女王の名

増黒 豊

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第六章 戻り火

見てきたもの、聞いてきたこと

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 マヒロは、自室で政務を執り行っていた。秋に収穫したものを各地で蓄え、その量や内容などが、各地にいるヤマトの官吏から順次知らされてくる。春の間ずっと戦だったので、遠い地域の分のそれが山積みであった。小刀でしきりに木の板を削り、何かを書き込んでいる。
 コウラが来ている日であったが、このぶんでは、今日は稽古を付けてやれそうにない。

 この時代に文字があったのかどうか、今のところ定かではない。漢字を用いるようになるまでにはまだ間があるため、彼らが文字を用いていたとしてもこの時点ではまだ原始的なそれであったろう。
 マヒロが書き込んでいるのは、線を組み合わせた記号であった。線の向きにおいて方角を示し、数において距離を示し、その位置関係を把握する者ならば、どの地域のことか分かるようになっていた。地域の記号の下には別の記号が付けられ、斜めに走る線ならば米、交差する線ならば粟、といった具合に内容が示され、さらにその横には線の数により量が示された。
 余談であるが、文字の場合は「書く」、絵の場合は「描く」、背中が痒いときは「掻く」、と異なる意味と文字を持たせることが普通であるが、この時代、それらは全て同じ「かく」であった。そもそも、木の棒などでもって土器を「ひっかく」ことで模様を描くことからこの行為とそれに類似する動作の総称となった、とする説があるが、とすれば土器に施された紋様が彼らの絵であり、文字であったことが伺える。

「まだ、沢山の書き物が残っておいでですか」
 とハツミはこの動詞を用いた。マヒロは、うむ、と短く喉を鳴らし、答えた。
「水など、お持ちしましょうか」
 こんどは、マヒロは、頼む、と言った。ハツミは立ち上がり、退室した。マヒロ一人になった部屋には、木を「かく」乾いた音が、外に降りつける雨の音と共に続いている。
 しばらくして、ハツミが戻った。手には椀の形をした土器があり、きれいな水が汲まれていた。
 ──あっ。
 とハツミは、土器を手から滑らせた。それは床の上で砕け、飛び散った。マヒロはそちらを見、大丈夫か、と言った。
「申し訳ありません。すぐに、片付けます」
 ハツミは、欠片を拾った。
「痛っ」
 マヒロは、ハツミの方を見た。
「指を、切ったのか」
「血が」
「見せてみろ」
 マヒロは作業をやめ、ハツミの方に歩いた。ハツミの指からぷつりと盛り上がる血を指で押さえ、止血した。
「マヒロ様は、お優しいのですね」
「そうでもない。戦いの場では、すみやかな傷の血止めが求められるからだ」
 マヒロは立ち上がって席に戻り、ハツミに背を向けて作業に戻った。後ろで、割れた器を片付ける音を立てながら、ハツミが語りかけてくる。
「でしたら、ご自身の傷のことも、もっと気になさればよいのに」
「おれは、多少の傷では、死なん」
「マヒロ様」
「なんだ」
「なぜ、わたしと結ばれて下さらぬのです」
「まだ、言うか」
「わたしは、マヒロ様と結ばれたいと、ずっと思っていました」
 ハツミが、こちらに歩いてくる気配を背中に感じた。
 ──殺気?
 マヒロは、咄嗟に振り向いた。ハツミが覆い被さるようにして、身体を寄せていた。振り向いた姿勢であったので、横から抱き締められる格好である。
 脇腹に、火に当てられたような熱を感じた。いや、痛みか。
 見ると、ハツミの手には土器の欠片が握られており、その尖った切っ先が、自分の脇腹に入っていた。
 ハツミを突き飛ばした。そのとき欠片がハツミの手に握られたまま抜け、その穴から血が吹き出した。
「なにを」
 ハツミは、立ち上がり、マヒロを見下ろした。
「わたしは、あのオオシマより、クナの意を受け、ここまでやってきたのです」
 その表情は、哀しげである。
「マヒロ様を殺すよう、言われて」
 その悲しみの種類を、マヒロは知らない。
「でも、あなたを、愛してしまった」
 ハツミは、意識の遠退くマヒロに、途切れ途切れ語った。
「だから、わたしは、わたしと結ばれてほしかった」
「そうすれば、あなたを殺さずに済んだ」
「あなたが、あの恐ろしいクナの者から、わたしを守ってくれるはずだった」
 そのとき、扉ががたがたと音を立てた。ハツミは、扉の方を見もせず、脇腹を押さえ、座ったまま前のめりになるマヒロを見つめていた。
 扉が開き、誰か、入ってきた。ぱたぱたというその足音を、聞いたことがある。
 ──そうだ、この人の、好きな人だ。ヒメミコの話をするときだけ、この人は嬉しそうにした。
 ハツミの思考もまた、混沌の中で揺れていた。

 床には、土器が割れて散らばっている。水も飛び散っていることから、サナが飲むのと同じ、水の入った土器であることが分かる。その水に、マヒロの血液が混じり、薄くなっていた。
 こちらを見たハツミが、何か言っているが、何を言っているのか分からない。手には、土器の欠片が握られている。その欠片から、マヒロのが滴った。
 サナはハツミを押しのけ、マヒロに駆け寄った。
「マヒロ、マヒロ!」
「マヒロ、マヒロ!」
 何度も、その名を呼んだ。
「マヒロ様は、わたしの全てでした」
 脇で、ハツミが言っている。
「マヒロ様の全ては、あなたでした。だから、一緒にいてあげて下さい」
 そう言ってハツミはサナにぶつかってきた。その切っ先を、サナは飛び下がってかわした。
「あなたさえ、いなければ」
 なおも、ハツミは、サナに飛びかかってくる。
「あなたさえ」
「違う!」
 サナは勢いよく言った。そのとき、誰かが騒ぎを聞き付けたのか、扉が再び開いた。
「わたしがおらねば、マヒロはマヒロではない!」
 力の限り、ハツミを突き飛ばした。
 開いた扉から躍り込んできたのは、コウラだった。コウラは、目の前の光景が理解できず、一瞬、立ち尽くした。
 すぐに状況を見て取ると、ハツミに飛びかかった。土器の欠片を持つ手を打つと、手首がおかしな方向に曲がった。そのまま、髪を掴み、顔面に掌底を打ち込んだ。
 二度、繰り返し、三度目でその衝撃が頭蓋を通り越し、その中に伝わり、死んだ。
 コウラはその死骸をうち捨てると、マヒロへ駆け寄った。
「血止めを」
 と言い、常備してあった、ハツミの生まれ育ったオオシマで採れる薬草で作られる薬を取り出した。ハツミの祖父からはじめにマヒロが授けられ、その後もマヒロが傷を負う度にハツミが甲斐甲斐しく塗ってやっていたあの薬である。よく効く。ということで、オオシマでその薬草を栽培させ、ヤマトに持ち込んで生産するようになっており、今では戦陣の常備薬にもなっている。
 ありったけのそれを、マヒロの脇腹の傷穴に突っ込んだ。そして自らの上衣を脱ぎ、傷を強く押さえた。この方法は今でも直接圧迫止血法といって、有効な応急処置である。上衣が、みるみる赤く染まる。
「布を!」
 床にへたりこんだサナに、鋭く言う。言われたまま、サナも上衣を脱ぎ、その下に身に付けている薄い絹だけの姿になった。
「ここを、強く押さえて下さい。とても強くです」
 コウラは、サナと代わると、人を呼んでくる、と駆け出した。
 サナは、マヒロと二人になった。薄く目を開けているようであるが、意識はない。血を失っているせいか、顔が、サナの肌よりも白くなっている。
「マヒロ、死なんでくれ」
「マヒロ、頼む。死なんでくれ。頼む」
 何度も、そう言った。ああ、この声であったか、とサナはぼんやりとした意識の中で思った。押さえつける布に染みてくるマヒロの血液は温かく、これはマヒロのそのものだと思った。その一滴まで、サナは惜しいと思った。押さえる手が、そのに溶け込んだ。それは、どんどんサナを飲み込んでゆき、サナ自身も、やがて溶け込んだ。

 サナは、暗い空間にいる。それが広いのか狭いのか、闇のため分からぬ。いや、暗いようでいて、明るいようにも思える。目を閉じているときに似ていた。
 声が、聞こえる。誰かがマヒロのことを呼んでいるらしいが、空間に反響するばかりで何を言っているのか分からぬ。死ぬな、という風にも聞こえた。
 血が、臭う。怒声と叫喚と断末魔、そして火が燃える臭い。この空間を埋め尽くしてなお余りある、夥しい死の気配。
 空間のある部分が、ひどく熱いようで、それでいて空間そのものは、雪のように冷たい。
 そこで、サナは自分を見た。幼い頃の自分。こちらに手を伸ばし、早くこい、置いていくぞ、とせき立てている。ついていくと、やや長じた自分がひょっこりと顔を覗かせ、言った。
 ──あやつ、わしを見て、微笑わらいおったのだ。
 その顔が引っ込むと、別のサナが現れた。そのサナは自分の胸に飛び込んで来て、
「マヒロ、わたしを抱け」
「いま、抱け」
 と言った。ほそい肩が、かすかに震えていた。背中に手をやろうとすると、また別のサナが現れた。美しく着飾り、人々の前に立っている。その眼は遠く、しかし確かなものを見つめていた。
 大口を開け、転げ回って笑っているサナ。眉を下げ、哀しそうに笑っているサナ。皮肉っぽく笑うと、妖しげな魅力が口元に浮かぶ。お気に入りの黒檀の箸を髪から素早く抜き、驚くほどの早さで飯を食うサナ。いびきをかいて、眠りこけているサナ。身体を襲う快感に声を上げ、身をのけ反らせるサナ。
 全てのサナが、そこにいた。音や、匂いも一緒に。
 ああ、これはマヒロの世界なのだ、とサナは思った。
 サナの眼の前にいるサナが、消え入りそうな声で、言った。
「マヒロ。わたしを、守ってくれ。怖いのじゃ」
 サナは、なにが、と答えてやった。
「あの日、わたしが女王になる日、神が、精霊がわたしに見せたものが」
 サナは、そう言うサナに、眼を合わせてやった。
「わたしの道は、血と火をもって作られておる。あまりに、多くのものが死んだ。これからも──」
 サナは、優しくサナに答えてやった。
「お前の血は、わたしが拭ってやる」
「お前を焼こうとする火は、わたしが消してやる」
「だから、もう少し、辛抱せぬか」
 もう一人のサナは、少し笑ったようであった。うん、と可愛く頷くと、安心したように身を委ねてきた。
 この空間を埋め尽くす死の気配は、もう無かった。

 突き飛ばされた。
 コウラが戻り、リュウキの死の際に側にいた、大陸から渡ってきた元医師を連れていた。この頃この元医師は楼閣のくりやで役目を与えられていたが、病や怪我が診れる。ということで、しばしば診察を希望する者が訪ねていた。コウラもマヒロとの稽古の際、指を脱臼したことがあり、一度診てもらったことがある。
「これは、よくありません」
 ヤマトの言葉が、ややできるようになっているらしい。
「血を、止めねば」
 と言い、雨のため薄暗い部屋に焚かれた篝の火で、刃に布を巻き逆さに握った剣の柄を熱すると、それを傷穴に押し当てた。肉の焼ける臭いがする。しばらくして、剣を離した。それで血は止まった。
 サナは、突き飛ばされた格好のままでその様をただ見ていた。
「ヒメミコ。呼んでも全く答えられないので、つい乱暴を。お許し下さい」
 と言い、コウラが手を差し伸べてきた。サナはそれを掴んで、座り直した。
「マヒロは、死ぬのか」
「わかりません。運と、マヒロ様自身の強さにかかっています」
 そう言いながら、医師はあわせのある大陸式の着衣の懐から絹糸と針を取り出した。それをもって、マヒロの傷穴を縫っていく。
「血は、出ぬでしょう。この毒消しの薬も、よいと思います」
 サナは、そうか、とだけ言った。
「私の生まれた地では、こういうとき、当人が生きようとすることをやめぬよう、あちらから引き戻すように語りかけたりするものです」
 と元医師は言った。
「それならば、もう」
 元医師とコウラが、サナを覗きこんでくる。
「大丈夫じゃ」
 二人とも、サナの言うことが分からぬようである。
「マヒロと、今、語っておった。こやつは、戻ってくる」
「マヒロ様と?」
 コウラが訝しい視線を投げ掛けてくる。この瀕死のマヒロと、何を語ることができるというのか。事態が事態だけに、苛立ちを抑えきれないらしい。
「この男の中には、わたししかおらんかったわい」
 コウラが初めて見る顔で、サナは、マヒロの頬を撫でた。
「阿呆な男じゃ。このまま、死ぬものか」
 サナは、はじめてマヒロに抱かれた夜、草を踏みながら聞いた声を思い出していた。

「サナは、マヒロと共に、生きるよ」

 あのときの怒りは、もう無い。ただ、マヒロに対するかなしみがあった。自分にとっての自分がヤマトそのものであり、ヤマトもまたサナであるように、それを実現するため、数えきれぬほどの死線をくぐり、ただ自分のためにだけ生きてきたマヒロにとってのマヒロは、サナそのものであり、サナは、マヒロなのであろう。
「わたしが生きている限り、この男は死なぬ」
 さっきまであれほど取り乱していたとは思えぬほど、確かな口調で言った。
 マヒロの中で出会ったサナは、どれも実際よりも少しずつ美化されているようだった。それに、自分はあんなに良い匂いはしない。
 阿呆め。と呟きながら、もう一度、サナは、マヒロの頬を撫でてやった。
 マヒロは、静かに呼吸をしている。
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