あるある設定な異世界に転移しましたが、俺は普通に生きようと思います。

宮野愛理

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危険なお風呂タイム※

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 兄貴を抱き上げたカーライルさんの動きは速かった。ジュードさんとレフカさんは慣れているのか、ダミアンさんの淹れてくれたお茶を優雅に飲んでる。俺? 俺はセルトさんに抱っこされたまんま、同じく部屋を出ることになりました。そんな俺にジュードさんは〝シッシッ〟て感じで手を振ってくれて、レフカさんは苦笑気味に〝ばいばい〟って…………

(やっぱりそういうことですかね?)

 いやわかるんだよ? 両想いになってからの、ね? そういうアレコレが待ち受けているのは……わかるんだけど、ほらまだお日様が出てる時間なのでちょっと遠慮したいかなって、思ってる俺を尻目にセルトさんの大股歩きで速攻お部屋に到着しちゃう。

『あ、の……セルトさん?! えっとその……んっ』

 あ、これは駄目ですね。ちょっと待ってと言う間もなく、お口とお口がくっついちゃった。いやでもここで口を開けたら濃厚チューでなし崩しになるから、断固として口は開けませんよ。開けません。開け……顎、こしょこしょするのは止めてください。

「怒っているのか?」
『っ、はぁ……なんでです?』
「ケントに、気持ちをちゃんと伝えていなかったから……」
『そこはもう良いですよ。俺だって〝言ってもわからないだろうし〟って伝えるのを放棄していましたから。……出来る限り、ちゃんと伝えましょうね。これからは」

 どちらかと言うと、俺が手綱を持たないとならないかなって感じだけど。そこは言わなくても良いだろう。

「これから……」
『はい。これからは、ちゃんと言いましょう。言葉も通じるようになりましたしね』
「……したい」

 未来に向けて「離れませんよー」って意味が通じたらしく、ちょっと気持ちが上向いたようなセルトさんだったけど次に言った言葉がダイレクト! いやまぁしたいんでしょうね、お腹に当たってるアレがアレな状態ですもんね!!

『それは駄目です』
「なぜ? カーライルたちも今頃は……」
『わー!! 言わないでください! 兄貴のそういうのはちょっと生々しいので!!』

 そりゃそういう状況だろうなってわかってるよ。俺が向こうでのことを暴露したから、きっとお仕置きセッ! ……の最中だと思いますよ。でも駄目。そういうのは秘め事なので言っちゃ駄目。

「とは言っても、匂いでわかるからな」
『あー……』
 
 そういう意味では、獣人さんってフルオープンなんだった。なんてこと。でも「だから良いだろう」は駄目です。良くないです。

『まだ明るいし……あと、お風呂も入ってない……し…………駄目です』
「なら入るか?」
『ふぇ?! え、だって……トゥリスでは嫌がってたじゃないですか』
「あの時はケントの裸を見て自分を抑えられるとは思わなかったからな。今は抑えなくても良いだろう?」

 むしろ俺のほうが意識しちゃって駄目なんですけど?! なんて言葉はセルトさんを喜ばせるだけで、またしても俵抱きにされて脱衣所に押し込められた。あ、ここはね俺の部屋に備え付けられてるお風呂っていうかシャワールーム。大浴場よりは狭いけど、湯船もあるしトイレも別の安心設計……じゃないよ!

『あばばば……!』
「そんなに照れなくても良いだろう」
『だって! セ、セルトさん……おっきくしすぎなんですもん!』

 開き直りすぎだよ。惜しげも無く肉体美を晒して、ついでにあそこがアレな状態で堂々としてるなんて……日本人には刺激が強すぎる。なんとか逃げようとしたけど俺の服もポポイッと脱がされて、そのままお湯を被らされてしまった。逃げられない。いや、背後から抱きしめられてるから逃げようもないんだけどさ。

(当たってますよー)

 というか当ててるんでしょうね。クツクツと笑いながら石けんを手に取って素手で洗ってくるし。俺がどうにかして淫靡な路線から方向転換させようと思っても、セルトさんのが一枚も二枚も上手だった。ぴったりくっつきながら無い胸を執拗に洗ってくるし、逃げようと腰を捻ればセルトさんの相棒に腰やお尻を押し付けることになる。

「……反応してきた」
『ん、んッ……だってぇ……セルトさんがエッチな動きする、あぅっ、ン』

 お湯が肌を流れる感触にもビクビクしていると、俺の相棒がバッチリ反応してしまった。そこをヌルヌルの手で包まれるとか、酷い。気持ちよくて辛い。恥ずかしい声が漏れそうで口を両手で押さえると、セルトさんの動きを止めることなんて出来なくなる。

『あっ、ふぅ……だめ、せるとさ……んっ、ん』

 身長差なんてなんのそので、俺の足の間にセルトさんの大きくなった相棒が差し込まれた。前は相変わらずヌルヌルのまま擦られていて、後ろからはセルトさんの熱いモノが……前にも後ろにも逃げられなくて、逆にセルトさんの動きを助けるようにお尻が動いてしまう。そのたびに割れ目から玉までが擦れる。

「は、ぁ……ケント、揺れてる」
『セルトさんのせぃい……あッ、おしり、駄目。入れな……ふぅうっ』

 酷い。酷い。なんの準備もしていない状態で、前後に揺する時に穴に引っかけるようにして動かしてくるとか酷い。でも一番酷いのは、それにキュンキュンしちゃってる俺かもしれない。

『駄目、だめ……っ』
「あぁ……それは、後でな」

 首を振って快楽を逃がしている俺に気付いているのに、そう言ったセルトさんが両手で腰を掴んだ。そのまま、さっきの動きなんて目じゃない勢いで前後に揺すられる。ぱちゅ、ぱちんって音がシャワーの音に紛れて聞こえてくるくらいで、俺は崩れ落ちないように立ってるのがやっとだった。

『あっや……は、ぁ……あ……』
「ケント。好きだ……愛してる……」
『っ?! あ、ぁ~~~~!!』

 ただ一言、好きって言われただけで上り詰めた。全身が硬直して、ドクドクと聞こえる鼓動とちんちんが連動する。足にも力が入りまくったみたいで、一拍置いてからセルトさんからも「くっ」と殺した息が聞こえる。
 温かいものが足を伝っていくのにも体が震えて、俺、もう駄目かもしれない。
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