なのか? 要確認だな……。
昨日よりも、俺はいくらか強くなっているようで、スキルを使えば一撃、使わなくても、ほとんどのモンスターを一撃で倒せるようになっていた。
また、スキルはMPは減らないが疲れる。
3体のモンスターが出現したときに、試しに3回連続でスキルを使用してみた。
すると200m位を全力で走った時のように、息が上がって一時的に立てなくなった。連続で使用するのは避けないといけないな。
鳴海さんも最初のうちは少し緊張した様子だったが、モンスターを数体倒したところで楽勝なのが分かり、途中からリラックスしていたようだ。
二人で雑談をしつつ、和気あいあいといった雰囲気で狩りを続けた。
* * *
もうかれこれ二時間くらいは、狩りをしているだろうか。
俺は買っておいたペットボトルの水をアイテムストレージから2つ取り出し、鳴海さんに一つを差し出す。
「ちょっと休憩しようか」
そこら辺の適当な岩に二人並んで腰掛ける。
「柳津君って剣術とか習ってたの? すごい動きだったけど」
「いや、習ってないよ。あれはスキル発動って念じただけで、体か勝手に動くんだ。システムが体の動きを補助してるんだって」
「ふーん、そうなんだー」
鳴海さんは、分かったような分からないような顔をしている。どんな表情でもこの子は可愛いいなと脳内でいつも通り悶える。
突如、岩のモンスターが3体出現した。なんか金色に光ってるな。
俺は即座に剣を構えスキル1を発動。間合いを一気に詰めて一体を撃破。近くにいいたもう一体はスキルなしで剣を叩きつけ撃破。少し離れたところにいる残りの一体を、鳴海さんが雷撃で撃破した。
「「やったね!」」
鳴海さんとハイタッチする。なんか距離が近づいているようで嬉しい。
「ゴールドロックを3体倒しました。15000Cr獲得。魂力が3増加しました」
なにっ! 15000だと?
「15000だってー すごいね!」
鳴海さんも驚いたようで、可愛い笑顔で喜んでいた。
「レアモンスターだったのかもね」
お金も増えたことだしそろそろ戻ろうと提案すると、鳴海さんは賛成したので、二人で転移ゲートに向かって歩き出した。
転移ゲートのところに戻ってくると、双原奏介が待ち伏せしていた。そうか、迷路のような山岳フィールド内で発見するのは難しくても、そこで待ってれば嫌でも遭遇するよね。
双原奏介の姿を確認すると鳴海さんが、はぁとため息をついて嫌そうな顔をした。仕方なく転移ゲートの方に歩いていく。双原奏介はじっとこちらを見ている。
ある程度近づいたところで、双原奏介が声をかけてきた。
「久奈! こいつはなんなんだよ?」
オイオイ下の名前呼び捨てかよ……なんかイラっときたが俺はなるべく冷静に答える。
「俺は鳴海さんのゲームシステム上のフレンドで、パーティーメンバーの柳津樹だが何か?」
「お前には聞いてない! 久奈に聞いているんだ!」
双原奏介は声を荒げて怒鳴ってきた。
「まるで彼氏気取りね。ウザクて面倒だからはっきり言っておくけど、私は双原君の事がキライなの! もう関わらないで!」
はい、来ました……。好きな女の子からの嫌い宣言。俺は双原奏介に少し同情した。
すると、双原奏介は逆上し鳴海さんに掴みかかろうとする。しかし、彼の手は見えない壁にバチンとはじかれた。
「なっ、警告? 接触制限だと?」
あー、この世界に転移したときそんな説明あったな。勝手に触れないとか。
鳴海さんを見ると指を動かしている。視界に映っているインターフェースを操作しているようだ。
すると双原奏介がまた騒ぐ。
「鳴海久奈から接触制限レベル4に設定されました。以後一切の接触を禁止します。だと? ちょっと待って……」
双原奏介は地面に崩れ落ちると、涙目で鳴海さんに訴える。しかし、鳴海さんは全く取り合う気は無いようだ。
「柳津君、こんなやつほっといていくよ!」
鳴海さんは俺の手を掴むと、引っぱって転移ゲートに入っていった。
転移ゲートの広場に出ると、申し訳なさそうに鳴海さんが謝る。
「せっかく、大金ゲットでいい気分だったのに台無しだね。ゴメン」
「いや、気にしないで。別にどうということは無いよ」
こういう時にどんな声を掛けていいのか、俺はよくわからない。
「甘いものでも食べて気分転換しようか?」
女子はスイーツを食べると機嫌が良くなると、どこかで聞いた事があるので提案してみた。
「いいね! そうしよう」
鳴海さんは笑顔で賛同してくれたので、二人でカフェに向かって歩いて行くのだった。
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