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最終章 夜に咲く花
蝦夷の冬
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松前藩が、邪魔である。箱館から近いところに新政府の拠点を置いておきたくない。榎本は松前に降伏勧告の使者を送ったが、拒絶された。それも、その使者を斬るという激烈な方法で。捨て置いては、これから樹立しようとする国家の沽券に関わる。
土方はすぐに兵を発し、七百の兵で松前を落とした。どういうわけか、戦う目的が変わった瞬間から勝ちが続いている。それは、現場の指揮官である久二郎にも言えることであった。たまたま敵が弱いということもあるだろうが、それにしても、敵を倒す手応えが違う。この松前城においても城門を開き、砲を放ち、また閉じるという妙な戦法を取る兵に対し、押し包んで攻め立てて締め上げると共に城門を破砕し、一挙に兵をなだれこませ、討つだけ討ったあと巧みに開けた囲みの一点から敵を逃がし、難なく松前を占拠することに成功した。
更に十一月になると、逃げた藩主の立て籠る別の城を落とす。旗艦船の開陽を松前の兵の見えるところに進めると戦わずして逃げ散り、ある者は投降し、松前藩の軍は消えた。
そこで、想定外の事態が起きる。最強と謳われた開陽が、風雨により座礁してしまったのだ。さらに、それを救出しようと向かった別の軍艦までも座礁し、ついには両艦ともに沈没してしまう。
土方は、制海権のことを思い、前途に眉を潜める思いであったが、榎本が平然と、船など買えばよい。と言い切ったから、心配はせぬようにした。
海軍に精通する榎本なら、この二隻を失った痛手は、いやというほど分かるであろう。しかし、戦いに負けたわけではないのだ。船がなくとも、戦える。やめるわけにはいかない。それらを全て踏まえた、一言であった。
ともかく蝦夷地からは、新政府の箱館府の兵も松前の兵もいなくなった。この地が、旧幕府軍であった者の、あらたな国土となったのである。
総裁は西洋式に入札(選挙)により、榎本に決まった。大鳥が陸軍奉行、土方はその下の、陸軍奉行並。
陸軍の者が海のことを言うのは憚られるが、と土方は前置きをした上で、榎本に、やはり船が要るのではないか、と進言した。
榎本は、心配するな。船なら、向こうからやってくる。それも、とっておきのやつが。と言った。
新政府は十一月には艦隊を編成し、青森に向けて発している。しかし、厳しい北の戦いなど知らぬから、冬の間は、攻めては来れぬ。その間に外交でもって彼らを縛り付け、春になり動き出そうとしたときにはもう手出しができぬというほどに新しい国の形を整えておけばよい。
この国を、なんと呼ぼうか。正式な国号は歴史上には存在しない。おそらく、榎本は新政府の進攻を一旦全てはね退けた上で、正式に独立を宣言するつもりであったのであろう。今はまだフランスなどに、政権の存在を認める、という内諾を得たに過ぎない。
まずは急ぎ、国の形を。そのための資金を集めるため商家から税を徴収し、箱館へ入る関にも通行税を設けた。それには、土方は断固反対した。会津はそれで潰れたようなものだ。と言う。しかし、他に何か手立てがあるかと言われれば無いから、従わざるを得なかった。
久二郎は、年が明けた明治二年の箱館の街を歩いていた。島田や山野など、古い仲間が通っている妓館で一緒に飲むことになっていた。その街路を歩くとき、ふと、一人の親子連れに眼が行った。身なりから、商人の妻子であるらしい。母の方はまだ若く、目鼻がどことなく春を思い出させたから、久二郎は、眼を細めて笑いかけてやった。母の方が気付き、慌てて頭を下げる。子にも、同じようにさせようとした。しかし、子はそれを拒絶した。
洋装の久二郎は、それでも、子に笑いかけてやった。
「ご無礼を」
と言う母に、久二郎は歩み寄った。子の眼に、明らかな怯えが浮かんだ。その怯えに強い光が宿ったかと思うと、母の前に立ち塞がり、両手を広げた。
「お母を、いじめるな」
という意味のことを、ひどい訛りで言った。久二郎は、子の前に、屈み込んでやった。
「何もせぬ。どうして、私がお前の母を、苛めたりするのだ」
「お父が言ってた。お前らは、銭を巻き上げるだけの悪者だと」
久二郎は、子がそういう意味のことを言っていると解釈した。母が蒼白な顔になり、子を引っ張り、何度も詫びた。
「よい。気にするな。我らが、あなた方商家から、返すあてのない銭を無心したことは、ほんとうなのだから」
と、ちょっと困ったように笑う久二郎に、母は警戒心を解いた。この礼儀正しく温厚で涼やかな洋装の軍人に、好感を持ったかもしれない。
「我らは、この土地を、もっと豊かにしに来たのだ。お前の父や母が、より豊かにお前を育てられるように。そのために戦いに来た。だから、少しだけ、勘弁してくれぬか」
と、子に向かって、拝むような仕草をした。子は、悪い男ではないと思い安心し、今度は人見知りが出たのか、母の影に隠れてしまった。なおも、久二郎は言う。
「お前は、私から、母を守ろうとした。それでよい。ほんとうに大切なものが何か、お前は知っているらしい。大きくなっても、それを忘れるな」
にっこりと笑ってやり、母に、
「済まぬ。見ず知らずの男が、偉そうにあなたの子に説教をした。許してくれ」
と一礼し、去ろうとした。子は、じっと久二郎を見ている。母は、やはりすこし恍惚とした表情で。去ろうとした久二郎が思い立ち、やりとりを見ていた島田の懐におもむろに手を入れると、懐紙の包みを取り出した。それを握り、親子のところへ戻る。
「干菓子だ。私が、銭を返してやることはできぬ。せめて、この子に食べさせてやってくれ。干菓子ひとつで図々しいのはよく分かるし、飢えているわけでもないのに施しをするような形になるのも、失礼であるようにも思う。しかし、どうか、我らを憎まないでほしい」
悲しそうに笑って、立ち去ろうとした久二郎を、母が呼び止めた。
「お名前を」
久二郎は名乗ろうかどうか迷ったが、関わりを持った以上名乗らぬのも失礼かと思い、立ち止まって振り返り、
「新撰隊隊長、綾瀬久二郎です」
と、くすぐったそうに言い、去った。
「ひどいじゃないですか、隊長。私の干菓子を」
妓館への道、島田が泣き声を上げた。
「いいさ。どうせ、女にやるつもりで買ったものだろう」
「しかし。なぁ、山野」
山野は、京にいた頃から美男で通っており、女に人気があった。その山野と同じ女を、島田は狙っている。島田は久二郎や山野に比べれば歳も取っているから、せめて箱館で一番と評判の菓子屋で人気の干菓子を求め、懐に忍ばせていたのだ。
「では俺が、お前の好きな女にいきさつを述べ、謝ってやる。お前が一途に想っていることを、説明してやる。それで、あいこだ」
と久二郎が言うと、島田は笑いだし、
「それじゃあ、隊長の株が上がるだけだ。なぁ、山野」
山野も笑って、
「そうですよ。それは、ずるい。街で隊長を見る女が、皆どのような顔をして隊長の背を見送っているのか、知らぬのですか」
久二郎は、きょとんとした。
「なんだ、それは」
「参った。この人の頭には、春さんのことしかないらしい」
久二郎は、あいまいに笑った。叫び出したいほどに、会いたい。抱きたい。しかし、この軍服に身を包んでいる以上、それを口にしてはならぬような気もしている。
国が出来れば、久二郎は軍を、そして新撰組を辞めるつもりでいた。ただの男となり、京から春を呼び寄せ、二人で、この国で暮らすのだ。春は、この寒さに、びっくりするであろう。風邪など引かぬよう、気をつけてやらねばなるまい。
まずは、国を。それが成るまでは、焦がれるまい。想うまい。そう決めた。
「しかし、さっきの女。いつも女には会釈程度しかせぬ隊長が、珍しい」
島田が、歩みをすこし緩め、言った。
「なに」
久二郎は、そのまま歩き、答えた。
「俺と妻に子があれば、あのようであるのかと思っただけだ」
明治二年。運命の年のはじまりは、このようなものであった。三月になれば、雪解けである。ほんとうの戦いまでの間、国の力を強めなければならない。
それをしてどうなるわけでもないと知りつつ、久二郎は、毎日剣を振り、身体を鍛えた。
もう、剣など役には立たぬと笑いながら。それでも、振らねばならぬような気がしていた。
蝦夷の空気は、冷たい。コートの襟元を流れる白い息を、久二郎は、また斬った。
土方はすぐに兵を発し、七百の兵で松前を落とした。どういうわけか、戦う目的が変わった瞬間から勝ちが続いている。それは、現場の指揮官である久二郎にも言えることであった。たまたま敵が弱いということもあるだろうが、それにしても、敵を倒す手応えが違う。この松前城においても城門を開き、砲を放ち、また閉じるという妙な戦法を取る兵に対し、押し包んで攻め立てて締め上げると共に城門を破砕し、一挙に兵をなだれこませ、討つだけ討ったあと巧みに開けた囲みの一点から敵を逃がし、難なく松前を占拠することに成功した。
更に十一月になると、逃げた藩主の立て籠る別の城を落とす。旗艦船の開陽を松前の兵の見えるところに進めると戦わずして逃げ散り、ある者は投降し、松前藩の軍は消えた。
そこで、想定外の事態が起きる。最強と謳われた開陽が、風雨により座礁してしまったのだ。さらに、それを救出しようと向かった別の軍艦までも座礁し、ついには両艦ともに沈没してしまう。
土方は、制海権のことを思い、前途に眉を潜める思いであったが、榎本が平然と、船など買えばよい。と言い切ったから、心配はせぬようにした。
海軍に精通する榎本なら、この二隻を失った痛手は、いやというほど分かるであろう。しかし、戦いに負けたわけではないのだ。船がなくとも、戦える。やめるわけにはいかない。それらを全て踏まえた、一言であった。
ともかく蝦夷地からは、新政府の箱館府の兵も松前の兵もいなくなった。この地が、旧幕府軍であった者の、あらたな国土となったのである。
総裁は西洋式に入札(選挙)により、榎本に決まった。大鳥が陸軍奉行、土方はその下の、陸軍奉行並。
陸軍の者が海のことを言うのは憚られるが、と土方は前置きをした上で、榎本に、やはり船が要るのではないか、と進言した。
榎本は、心配するな。船なら、向こうからやってくる。それも、とっておきのやつが。と言った。
新政府は十一月には艦隊を編成し、青森に向けて発している。しかし、厳しい北の戦いなど知らぬから、冬の間は、攻めては来れぬ。その間に外交でもって彼らを縛り付け、春になり動き出そうとしたときにはもう手出しができぬというほどに新しい国の形を整えておけばよい。
この国を、なんと呼ぼうか。正式な国号は歴史上には存在しない。おそらく、榎本は新政府の進攻を一旦全てはね退けた上で、正式に独立を宣言するつもりであったのであろう。今はまだフランスなどに、政権の存在を認める、という内諾を得たに過ぎない。
まずは急ぎ、国の形を。そのための資金を集めるため商家から税を徴収し、箱館へ入る関にも通行税を設けた。それには、土方は断固反対した。会津はそれで潰れたようなものだ。と言う。しかし、他に何か手立てがあるかと言われれば無いから、従わざるを得なかった。
久二郎は、年が明けた明治二年の箱館の街を歩いていた。島田や山野など、古い仲間が通っている妓館で一緒に飲むことになっていた。その街路を歩くとき、ふと、一人の親子連れに眼が行った。身なりから、商人の妻子であるらしい。母の方はまだ若く、目鼻がどことなく春を思い出させたから、久二郎は、眼を細めて笑いかけてやった。母の方が気付き、慌てて頭を下げる。子にも、同じようにさせようとした。しかし、子はそれを拒絶した。
洋装の久二郎は、それでも、子に笑いかけてやった。
「ご無礼を」
と言う母に、久二郎は歩み寄った。子の眼に、明らかな怯えが浮かんだ。その怯えに強い光が宿ったかと思うと、母の前に立ち塞がり、両手を広げた。
「お母を、いじめるな」
という意味のことを、ひどい訛りで言った。久二郎は、子の前に、屈み込んでやった。
「何もせぬ。どうして、私がお前の母を、苛めたりするのだ」
「お父が言ってた。お前らは、銭を巻き上げるだけの悪者だと」
久二郎は、子がそういう意味のことを言っていると解釈した。母が蒼白な顔になり、子を引っ張り、何度も詫びた。
「よい。気にするな。我らが、あなた方商家から、返すあてのない銭を無心したことは、ほんとうなのだから」
と、ちょっと困ったように笑う久二郎に、母は警戒心を解いた。この礼儀正しく温厚で涼やかな洋装の軍人に、好感を持ったかもしれない。
「我らは、この土地を、もっと豊かにしに来たのだ。お前の父や母が、より豊かにお前を育てられるように。そのために戦いに来た。だから、少しだけ、勘弁してくれぬか」
と、子に向かって、拝むような仕草をした。子は、悪い男ではないと思い安心し、今度は人見知りが出たのか、母の影に隠れてしまった。なおも、久二郎は言う。
「お前は、私から、母を守ろうとした。それでよい。ほんとうに大切なものが何か、お前は知っているらしい。大きくなっても、それを忘れるな」
にっこりと笑ってやり、母に、
「済まぬ。見ず知らずの男が、偉そうにあなたの子に説教をした。許してくれ」
と一礼し、去ろうとした。子は、じっと久二郎を見ている。母は、やはりすこし恍惚とした表情で。去ろうとした久二郎が思い立ち、やりとりを見ていた島田の懐におもむろに手を入れると、懐紙の包みを取り出した。それを握り、親子のところへ戻る。
「干菓子だ。私が、銭を返してやることはできぬ。せめて、この子に食べさせてやってくれ。干菓子ひとつで図々しいのはよく分かるし、飢えているわけでもないのに施しをするような形になるのも、失礼であるようにも思う。しかし、どうか、我らを憎まないでほしい」
悲しそうに笑って、立ち去ろうとした久二郎を、母が呼び止めた。
「お名前を」
久二郎は名乗ろうかどうか迷ったが、関わりを持った以上名乗らぬのも失礼かと思い、立ち止まって振り返り、
「新撰隊隊長、綾瀬久二郎です」
と、くすぐったそうに言い、去った。
「ひどいじゃないですか、隊長。私の干菓子を」
妓館への道、島田が泣き声を上げた。
「いいさ。どうせ、女にやるつもりで買ったものだろう」
「しかし。なぁ、山野」
山野は、京にいた頃から美男で通っており、女に人気があった。その山野と同じ女を、島田は狙っている。島田は久二郎や山野に比べれば歳も取っているから、せめて箱館で一番と評判の菓子屋で人気の干菓子を求め、懐に忍ばせていたのだ。
「では俺が、お前の好きな女にいきさつを述べ、謝ってやる。お前が一途に想っていることを、説明してやる。それで、あいこだ」
と久二郎が言うと、島田は笑いだし、
「それじゃあ、隊長の株が上がるだけだ。なぁ、山野」
山野も笑って、
「そうですよ。それは、ずるい。街で隊長を見る女が、皆どのような顔をして隊長の背を見送っているのか、知らぬのですか」
久二郎は、きょとんとした。
「なんだ、それは」
「参った。この人の頭には、春さんのことしかないらしい」
久二郎は、あいまいに笑った。叫び出したいほどに、会いたい。抱きたい。しかし、この軍服に身を包んでいる以上、それを口にしてはならぬような気もしている。
国が出来れば、久二郎は軍を、そして新撰組を辞めるつもりでいた。ただの男となり、京から春を呼び寄せ、二人で、この国で暮らすのだ。春は、この寒さに、びっくりするであろう。風邪など引かぬよう、気をつけてやらねばなるまい。
まずは、国を。それが成るまでは、焦がれるまい。想うまい。そう決めた。
「しかし、さっきの女。いつも女には会釈程度しかせぬ隊長が、珍しい」
島田が、歩みをすこし緩め、言った。
「なに」
久二郎は、そのまま歩き、答えた。
「俺と妻に子があれば、あのようであるのかと思っただけだ」
明治二年。運命の年のはじまりは、このようなものであった。三月になれば、雪解けである。ほんとうの戦いまでの間、国の力を強めなければならない。
それをしてどうなるわけでもないと知りつつ、久二郎は、毎日剣を振り、身体を鍛えた。
もう、剣など役には立たぬと笑いながら。それでも、振らねばならぬような気がしていた。
蝦夷の空気は、冷たい。コートの襟元を流れる白い息を、久二郎は、また斬った。
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