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第六話
しおりを挟む「まぁ気になるならボーイズラブの漫画でも読んでみたら? 女の子向けならそこまでハードなやつはないだろうし……間違ってもゲイ向けとか、ケモナーとか、そういうのは探すなよ」
「ケモ……?」
松本の布石に気付かない佐藤は、その夜あやふやな知識のままインターネットで検索をしたことを後悔した。
(めちゃくちゃエッチなやつじゃないか……松本!)
鈴木とて男だ。今までにもそういった動画を見たことはある。女性には性的な反応をしなかったから、松本の言っていたゲイ向けにも目を通したことがある。その時は「ふぅん?」としか思わなかった……のに。
(自覚しちゃうと、そっか……そういうことか……)
男だから自分は挿入する側だと思っていた。動画もその視点で見ていた。だから、反応が薄かったのだ。
別に女性になりたいわけではない。自分自身は男であると自認しているし、女装願望もない。でもそれとは別にある願望と欲望。
見たのは狼の獣人――ハロウィーンで見るような耳や尻尾だけのコスプレではなく、フレイウェルで見るような動物がそのまま人間体になったような姿――と人間女性がセックスをしている漫画。いや、イラストに近いかもしれない。前と最中といった光景を切り取ったそれを見た時、佐藤の局部が大きく反応した。
無意識にごくりと喉が鳴る。
現実的ではないことはわかっているし、だからこそのイラストや漫画なのだろう。逆に興味本位で見たリアルな獣姦画像には嫌悪感しか出なかった。
(うわぁ……)
人間が挿入する側で獣人がされる側というのも見てみたが、そちらにも興味は湧かなかった。
だからわかってしまう。
(俺、ブライクさんにこうされたいんだ……)
端的に言えば愛されたい。今までにも頭を撫でてもらったりはしていたし、そういう時にホッコリと嬉しい気持ちにもなった。でもその先で、この女性のように愛してもらいたい。
男同士のセックスがどこに挿入するかは知っている。たぶん、このパソコンで調べれば詳しい方法も出てくるだろう。まだそこまでの勇気はないのに、腹の奥がずくりと疼いた。
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