あるある設定な異世界に転移しましたが、俺は普通に生きようと思います。

宮野愛理

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もう駄目※

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 駄目かも、なんて思ったのにまだまだ続くなんて思わないじゃないですか。
 お湯を溜めてた湯船に二人でちゃぽーんと入ってさ、セルトさんの相棒は相変わらず元気いっぱいだったけどそれはそれとしてイチャイチャしてね。俺は元気いっぱいになる元気なんてなかったから、まったりとね。……うん。このまま良い感じにイチャイチャして終わるかなって、思うじゃないですか。

『ダミアンさんんんんんんっ!!』

 ポカポカ状態でお風呂から出たらベッドサイドにトレイが置かれててさ、水差しと果物の他にあの小瓶が置かれてるとかさ……つまりヤれと? 出来る執事が有能過ぎて辛い。しかもシーツの換えまで畳んで置いてくれてるとか、さぁ思う存分にスケベしなさいってこと?! って、そう言えば前回の時ってセルトさんどうしてたんだろ。

「場所は知ってるから勝手に持ち出したし、汚れ物は洗い場の籠に出しておいたな」
『……勝手知ったるなんとやら、ですか』

 執事さんの他、もちろんメイドさんだっているこのお城だけど、やれることはやりましょう精神というか教育があったらしい。いつどうなるかわからないからっていう理由で。なので兄貴も、あんなに偉そうにしてるけどやろうと思えばちゃんと色々出来るんだって。むしろ俺のほうがお客様対応で、なんにも出来ないかも……

「これから覚えていけば良い。あぁでも……」
『でも? 何かありましたか?』
「ケントがどこに所属するかで変わるかもしれない。王弟としてならここだし、その……俺の配偶となるなら実家になる」
『へ?』

 ちょっと照れながら言われた爆弾発言に、飲もうとしていたお水がダバッと口から垂れた。それすら拭いてもらうとか、俺ほんとに大丈夫かな。じゃなくて!

『はいぐう?』
「最近は寄宿舎で過ごすほうが多かったが、結婚するとなれば家に戻ったほうが良いだろう? 寄宿舎は基本的に独身者しか住んでいないから……」
『結婚……するんですか?』

 誰と誰が? なんて、そんなの俺とセルトさんがって話だよね。カーライルさんは王配としてこのお城に住むだろうなっていうのはわかる。兄貴が王様だからね。他にお家を持つってことも、なくはないだろうけど可能性は低い。
 で、俺。まだ世界的にはご挨拶をしていないから、王弟として生きても良いしセルトさんの配偶者として生きても良い。もちろん、セルトさんの実家じゃなくて別にお家を持つでも良いって……というか、二人っきりが良いからそれも良いなって自己完結されちゃった。

『気が早いですね』

 そう言ってしまった俺は悪くないと思う。いやだってさ、日本に暮らしていたら十八で結婚なんて「早いね~」って思うじゃん。こっちでは成人とはいえ、まだまだ若いのは間違いない。でもそのくらいで結婚する人も多いんだって言われて、俺は目が点になった。

「番と出会ってしまうと、どうしてもお互いの繋がりを強くしたくなる。その方法の一つが結婚で……いや、まだ早いというならケントの意見も尊重したい」

 兄貴たちはまだしていないけどね。二年のロスの他、あの頃だとセルトさんが未成年で「あいつが成人してから」なんて意見もあったらしい。ぶっちゃけ暗殺とか、色々な考えも絡んでたんだろうけどさ。そのお陰で兄貴の結婚式に参加出来るから、ラッキーではあるのかも?

(兄貴、ウェディングドレス着るのかな?)

 なんて考えてみたらちょっと視界の暴力だった。ごめんね、燕尾服くらいにしといてください。ドレスは華奢な受けちゃんが着るのが良い。兄貴、結構ゴツいんだ。カーライルさんと並ぶと華奢だけどね。

「まぁカーライルと陛下の結婚が先で、そちらは早くても半年後とかになるだろう。父上もまだ後処理で帰ってこないから」
『……焦らせないでくださいよ』
「俺は明日でも構わない」

 チュッと音を立てて俺の手にキスをくれるセルトさん。そういえば、こっちには指輪の交換とかあるのかな? そのあたりはレフカさんに聞いてみようか。そんな風に意識を飛ばそうとしてるのに、セルトさんがチュッチュって……あの、お風呂で散々しましたよね。え? ダミアンさんが準備してくれたから使わないと悪い? 悪くはないと思いますよ??

「結婚の他にも、お互いが繋がる手段があるよな?」
『親父ギャグですか……さっきのじゃ足りませんでした?』
「いつでも足りない。ケントが欲しい」

 甘いよぉ……でもそう言われて喜ぶ俺もいるんだよ。おあつらえ向きに少し暗くなってきたし。ただ体が保たないのは間違いないので、俺がイッたら終わりにして欲しいとだけお願いした。一応頷いてくれたけど、なんか悪い顔してた気がするのは俺の気のせい?


『も、らめ……終わり、おわりぃ……』
「ケント、まだイッてはいないだろう?」
『ひぅっ! それ、そこで話しちゃだめぇ!!』

 気のせいじゃなかった。BLお約束のおちんちんの根元縛りで物理的にイケなくされて、その状態でパックンされてる。ついでにお尻にも指が入っていて、聞くに堪えない音が……逃げようにもいつものようにあの香りがしていて動きが緩慢になるし、セルトさんにされること全てが気持ち良いに変換される。
 半泣き状態で言える言葉なんて「駄目」「無理」「終わり」なのに、それを言うとどんどん責め苦が酷くなる悪循環。

『きもち、いぃ……いいからっ! しぇるとさぁ……んん!!』

 ならばちゃんと伝えれば良いと思ってそう言ったのに、それでも酷くされる。いや、本当に酷くはされていない……のかな。わかんない。痛くはない。痛くはないけど、出せない苦しさで辛い。前回見つけられてる前立腺を執拗に押されて、ちんちんは舌で、腔内で、嬲られて……いや、やっぱり酷いな。片手でない胸をまさぐられて、ポチッと控えめに存在してた乳首が赤くなるまで弄られてるし。

『ぅんっ……ん……ぁ……あ――――っ!』

 多分、イッた。出てないけどイッた。だってフワフワしてるもん。全身の血流がドクドクしていてマラソンした後みたいな感じ。それで頭はボーッとしてる。ヒューヒューと聞こえる自分の息が遠くて、とりあえず大きく息を吸って吐いてと繰り返していたら力の入らない体をくるっとひっくり返された。

『……ふぇ?』

 枕に顔を押し付けた状態で、ぐにゃぐにゃに砕けた腰を持ち上げられる。ハテナマークが大行進をしてる頭で次の流れを考えていたら、熱くて丸いモノがお尻に……

『おわ……終わり…………俺、イッた……』
「でも出てはいないだろう?」

 いや、出てないのはセルトさんが紐を結んだからじゃん? あんまり締めてると精子が逆流して大変なことになるって知ってる? 我慢って良くないんだよ??

「次は出しても良いから」
『え、や……ちょっと、待っ…………ッッッ!!』

 シュルッと紐を外されたと同時に、熱いモノがお尻を割り開いてきて……「待って」も「駄目」も「気持ち良い」も、全部枕に吸い込まれた。
 俺、本当にもう駄目かも。
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