英雄代行、始めました

谷本 督太

文字の大きさ
上 下
11 / 17
第一章 『英雄の始まり』

第一章 11 『記憶の中』

しおりを挟む


 ――殺伐とした空気、至る所に倒れる人々の死骸。破壊された街や大地。地獄絵図とは正にこの事だと、少年の瞳に映し出された。
 目を背けたくなる光景、吐き気を催す臭い、これが戦争なのだと実感した。
 だが、これは現実では無い。少年の周りで戦う人々は、少年の存在に気付いていない。というよりも、少年の存在はそこに認められていない。

『何だ……これ……』

 少年――否、帆高卓斗は夢を見ているのだろうか。そう思ってしまう程に不思議な現象だが、目に見える光景は現実そのままにハッキリとしている。それがまた卓斗を困惑させる。
 何故、自分の存在を無視して周りの人々は争い合っているのか。何故、自分の存在に誰も目を向けてくれないのか。

『どこだよ……ここ』

 卓斗は先程までセイレム王国で絵麻達の救出に向かっていた筈。セイレム騎士団のミネルヴァと戦っていた筈。だが、辺りを見渡しても、その姿は見えない。ましてや、セイレム王国とはまた全然違った景色しか見えない。
 荒れ果てた荒野に、至る所から火が燃え盛り、辺りにある森も焼け野原と化している。そんな光景を見て、ただただ困惑して息を呑んだ。

 すると、卓斗の目の前に一人の少女が倒れ込んで来た。何かに吹き飛ばされたのか、全身が傷だらけで痛々しい姿だ。黒髪のツインテールで毛先が赤色に変色している少女に、どこか違和感を覚えた。
 誰も卓斗の存在に気付かない中、その少女は徐に振り向いて、卓斗と視線が合う。

『――君……どこかで……』

『やっと話せる人に会えた……ここ、どこなんだ?』

『どこって……今の状況が分からないの?』

 少女は不思議そうに卓斗を見つめると、何かに気付いたのか目を丸くしてハッとする。

『君、もしかして!! 夢に出て来た人!?』

『ゆ、夢? その人が俺かどうかは分からねぇけど……』

『成る程、そういう事か。じゃ、君は未来からの……』

 『未来』という言葉が聞こえ、卓斗の脳裏に疑問符が浮かんだ。

『未来!? 今、未来って言ったか!?』

『そうだよ。君がいつの時代から来たのかは分からないけど、ボクが君を見たのは予知夢の中だったから……』

 少女は予知夢の中で卓斗を見ていた。だからこそ、卓斗を見た瞬間に違和感を覚えたのだ。

『予知夢って……じゃあ、ここは……』

『君からすれば、過去って事だね』

 どうやら、卓斗は過去に居るらしい。だが、それが実体的なのか、幻想的なのかは分からない。

『何で俺が過去に……』

『原因は分からないけど、何か重大な事が未来で起きたんじゃない? 君にとってのね』

『ミネルヴァに負けそうになって……アイシャに治癒して貰って……気付いたらここに……いや、それでも原因は分かんねぇな……』

『未来で起きた事は、今は君にしか分からないよ。ボクも予知夢はたまにみるけど、場面的な物ばかりだから、その時代の状況まで見れる訳じゃ無いし』

『てか、お前は誰なんだ? 何で予知夢で俺を……』

『未来で君とボクが関わっているって事だね。君の周りに居た誰かなんかじゃない?』

『俺の周り……』

 少女に対する違和感。それは、見た事のある様な姿だ。その違和感と紐付けられる人物が思い浮かぶが、

『いやいや……似てるけど、あり得ねぇ……だって、大きさが違うし……』

 今目の前に居る少女は、自分より少し背が低い程の大きさ。卓斗が思い浮かべる人物とは、かなり大きさに違いがある。それでも、雰囲気はまるで一緒だ。

『もしかしてだけど……イヴ……?』

 卓斗にそう言われて、少女は一瞬目を丸めた。そしてすぐに笑顔を見せると、

『正解。ボクはイヴリース・アシュヴァルト』

『マジでイヴなのか!? だって大きさが……!!』

『大きさ? 未来のボクはどうなってるの? もしかして巨人化してる!?』

『いや……妖精くらいに小さくなってる』

『何でぇ!? 未来に何が起きたのさ……!! でも、未来のボクと君には友好関係があるみたいだね。ボクをイヴって呼ぶのは君で三人目だよ』

『お前が呼べって言ったんだろ』

『今のボクにツッコまないでくれるかな。君にそう言ったのは未来のボクなんでしょ?』

『あー、ややこしい……!!』

 卓斗の目の前に居る少女は、過去のイヴリースだった。妖精の姿に変えられる前の姿だ。年齢は卓斗と変わり無く見え、身長も人間的なサイズに、新鮮さを感じた。

『それで、未来のボクと君はどういう関係なのかな? もしかして、彼氏?』

『んな訳ねぇだろ!! お前に、代わりに英雄になれって頼まれたんだよ。だから、俺は『英雄代行』だ』

『『英雄代行』……ボクが君に代わりで英雄になれと……?』

 イヴリースは少し考え耽る。すると、

『そうか……じゃあ、この結末は……』

『どうした?』

『いや、大丈夫。君が居るって事は、何とかなってるって事だもんね。やっぱり、ボク達じゃ止められないのか……』

 そう言ったイヴリースの表情は暗く、哀しげだった。そこに違和感を感じつつも、

『一つ聞いていいか?』

『なんだい?』

『今ってどういう状況なんだ? 俺が飛ばされて来た過去っていつのタイミングなんだ?』

『見ての通り、戦争中だよ。それも、歴史的に大きな……君の居る時代でも語り継がれてるんじゃない?』

『俺が知ってるのは一つだけだ。魔女との大きな戦争ってやつだけ』

『まさにそれだよ。魔女軍と世界を巻き込んだ大戦争だよ』

 卓斗が飛ばされた過去とは、よく耳にした先の大戦。世界に恐怖を震撼させた魔女との大戦争真っ只中の過去だった。

『今のこれが、俺の聞いてた戦争なのか……!? じゃあ……』

 卓斗は魔女との戦争の話を聞いていたからこそ、この戦争の結末を知っている。なにより、この戦争が卓斗が異世界に来た原因の一つにもなっている。
 イヴリース達が負け、姿を妖精に変えられ、後継者として卓斗達が異世界に連れて来られる。その原因の戦争なのだ。

『この戦争にボク達が負け、未来のボクは君に頼ったんだね……』

『ごめん……知りたく無かったよな……』

『大丈夫だよ。君が居るって事は、世界はまだ終わっていないって事。この戦争の落とし前は、君達がしてくれるって事』

『でも、俺がここに居るんだったら、俺の知ってる未来にならない様に出来るんじゃねぇのか!? そうすれば、イヴも姿を変えられずに……』

『――それは出来ない』

 卓斗の言葉を遮る様にイヴリースは言い放った。

『確かに、未来は変えられる。けど、過去は変えられない。君が知ってる過去はどう足掻いても変わらない。過去を知る者が過去を変える事は不可能なんだ』

『そんな……』

『だから、君が未来を変えるしかないんだよ。君が居た時代……更にその先の時代を変えられるのは、未来に居る君達だけだよ。だから、君が今ここでどう足掻こうとも結末は変わらない』

『だったら、安心してくれ。未来のお前は俺に頼ったんだ。俺が何とかしてみせるから』

『未来のボクが君に頼っただけはあるね。何故、君を選んだのか今のボクにでも分かるよ』

 未来のイヴリースが卓斗を選んだ事を、過去のイヴリースにだって理解は出来た。同じイヴリース本人だからだ。卓斗から感じる可能性は、過去のイヴリースから見ても感じている。

『ただ、何故君が過去に居るのかは不明だけどね』

『そうなんだよ、それだよ!! 何で俺は過去に居るんだ!? どうやって帰るんだよ!!』

『それはボクに聞かれてもなぁ……因みに、君は未来のボクに選ばれたんだよね?』

『あぁ。代わりに英雄になって欲しいってな』

『それだけ?』

『んー……力は継承するから戦える様になるとは言ってたけど……』

 イヴリースはまた考え耽ると、

『そうか……つまり、未来のボクは力を使えなくなるから、それを君に託したという事か……』

『なんかそんな事言ってたな。イヴの戦闘の記憶を継承するから、すぐにでも戦えるって』

『成る程……なら、君がここに来た理由は一つだね』

『分かるのか!?』

『この世界には、未来と関われる希少な魔法が存在してる。まぁ、ボクには扱える代物ではないけど。でも、過去に関われる魔法は存在しない。つまり、君がここに居る原因は魔法では無いという事』

『未来と関われる魔法って、めちゃくちゃ便利なんじゃ……』

『ボクが見た事あるのは、未来に行くとかじゃ無くて、未来の自分と入れ替わるという魔法だったよ。持続時間は少ないけれどね』

『そんな魔法まで存在してるのかよ……けど、その逆の過去は無いという事か』

『そうだね……ボクは見た事も、それを使う人にも会った事は無いね。これでも、ボクは世界に存在する全ての魔法は網羅してるつもりだよ。ただ、未来魔法などは無理だけどね』

『全て……!?』

『使えるのと、知ってるだけの違いはあるけど、存在してる魔法は全て認識している。けれど、その中に過去と関われる魔法は無いんだよ。君の居た時代に、その魔法が創られた可能性はあるけど……魔法を創り出す事は容易じゃ無い……だから、その可能性はボクの中で一番低い。そうなると、君がここに居る原因は……』

 イヴリースが繋げようとした言葉が、卓斗の頭の中で浮かんだ。

『継承……』

『その通りだね。ボクの戦闘の記憶を継承しているなら、君がここに来る原因は、その戦闘の記憶だよ。君は、何らかの状況で過去の戦闘の記憶を見た。そして、その記憶の中に居るという事』

『記憶の中……でも、記憶なのに過去のイヴと会話が出来てるのは……』

『そこは謎なんだけど……ボクの戦闘の記憶だから、ボクは関われる……というのが、今考えられる可能性かな』

 それをうなづけるのが、卓斗の存在だ。今この場所で卓斗の存在を認められるのはイヴリースだけだ。周りで戦っている人達からは、卓斗の存在は認められていない。つまり、卓斗の存在に気付いているのは、イヴリースだけだ。

『ボクの戦闘の記憶で、君は戦えるって言ったよね?』

『あぁ。扱う魔法とか、戦闘スタイルとかはイヴの記憶から継承されて、体が勝手に動くって感じだな』

『こうやって過去に飛ばされたのは、今回が初めて?』

『戦闘の記憶は何度も見たけど、こんな体験は初めてだ』

『君が戦闘の記憶を見る前は、どんな状況だった?』

『強い奴と戦ってて……正直、負けそうになった瞬間だった』

『成る程……これは、ボクの仮説だけど……君が戦闘の記憶を見て戦う際、その力はまだ完全に馴染んではいない筈。その状態での限界値を迎えた時、こうして過去の記憶の中に閉じ込められる』

『閉じ込められるって……』

『そんな怖い話じゃ無いよ。要は、君が限界値を乗り越えなければいけない時、だよ』

『限界値を乗り越える……』

『ボクの力の全てをすぐに馴染ませる事は不可能な筈だよ。だから、君は徐々にその限界値を上げていかなきゃならないんだ。限界値が上がった時に、君は元の時代に戻れる筈だよ』

『何でそんな事が分かるんだよ』

『継承する魔法はボクでも知ってる。でも、継承魔法には色々条件があるんだ。だから、ボクは使った事が無いけど……継承する相手が体内にマナを宿していないのが条件だから、この世界にマナを持たない人間はそう生まれない。一般の市民ですら、体内にはマナを宿しているからね。使える使えないは置いといて。継承魔法を使ったとしても、すぐに全ての力が継承される訳じゃ無い。その継承する相手次第でもあるけど……そこから考えると、さっき言った仮説が一番可能性があるかなってだけだよ』

『じゃあ、その可能性を信じるしか無いんだな……俺が元の時代に戻るには……』

 卓斗が元の時代に戻る方法は一つ。イヴリースの戦闘の記憶の限界値を上げる事。これも、過去のイヴリースの仮説に過ぎないが、それでも本人が言うならば信憑性はある。

『次に同じ場面が来た時に、この仮説は確定するけど……今はどうか分からない……けど、君が限界値を上げる事は今後の為にもしておいた方がいいんじゃないかな』

『限界値を上げるって事は、強くなれるって事だよな』

『勿論。その分、戦闘の記憶が君に継承されるからね』

『だったら、試すしか無い……でも、どうやって?』

『そこで重要なのが、過去のボクだよ。戦闘の記憶で君と関われるっていう事は、その限界値を上げる役がボクって事だよ』

『イヴが?』

『ボクの力を教えられるのはボクしか居ない。今君の目の前に居るのは、今のボクだよね? なら、君に教えるのは今のボクしか居ないって事』

『つまり……過去のイヴから修行を受けるって事か!!』

『そういう事だね。なら、早速始めようか……ボクもあまり時間を掛けていられないから』

『でも、修行ってそんなすぐに終わるものなのか……?』

『そこは、戦闘の記憶を利用するんだよ。その上に、一つ重要な事がある』

 イヴリースが人差し指を立てて、真剣な眼差しで言葉にした。卓斗も真剣に聞こうと姿勢を正し、

『重要な事?』

『戦う上で一番必要な事は、マナの量でも魔法の技術でも無い……知識だよ』

『知識……』

『知っているっていうのは一番の強みになるんだ。傾向と対策も分かるしね。そこで、戦闘の記憶と知識を組み合わせる事が、ここで重要となるんだ』

 難しい話に卓斗は頭を悩ませながらも、真剣に耳を傾ける。

『戦闘の記憶の特徴は、君が見た記憶をそのまま君が実行するという事。今の君は、君が理解している範囲の力を継承しているんだよ。つまり、知らない事は見ても分からないから継承されない……ここが重要な所だよ』

『知らない事は見ても分からない……』

『だから、ここでボクが君に知識を与える。そうすれば、君の限界値は上がる筈だよ。一気に上げ過ぎても君の体が保たない可能性もあるから、一つずつ行こうか。最初に君に教えるのは――『魔装』だよ』

 突然と過去へと飛ばされた卓斗は、限界値を上げる為に過去のイヴリースから知識を得る為に修行を始める。一刻も早く元の時代に戻って、仲間を助ける為に。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

朝起きたら女体化してました

たいが
恋愛
主人公の早乙女駿、朝起きると体が... ⚠誤字脱字等、めちゃくちゃあります

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

タイムワープ艦隊2024

山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。 この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

処理中です...