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異世界の端っこでウ○コと叫ぶ
①
しおりを挟む――――気づいたら森の中。
ハラ、いてぇ。
目が覚めて、なんで地面に寝っ転がってるんだ?と自問自答しかけた途端の激痛。
起き上がれもせず、だからと言って転がる訳にもいかずに、ただただ腹を抱えて悶え苦しんだ。
こんな痛みにのたうち回るくらいなら、なんでこのタイミングで目が覚めたんだ自分。
痛い。
痛い痛い痛い。
痛い痛い痛いいたいイタイ――――いてぇっつってんだろうがこのヤロウ!!
汗が出る。
手が震える。
息が苦しい。
なのに、頑張って息を吸っても吐いても苦しい。
なんだこれ。
どうにもならない。
俺、そんなに便秘だったのか?
どんだけ糞詰まってんだ?
これ、出す時に切れるヤツじゃねぇか?
おいおい。イボがあるから切れやすいんだよ! 切れたら二重苦だぞ!? 痔瘻になったらどうしてくれるんだバカヤロウ!!
「お、おい! あんちゃんどうしたよ!? ……こんなトコで寝てたら轢かれるぞ?」
どうやら道のド真ん中でぶっ倒れていたらしい。
いやはやスンマセン退きたいのは山々なんですがどうにも動けないんで避けて通ってくださいよ。
脱糞する野郎なんて見たくないでしょうし見せたくもねーから、どーぞどーぞ捨て置いてってくれ。
あぁ捨て置く前に、どっか木陰にでも退かして頂けると有り難い。
「……こりゃ産気づいてんな。おい、意識飛ばすなよ!?」
「は……?」
「荷車に乗っけるけど痛くても我慢しろよ!」
これ、俺こと大村 尚志(当時三十ニ歳)が、この世界に飛ばされた時の最初の記憶。
そのまんま近くの村に連れて行かれて、その村唯一の宿屋に寝かされ、その宿の女将さん含む経産婦が駆け込んできて……――まぁ助かった。
やっとウ○コ出た!
そんな開放感に包まれたら、ウ○コのあたりから「ほぇぁああーー……」なんて気の抜けた音が聞こえて、女将さんの「男の子だよ!」って声に漸く意識を飛ばすことが出来たんだ。
……気を失った理由の一つは、痛みで血圧がガンガンに上がってたところに、出した開放感で血圧が一気に下がったせいもあるだろうけど。
――――――――――
お久しぶりです。宮野です。
こちらは2019年(!)にムーンライトノベルズさんで連載をしていたお話です。
なんと未完。(え?)
これを機に完結まで書き上げたい! と、一念発起で転載を始めてしまいました。
素敵な表紙絵も描いていただいたのでガソリンは満タンです!
頑張ります!!💪
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