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春はここでも恋の季節?
⑯
しおりを挟むそれからもなんやかんやと引き止められてしまい、家に戻って来る時には日が暮れてしまった。
レオニダスとデーメルに世間話を振られたから答えただけなのに、何故そこまで騒ぐのか。
……いや、本当は薄々わかっている。俺の童顔が理由だ。
実際にデーメルには「精々が私と同じくらいかと……」と呆然とされたのだ。
そう言った当人の年齢は二十八歳、シギとの年齢差の方が近い。
西洋人はアジア系の年齢を下に見積もると聞いたことがあるが、十歳も下に見られたって何も面白くない。
「しかも年齢差で諦めさせようとしたのに無理だったし……」
求婚なんてしてきたレオニダスとの年齢差は、なんと十六歳である。
俺が高校生の時に生まれたとか……恐ろしい話だ。
なのに諦めるどころか、「包容力のある年上の人は素敵です!」と言われてしまった。嬉しくない。
これはアレだ。
若い青年が人妻に抗えない魅力を感じるのと同じなのかもしれない。
――……でも対象が俺だ。まず人妻になった覚えがないので、納得しようがなかった。
「チビ、美味いか? ……あぁ、ほら、垂れてる。気をつけろよ」
コクコクと頷くチビは、一心不乱にプオゴを貪っていた。
因みに全裸である。
果汁が垂れてベタベタになるから、家で食べさせる時にはスッポンポンにしているのだ。
ちゃんと盥にぬるま湯も用意してあるので、そのまま沐浴もさせてしまおう。
「さて。そしたらこれか……美味いんだろうか」
手の中には貰った魔力回復薬。
元々が魔力なしなので、飲む量は本当に一口で良いらしい。
直接口を付けると保管後の状態に不安が残る為、チビ用のカップにちょっとだけ移してみる。
色は茶色、匂いは甘く、ドロっとしている。
矯めつ眇めつ確認していると、沐浴を終えたチビが体を拭っていた布を差し出してきた。
その視線が言っている――「早く飲め」と。
息を止めながら一気に、カップの中の液体を飲み込んだ。
味は……不味くはないが、物凄く喉が渇く味だった。子供用の咳止めシロップだ、これ。
この味なら毎日飲んでも大丈夫かもしれない。
「――んぐ、ぅ、っ!」
そう安堵した途端、心臓がバクッと嫌な音を立てた。
苦しい。
掻きむしるように晒を外したが、それでも息苦しさは消えない。
ヒューヒューと掠れた声が聞こえ、まさかこのまま死ぬのかと不安になる。
しかし、こっちの気持ちなどお構いなしなチビに胸を叩かれた。
「ひっ!? ……え、嘘だろ……――うぅ、ぁ……んっ!」
チビが叩いた所から痺れるような疼きを感じる。
ヨヨ茶で乳首が敏感になるのにはなんとか慣れたと思ったが、今度は胸全体がビリビリと疼く。
しかも、その疼きが背筋を伝い、腰のあたりを痺れさせた。
「や、チビ……早く……――んん、もっと……――ッ!!」
尋常じゃない快楽に、胸にチビを抱いたまま横倒しになってしまう。
なんとか潰さないように仰向けに寝転がることが出来たが、このままでは乳を吸おうとしているチビを絞め殺してしまうかもしれない。
そのくらい、自分で自分が自制できない。
「あ、あー……や、もっと、すって! ……苦しい―――ぁん!」
いつも以上におかしな声が聞こえる。
自分の声だと思いたくもない。
両手で口を塞ぎ胸元を見ると、悪趣味なエロ動画のような光景が広がっていた。違う意味で意識が遠のきそうになる、というか今まさに遠のきたい。
乳首からピュッピュッと間欠泉のように乳が飛んでいる。
チビが片方の乳首をチュウチュウと吸うのだが、吸われていない片方からは同じリズムで乳が飛んでいたのだ。
嘘だろう。
ヨヨ茶でもここまでになったことがない。
「ふぅー……うぅー……あっ、やだ……もう――むり、無理だ、触る、なあぁ!?」
信じられないくらい気持ちが良い。
そして腰の疼きはダイレクトに股間へと直結する。
端的に言えば、あらぬ所が勃起した。
それをどうにかしたいが、隠そうにもうまく体が動かない。
どうしようどうしようと思うのに、チビが乳を吸えば吸う程欲求が高まる。出したい。
乳かアレか、どっちを出したいのかわからなくなった時――チビが思い切り乳首を吸い上げた。ついでにもう片方を抓りあげるという鬼の所業だ。
視界の明滅と共に下着が濡れる感触がして……そのままブツンと意識が途切れた。
――……どこかで「もうすこし」と誰かの声が聞こえた気がした。
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