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1話 秘密軍事兵器開発局
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精霊戦争、300年にも渡るこの戦争の影響は、この戦争の原因はなんだったのか、いつ終戦するのか、終わりの見えない戦いに大陸に住む人々を巻き込んでいた。
ヘリの駆動音が鳴り響く機内で武装した兵士たちが待機していた。彼らの任務は帝国の軍事施設に潜入しそこにある新型兵器の情報を入手し破壊することである。極めて危険度の高い任務である事を物語るように機内の兵士達は静かだ、その中で一人タバコを吸っている兵士がいる。
「大尉、ここは禁煙だぞ!」
中隊長が部下のゲイル大尉に警告する。
「分かっておりますよ中佐、ですが俺は今日死ぬかもしれない。」
そう言いつつタバコの煙を吐き出す、そうして顔を中佐に向ける。
「最後の一服大目にみてくださいよ。」
そう肩をすくめる彼は部隊でも古参のゲイル大尉、今年で37歳になるベテラン兵士だ。部隊でも馴染みの大尉の言葉に中佐は呆れつつも黙認する。本来であれば許されない行動であるが、ゲイル大尉の言った通りこの部隊のこなす任務はいつも危険度が高い、死傷者の多い戦争でも屈指の地獄だ。成果さえ上げれば目を瞑ることがあった。そうでなければ3世紀に渡るこんなふざけた戦争なぞやってられない。
中佐が部隊員全員に声をかける。
「目的地までそろそろだ。いいか我々の目的は敵の新型兵器の情報の入手、そして破壊だ。目撃者は全て抹殺する。」
全員、声は出さないが中佐の言葉に真剣に耳を傾ける。ゲイル大尉もタバコを足て踏みつけながら特殊部隊用の防護マスクをつける。もうじき戦闘が始まるからだ。
「目的地まで、あと3分!」
ヘリのパイロットから声がかり部隊の全員が立ち上がる。ゲイル大尉も武装を確認し、降下準備を整える。
ヘリが着地する音が聞こえ機内が振動する、扉が開き特殊部隊が一斉に飛び出す。この施設の入り口は3箇所、部隊を分けそれぞれの入り口から突入する。ゲイル大尉の率いるα部隊は西門から潜入する予定となっている静かに部隊員とともに進む。
ゲイル大尉が手を挙げ後ろの部下を制止する、部下達はそれぞれの背中に手を置き一列に待機する。最後尾の兵士が銃を構え後ろを警戒している。
「前方に2人、高台に1人」
大尉がそう告げると隊員達は照準を合わせ大尉が発砲すると同時に一斉に撃つ。
3人の敵は倒れ、高台にいた兵士は落ちていった。
「クリア」
そう告げると部隊は先に進む、敵兵士の遺体を隠し予定ポイントに到達すると門の前に2人の兵士が立っている。
「こちらα部隊、予定ポイントに到着した。」
「よし、そのまま待機しろ。」
周囲を警戒していると突然大きな咆哮が聞こえた。
「なんだ?!」
まるで獣の断末魔のような、金属が激しく擦り合うよう音が聞こえてきた。
すると門番の敵兵士が愚痴を漏らす。
「またかよ、これで何度目だ。」
「さあな、もううんざりだ。」
「中で一体何やってんだ?」
「知らない方がいい、お偉いさんの考えなんてな」
大尉はその会話を聞いて施設に目を向ける。
中で一体何が…
すると中佐から無線が届く。
「全部隊、配置完了。これより突入を開始せよ。」
「了解」
ゲイル大尉は部下に合図を送り、門番を排除する。そして門の側に寄り中の様子を伺う、どうやら敵は居ないようだ。
部隊は突入し施設内部を探って行く。
施設内部を探って行くとどうやら機械より生物に関するものが多い。大きなガラス張りの円柱型のフラスコのような物の中に胎児らしきものが見える。その他には義手と思わしき物が浮かんでいた。
「帝国はここで一体何の研究をしていたんだ?」
奥へ進むと巨大な金庫の扉があった。横にある入力盤に部下がハッキングを行い扉を開けようとする、大尉と他の部下は扉内部と周囲への警戒を行う。
扉の錠が動きゆっくりと開いて行く、大尉は内部を探索して行くとそこには4つの巨大なカプセルがあった。それぞれのカプセルには漢字で、「一」「二」「三」「四」と書かれている、「一」と「二」と書かれているカプセルはすでに開いていた、中には何も無く「四」と書かれているものには脳髄が浮かんでいた。それを見て思わず部下が言葉を漏らす。
「君が悪いな。」
ゲイル大尉は同意する、全く帝国はいい趣味をしていると。
「そうだな、どうやらまともな施設じゃなさそうだ。」
そして横の「三」と書かれているカプセルを見ると、その中には12歳ほどの子供が入っていた。
「子供?!どうして…」
「いかがしますか?大尉?」
部下の問いに、そうだな…と答えようとすると。
遠くから銃声が響く叫び声や爆発音が聞こえてきた。
「連れて行くぞ!撤退だ。」
すぐさま、部下に指示を飛ばす。
「しかし!、任務は…」
声をかける部下を無視して中佐に無線を繋げる。
「中佐、こちらα部隊、施設内部にて重要な証拠を手に入れた。これより帰投する。」
「証拠だと、一体それは…」
中佐が喋り終わる前に切る。どうも嫌な予感がする、これまでの兵士生活の中で俺の予感はよく当たる。
カプセルの横にあるボタンを乱雑に連打する、すると「三」のカプセルが開き、中の子供が出てくる。子供を抱えるとすぐに撤退に入る。
「良し!行くぞ……」
そう部下に声をかけ、金庫から出て施設を脱出する途中で、金庫の外にある施錠された扉が吹き飛ぶ。
部隊は全員銃を構え、いつでも発砲出来る様にする。扉から大きな手がゆっくりと出て壁に手を置く。そして鎧に身を包まれた人…の様なものが姿を現した。
人の様なものと表現したのは、その姿が異様だったからだ。全長は2メートル以上、侍の鎧に全身を武装した機械人形の様なものが、こちらをじっと見ている。
そして大きな咆哮をこちらに向けて響かせた。
ヘリの駆動音が鳴り響く機内で武装した兵士たちが待機していた。彼らの任務は帝国の軍事施設に潜入しそこにある新型兵器の情報を入手し破壊することである。極めて危険度の高い任務である事を物語るように機内の兵士達は静かだ、その中で一人タバコを吸っている兵士がいる。
「大尉、ここは禁煙だぞ!」
中隊長が部下のゲイル大尉に警告する。
「分かっておりますよ中佐、ですが俺は今日死ぬかもしれない。」
そう言いつつタバコの煙を吐き出す、そうして顔を中佐に向ける。
「最後の一服大目にみてくださいよ。」
そう肩をすくめる彼は部隊でも古参のゲイル大尉、今年で37歳になるベテラン兵士だ。部隊でも馴染みの大尉の言葉に中佐は呆れつつも黙認する。本来であれば許されない行動であるが、ゲイル大尉の言った通りこの部隊のこなす任務はいつも危険度が高い、死傷者の多い戦争でも屈指の地獄だ。成果さえ上げれば目を瞑ることがあった。そうでなければ3世紀に渡るこんなふざけた戦争なぞやってられない。
中佐が部隊員全員に声をかける。
「目的地までそろそろだ。いいか我々の目的は敵の新型兵器の情報の入手、そして破壊だ。目撃者は全て抹殺する。」
全員、声は出さないが中佐の言葉に真剣に耳を傾ける。ゲイル大尉もタバコを足て踏みつけながら特殊部隊用の防護マスクをつける。もうじき戦闘が始まるからだ。
「目的地まで、あと3分!」
ヘリのパイロットから声がかり部隊の全員が立ち上がる。ゲイル大尉も武装を確認し、降下準備を整える。
ヘリが着地する音が聞こえ機内が振動する、扉が開き特殊部隊が一斉に飛び出す。この施設の入り口は3箇所、部隊を分けそれぞれの入り口から突入する。ゲイル大尉の率いるα部隊は西門から潜入する予定となっている静かに部隊員とともに進む。
ゲイル大尉が手を挙げ後ろの部下を制止する、部下達はそれぞれの背中に手を置き一列に待機する。最後尾の兵士が銃を構え後ろを警戒している。
「前方に2人、高台に1人」
大尉がそう告げると隊員達は照準を合わせ大尉が発砲すると同時に一斉に撃つ。
3人の敵は倒れ、高台にいた兵士は落ちていった。
「クリア」
そう告げると部隊は先に進む、敵兵士の遺体を隠し予定ポイントに到達すると門の前に2人の兵士が立っている。
「こちらα部隊、予定ポイントに到着した。」
「よし、そのまま待機しろ。」
周囲を警戒していると突然大きな咆哮が聞こえた。
「なんだ?!」
まるで獣の断末魔のような、金属が激しく擦り合うよう音が聞こえてきた。
すると門番の敵兵士が愚痴を漏らす。
「またかよ、これで何度目だ。」
「さあな、もううんざりだ。」
「中で一体何やってんだ?」
「知らない方がいい、お偉いさんの考えなんてな」
大尉はその会話を聞いて施設に目を向ける。
中で一体何が…
すると中佐から無線が届く。
「全部隊、配置完了。これより突入を開始せよ。」
「了解」
ゲイル大尉は部下に合図を送り、門番を排除する。そして門の側に寄り中の様子を伺う、どうやら敵は居ないようだ。
部隊は突入し施設内部を探って行く。
施設内部を探って行くとどうやら機械より生物に関するものが多い。大きなガラス張りの円柱型のフラスコのような物の中に胎児らしきものが見える。その他には義手と思わしき物が浮かんでいた。
「帝国はここで一体何の研究をしていたんだ?」
奥へ進むと巨大な金庫の扉があった。横にある入力盤に部下がハッキングを行い扉を開けようとする、大尉と他の部下は扉内部と周囲への警戒を行う。
扉の錠が動きゆっくりと開いて行く、大尉は内部を探索して行くとそこには4つの巨大なカプセルがあった。それぞれのカプセルには漢字で、「一」「二」「三」「四」と書かれている、「一」と「二」と書かれているカプセルはすでに開いていた、中には何も無く「四」と書かれているものには脳髄が浮かんでいた。それを見て思わず部下が言葉を漏らす。
「君が悪いな。」
ゲイル大尉は同意する、全く帝国はいい趣味をしていると。
「そうだな、どうやらまともな施設じゃなさそうだ。」
そして横の「三」と書かれているカプセルを見ると、その中には12歳ほどの子供が入っていた。
「子供?!どうして…」
「いかがしますか?大尉?」
部下の問いに、そうだな…と答えようとすると。
遠くから銃声が響く叫び声や爆発音が聞こえてきた。
「連れて行くぞ!撤退だ。」
すぐさま、部下に指示を飛ばす。
「しかし!、任務は…」
声をかける部下を無視して中佐に無線を繋げる。
「中佐、こちらα部隊、施設内部にて重要な証拠を手に入れた。これより帰投する。」
「証拠だと、一体それは…」
中佐が喋り終わる前に切る。どうも嫌な予感がする、これまでの兵士生活の中で俺の予感はよく当たる。
カプセルの横にあるボタンを乱雑に連打する、すると「三」のカプセルが開き、中の子供が出てくる。子供を抱えるとすぐに撤退に入る。
「良し!行くぞ……」
そう部下に声をかけ、金庫から出て施設を脱出する途中で、金庫の外にある施錠された扉が吹き飛ぶ。
部隊は全員銃を構え、いつでも発砲出来る様にする。扉から大きな手がゆっくりと出て壁に手を置く。そして鎧に身を包まれた人…の様なものが姿を現した。
人の様なものと表現したのは、その姿が異様だったからだ。全長は2メートル以上、侍の鎧に全身を武装した機械人形の様なものが、こちらをじっと見ている。
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