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誤動作です!※

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 ――暑い。いや、熱い。湯たんぽに全身を包まれているみたいな、お日様の匂いのする掛け布団にのし掛かられているような……そこから逃げようとすると、蔦に絡まれて逃げられない。モゾモゾと逃げようとして逃げ切れなくて、もがいて、あらがって、なんとか息の出来るところで大きく息を吸って――

『あつぅ……』

 暑すぎて目が覚めた。確かに寝る前には頭から布団を被っていたけど、でもそれはその時だけだろう。寝てる間に掛け布団を足蹴にして、お腹出して寝てて風邪を引くなんて誰しも経験あるよね。俺だけじゃないはず。

(そりゃ暑い訳だよ……)

 だって今、セルトさんの腕の中だもん。ご丁寧に頭の下にもセルトさんの腕があるから、筋肉質な腕と腕に挟まれてたもん。目の前には胸筋。……うん、おっぱいだけどおっぱいじゃない。解釈違いですね。
 セルトさんもこんなんじゃ暑いんじゃないかな? って思ったけど、めっちゃ健やかに寝ていらっしゃいました。良いけどさ。でも俺が腕の中から出ようとすると眉間に皺を寄せるの止めて。

(しかも……なんか…………)

 薄いシナモンみたいな香りが、セルトさんから漂ってくる。はっきりとした匂いじゃなくて、強いて言うならシナモンかな? くらいのかすかな香り。日中にセルトさんへ抱きついた時は感じなかったのに。寝る前に香水つけたのかな? なんで? どっかの女優さんでそんな人いなかったっけ??
 この匂い嫌いではない。むしろ好き、なんだけど……

(ムラムラしてきた……!!)

 困ったことに、俺の相棒が誤動作を起こし始めている。落ち着こうと深呼吸をすれば、その香りをたっぷり嗅いでしまう悪循環。息を止める? いやでもそれだって無理があるよね? 死ぬし!!
 出来ることとすれば、このセルトさんの包囲網から逃れること!!

「行くな……っ」

 そっと腕を持ち上げようとすると、そんな哀切こもった言葉と共に抱きしめられた。セルトさん、寝ぼけてますね? 誰かと間違ってますよ。そんなにしっかりと抱きしめないで。貴方の(多分)太ももに、俺の相棒がごっつんこ……いやマジでヤバいって。思わず擦りつけたくなるくらい気持ち良いってダメダメ離れて危険危険。

『誤動作がぁあ……』
「……ケント? どうした?」

 セルトさん起きちゃったよぉおおおお!!

「…………」
『え? やっ?!』

 多分、寝起きの頭でも理解はしてくれたと思うんだ。俺の相棒がちょっとビッグになって、自分に当たっちゃってるの……だからってそれをパンツ越しにそっと握らないで欲しいんだけど! 相棒が明らかに期待しちゃってていやもう相棒っていうか裏切り者だよ、ちんちん痛い!!

『ひっ、や、セルトさん……駄目……』
「これでずっとソワソワしていたのか……一度出したほうが眠れるだろう」
『何言ってるのかわかんないけど、駄目ぇ! そ、そこ、駄目、気持ちいいのダメっ』

 改めて離れようとするのに、ちんちんを握られているせいで思い切り腰を引くことが出来ない。中途半端な動きをすればするほど、それはそのままセルトさんの手にちんちんを擦りつける動きになる。
 しかもそれが恐ろしく気持ち良いの。なにこれ。
 声を殺して喘ぐ俺をどう思ったのか、セルトさんの唇が俺のそれを塞いだ。そのまま前に「ちょっと気持ちいいな」と思っていたところを重点的に舐められる。勿論、ベロもジュプジュプと上下に吸われて、「あ、これピストン運動だったんだ」って理解しました。もうやめて、ちんちん暴発しそう。

「は、ぁ……やだ、セルトさん……」
「気持ちいいんだろう? 我慢することはない」
「……パンツ…………汚しちゃうの、で」

 あと、言わないでおこうか迷ったんだけどセルトさんの相棒も誤動作起こしていない?! めっちゃお腹に触れてるんですよね。熱くて太い棒状の物が!! というかわかってましたけど、普通に大きくないですか? 大きいですよね? ゴリゴリ当たってますよ??

「……」
「あの、トイレ行かせて貰れば治りっ、ぁん!」

 パンツの中に手が入ってきたー! 直で触られる快感やばいー!!
 そのままポロンとパンツの外に出されて、セルトさんの手のひらに全部を包まれ……と思ったら何故か布団を剥がされました。なんで俺のちんちん見てるの?

「こども……?」
「日本人の約七割は仮性包茎なのでこれデフォルトですからね! そういうセルトさんはどうなんですか!! っ、えい!! ………………って、え、デカ」

 月明かりの下に浮かび上がる巨塔。俺の倍、くらいある。思わず手を伸ばして先っちょをツンツンしたら、ぷくっとカウパーが滲んできた。おぉ凄い。こんなにサイズが違っても反応は同じなんだ……ってそりゃそうか。好奇心のまま、セルトさんの相棒をきゅっと軽く握ると、頭上から「くっ」と息を呑む音が聞こえた。

(面白い、かも)

 そう思ってしまったのが運の尽き。
 ここ気持ちいいよな~と思うところ(カリと裏筋の境目とか)をクリクリと弄れば、セルトさんもお返しとばかりに皮に隠れていた先っちょをむき出しにさせて、敏感なところを親指でグリグリ。普段は隠れているところだから刺激が強すぎるんだけど、あのシナモンみたいな香りがするとその痛みも快感に変わっていく。

「ケント、一緒に握れるか?」
「ん? こう??」
「そう……そのまま、握っていてくれ」
「へ? あ、ひゃっ……! ちょ、ちょっと……!!」

 セルトさんの相棒ごととなると両手で握りこむようになる。その状態で、セルトさんが腰を突き上げてきた。裏筋と裏筋が擦られるだけじゃなく、その、あの、玉と玉が当たるのが……

(これは色々とヤバい!!)

 いつの間にか俺の両足は広げられていて、その間にセルトさんの体があるせいで足を閉じることが出来ない。その状態で突き上げ……ってもうそれ疑似セックス!! 素股と一緒に、漫画でよくあるやつ!!
 突き上げによって上に持ち上がる俺の腰を掴まれて、そのままガツガツと揺さぶられる。

「あ、あ、ふぅ……だめ……っ!」
「出すぞ……!」
「や、ぁっ……あ、あ…………あーー!!!!」

 野宿生活でオナ禁していたせいか、出る量がちょっとヤバかった。そんで滅茶苦茶気持ちが良かった。でもそれよりもたっぷり出ているセルトさんの……どんだけ出るの? お腹、びしゃびしゃですよ?

「すまん……」

 途中で我慢するのはちんちん痛くなるからね。出る分は出し切ったほうが良いんだけどね。すごい……異世界の獣人さんってすごい。そう思いながら中に残った分も押し出してあげると、またしてもムクっとセルトさんの相棒が動いた。

「……」
「…………まだ、出ます?」
「いや、大丈夫だ」

 大丈夫って言いながらも大丈夫じゃなさそうだけど……かといって俺ももう付き合えない。めっちゃ疲れた。めっちゃ眠い。

「片付けは俺がしておくから、もう休め」
「……んぅ、すみませ…………おやすみなさ、い……」
「あぁ、おやすみ」

 おでこにチュッと貰ったのを最後に、俺は襲い来る睡魔に身を任せた。
 俺のお腹に零れた精液を、セルトさんが塗り込んでいたことにも気付かずに……
 
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