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第六章 乱れ
鈴虫
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松原は、抜いた。久二郎は、まだ抜かない。
「綾瀬さん」
松原が、それを促す。
「これ以外に、ないのか」
呟いて、久二郎もようやく応じた。抜き合えば、戦いになる。戦えば、どちらかが死ぬ。当然のことである。
ばたばたと、人の駆ける気配。
「綾瀬!」
山崎から知らせを受けた土方が、隊士も付けず、ただ一人、駆けつけてきた。土方は、先の先まで全て見通しているような人間でありながら、こういう後先考えぬ行動も、たまにする。
「副長」
松原の覚悟の眼を、月が濡らす。
その光は、目尻から、ツツと頬を伝った。
「このようなことになり、申し訳ありません」
「松原」
「言い逃れは、致しません。私は、隊を脱するつもりでした。そして、あろうことか、同志である綾瀬さんに、今、剣を向けている」
「何故だ、松原」
「なぜ、と言われると、困ります」
月の中の松原が、笑った。
鈴虫が、鳴いている。くすくすと笑っているようにも聞こえる。
「たいした目的もなく、壬生浪士組に参加しました。この二年余り、とても、満ち足りたものでした。しかし、壬生浪士組は新撰組となり、その歩みは、我々の預かり知らぬところで、どんどん速くなってゆきました」
山南と同じようなことを言っている。それの何がいけないのか、久二郎には分からない。
「同志が、何人も死にました。自ら、あるいは身内に斬られて。我らが追い、敵としている浪士どもも、尊皇や攘夷という考えにおいては、同志であるはずです。それを一つにすることではなく、歯向かうから斬る。そういうことを、私は何度もしてきました。やがて、それは、私自身を殺した」
久二郎は、その顔を見て、これは、あぶない、と思った。戦いにおいて、最も危険な表情を持っている。
上手くは言えぬ。ただ、確かな目的や大義のある者ならば、こういう顔はせぬ。そのような者が振るう剣は、あくまで、人が振るうものである。はっきり言って、それには全く負ける気がせぬ。
しかし、久二郎が、今まで戦いの場において向き合った、この類の顔をしている者は、おそらくほとんどが、何かを諦め、捨ててしまっている者であった。
自らが死ぬことにすら、意味を感じていない。
そのような者の剣は、あぶない。
これは、本当に斬らねばならぬようだ、と久二郎は思った。
思って、鍔を鳴らした。
仕掛けに即応できる、正眼。
「松原。済まぬ」
土方が、久二郎の背中ごしに言った。
「副長に、謝って頂くことは何もありません」
「しかし、お前は、悩み、悔い、諦めてしまっている」
「それは、副長のせいではありません。誰のせいでも、ありません」
「副長、下がってください。どちらかが死なねば、ならぬようです」
「綾瀬」
「副長、お願いですから、生け捕りはお命じにならないで下さい。生け捕ろうとすれば、私は死にます」
久二郎にそう言わせるほど、松原は強い。先にも触れたが剣はもちろん、薙刀、柔術も極めており、禁門の変の際などは坊主頭に白鉢巻、脇には大薙刀という出で立ちで、「今弁慶」などと呼ばれた。薙刀といえば、こんにちでは女性の競技となり、女性が薙刀を振るう様はなんとも言えぬ美しさがあるものであり、時代劇などでも、敵に攻められた城に籠る女たちが鉢巻にたすき姿で薙刀を手にその覚悟を示すシーンがよく見られる。が、この平安時代に発祥したと思われる武器は、はじめ、もっと長大で、馬に乗ったまま敵の馬の足を斬るような使われ方をしていた。時代が降るにつれ、徒歩立ちの者も扱うようになる。戦国時代の初期くらいになると、武勇を誇示する意味で再び注目され、用いられたりもした。戦国時代に急速に進んだ戦闘の合理化により、信長や秀吉の頃には用いられることもほとんどなくなり、小型化され、女性の武器として定着──それでも用いる変わり者はいたが。ひねくれ者の石田三成などは、実は薙刀の名手であったという話もある──し、江戸時代を迎える。
松原が禁門の変の際に用いていたのは、婦女子の用いるたおやかで美しい刀身のものではなく、馬ごと敵を吹き飛ばすようなものである。どこの古道具屋でそれを見つけてきたのかは知らぬが、当時の人がそれを「異様」とも表現している。
おそらく、その「異様」の感覚とは「変」というものではなく、最新の兵器や電子機器が登場するハリウッド映画に登場するワイルドなヒーローが、例えばモーゼルミリタリーやシングルアクションアーミー、ウィンチェスターショットガンなどを駆使して敵をやっつける様を見た我々が感じるものに似ているのではないか。先にも述べたが、松原は温厚で、人にも慕われていて、壬生にいた頃などは、「人が良いのは、まず山南、松原だ」と言われていたくらいである。
そういう男が目の前に立ち、刀を向けてくるのは、とても始末が悪い。
「綾瀬」
土方が、久二郎の名を呼んだ。喉元まで出た次の言葉を、新撰組副長として発することはできない。久二郎は、それを察した。
この世は、久二郎と松原の二人、それに月の光と鈴虫の声だけになった。
あとは、風。
それが、久二郎の鼻に少し触れ、去っていった。
どういうわけか、秋の風に鼻をくすぐられると、むず痒くなる。
少し、鼻をすすった。
松原が、踏み込む。
間合いに、入った。
近づいて、組まれてしまえば、終わりである。
久二郎は、以前、松原が、敵と向き合ったとき、抜刀もせずにするすると敵の腕を取り、脇に入り込み、そのまま肩を外し、突き倒したところを見たことがある。その敵は、首をおかしな方に曲げ、即死していた。
久二郎は、自分でも知らぬ間に、後ろに退いていた。
「どうしたのです」
松原の口も、乾いているらしい。松原は松原で、今まで向き合ったどんな男よりも久二郎が恐いと思った。これは、考えて動く剣ではない。敵の殺気に応じ、考えの外で敵を屠る、最も恐ろしい剣だ。と思った。久二郎が特定の流派に所属せず、実践でのみ剣を磨いてきたことを思い出した。
古の剣豪と、向き合っているのか。
自らもまた紛れもない達人である松原は、そう感じた。
「松原さん」
久二郎が、それだけを言った。
松原が、来た。
久二郎が、刀を突き出す。
それを身体の横に通し、久二郎の腕を正面から捉える。
手首を返すと、久二郎の手から刀が落ちた。
捻り上げる。
そのまま、向こうに押せば、久二郎の肘は、外れる。
そこで、松原は止まった。
腕を捻られ、それにつられた身体が半回転する拍子に、久二郎は松原の脇差しを抜き、刺していた。
押し込む。
腰から、刃が飛び出た。
腹に鍔が当たり、止まった。
松原は、久二郎の腕から手を放し、二、三歩、よろめきながら後ずさった。
腹の脇差しを、見る。
久二郎が、地に落ちた自らの刀を、拾い、振り上げた。
鈴虫の声。それが、松原の耳に、まとわりつく。
松原は、すぐ近くで鈴虫が鳴いていることを、不思議に思った。
目の前に、黒い鈴虫が一匹。
見えなくなるまで、松原はそれを見ていた。
鈴虫の声に重なるようにして、土方が嗚咽をこらえる声とも音ともつかぬものが、聴こえる。
続いて、久二郎が納刀する鍔鳴りの音。
「綾瀬さん」
松原が、それを促す。
「これ以外に、ないのか」
呟いて、久二郎もようやく応じた。抜き合えば、戦いになる。戦えば、どちらかが死ぬ。当然のことである。
ばたばたと、人の駆ける気配。
「綾瀬!」
山崎から知らせを受けた土方が、隊士も付けず、ただ一人、駆けつけてきた。土方は、先の先まで全て見通しているような人間でありながら、こういう後先考えぬ行動も、たまにする。
「副長」
松原の覚悟の眼を、月が濡らす。
その光は、目尻から、ツツと頬を伝った。
「このようなことになり、申し訳ありません」
「松原」
「言い逃れは、致しません。私は、隊を脱するつもりでした。そして、あろうことか、同志である綾瀬さんに、今、剣を向けている」
「何故だ、松原」
「なぜ、と言われると、困ります」
月の中の松原が、笑った。
鈴虫が、鳴いている。くすくすと笑っているようにも聞こえる。
「たいした目的もなく、壬生浪士組に参加しました。この二年余り、とても、満ち足りたものでした。しかし、壬生浪士組は新撰組となり、その歩みは、我々の預かり知らぬところで、どんどん速くなってゆきました」
山南と同じようなことを言っている。それの何がいけないのか、久二郎には分からない。
「同志が、何人も死にました。自ら、あるいは身内に斬られて。我らが追い、敵としている浪士どもも、尊皇や攘夷という考えにおいては、同志であるはずです。それを一つにすることではなく、歯向かうから斬る。そういうことを、私は何度もしてきました。やがて、それは、私自身を殺した」
久二郎は、その顔を見て、これは、あぶない、と思った。戦いにおいて、最も危険な表情を持っている。
上手くは言えぬ。ただ、確かな目的や大義のある者ならば、こういう顔はせぬ。そのような者が振るう剣は、あくまで、人が振るうものである。はっきり言って、それには全く負ける気がせぬ。
しかし、久二郎が、今まで戦いの場において向き合った、この類の顔をしている者は、おそらくほとんどが、何かを諦め、捨ててしまっている者であった。
自らが死ぬことにすら、意味を感じていない。
そのような者の剣は、あぶない。
これは、本当に斬らねばならぬようだ、と久二郎は思った。
思って、鍔を鳴らした。
仕掛けに即応できる、正眼。
「松原。済まぬ」
土方が、久二郎の背中ごしに言った。
「副長に、謝って頂くことは何もありません」
「しかし、お前は、悩み、悔い、諦めてしまっている」
「それは、副長のせいではありません。誰のせいでも、ありません」
「副長、下がってください。どちらかが死なねば、ならぬようです」
「綾瀬」
「副長、お願いですから、生け捕りはお命じにならないで下さい。生け捕ろうとすれば、私は死にます」
久二郎にそう言わせるほど、松原は強い。先にも触れたが剣はもちろん、薙刀、柔術も極めており、禁門の変の際などは坊主頭に白鉢巻、脇には大薙刀という出で立ちで、「今弁慶」などと呼ばれた。薙刀といえば、こんにちでは女性の競技となり、女性が薙刀を振るう様はなんとも言えぬ美しさがあるものであり、時代劇などでも、敵に攻められた城に籠る女たちが鉢巻にたすき姿で薙刀を手にその覚悟を示すシーンがよく見られる。が、この平安時代に発祥したと思われる武器は、はじめ、もっと長大で、馬に乗ったまま敵の馬の足を斬るような使われ方をしていた。時代が降るにつれ、徒歩立ちの者も扱うようになる。戦国時代の初期くらいになると、武勇を誇示する意味で再び注目され、用いられたりもした。戦国時代に急速に進んだ戦闘の合理化により、信長や秀吉の頃には用いられることもほとんどなくなり、小型化され、女性の武器として定着──それでも用いる変わり者はいたが。ひねくれ者の石田三成などは、実は薙刀の名手であったという話もある──し、江戸時代を迎える。
松原が禁門の変の際に用いていたのは、婦女子の用いるたおやかで美しい刀身のものではなく、馬ごと敵を吹き飛ばすようなものである。どこの古道具屋でそれを見つけてきたのかは知らぬが、当時の人がそれを「異様」とも表現している。
おそらく、その「異様」の感覚とは「変」というものではなく、最新の兵器や電子機器が登場するハリウッド映画に登場するワイルドなヒーローが、例えばモーゼルミリタリーやシングルアクションアーミー、ウィンチェスターショットガンなどを駆使して敵をやっつける様を見た我々が感じるものに似ているのではないか。先にも述べたが、松原は温厚で、人にも慕われていて、壬生にいた頃などは、「人が良いのは、まず山南、松原だ」と言われていたくらいである。
そういう男が目の前に立ち、刀を向けてくるのは、とても始末が悪い。
「綾瀬」
土方が、久二郎の名を呼んだ。喉元まで出た次の言葉を、新撰組副長として発することはできない。久二郎は、それを察した。
この世は、久二郎と松原の二人、それに月の光と鈴虫の声だけになった。
あとは、風。
それが、久二郎の鼻に少し触れ、去っていった。
どういうわけか、秋の風に鼻をくすぐられると、むず痒くなる。
少し、鼻をすすった。
松原が、踏み込む。
間合いに、入った。
近づいて、組まれてしまえば、終わりである。
久二郎は、以前、松原が、敵と向き合ったとき、抜刀もせずにするすると敵の腕を取り、脇に入り込み、そのまま肩を外し、突き倒したところを見たことがある。その敵は、首をおかしな方に曲げ、即死していた。
久二郎は、自分でも知らぬ間に、後ろに退いていた。
「どうしたのです」
松原の口も、乾いているらしい。松原は松原で、今まで向き合ったどんな男よりも久二郎が恐いと思った。これは、考えて動く剣ではない。敵の殺気に応じ、考えの外で敵を屠る、最も恐ろしい剣だ。と思った。久二郎が特定の流派に所属せず、実践でのみ剣を磨いてきたことを思い出した。
古の剣豪と、向き合っているのか。
自らもまた紛れもない達人である松原は、そう感じた。
「松原さん」
久二郎が、それだけを言った。
松原が、来た。
久二郎が、刀を突き出す。
それを身体の横に通し、久二郎の腕を正面から捉える。
手首を返すと、久二郎の手から刀が落ちた。
捻り上げる。
そのまま、向こうに押せば、久二郎の肘は、外れる。
そこで、松原は止まった。
腕を捻られ、それにつられた身体が半回転する拍子に、久二郎は松原の脇差しを抜き、刺していた。
押し込む。
腰から、刃が飛び出た。
腹に鍔が当たり、止まった。
松原は、久二郎の腕から手を放し、二、三歩、よろめきながら後ずさった。
腹の脇差しを、見る。
久二郎が、地に落ちた自らの刀を、拾い、振り上げた。
鈴虫の声。それが、松原の耳に、まとわりつく。
松原は、すぐ近くで鈴虫が鳴いていることを、不思議に思った。
目の前に、黒い鈴虫が一匹。
見えなくなるまで、松原はそれを見ていた。
鈴虫の声に重なるようにして、土方が嗚咽をこらえる声とも音ともつかぬものが、聴こえる。
続いて、久二郎が納刀する鍔鳴りの音。
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(2022.04.04)
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