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卒業後
2.高校その後
しおりを挟む李世 真冬 東 美優 明日香 優妃(青葉 シロ)の話。
青葉とシロは「学校案内」で登場したキャラです。
ーーー
【図書委員】(美優side)
「はぁ………3年生、かぁ…………」
李世先輩がすごく落ち込んでいる。
「どうしたんですか?そんなに3年生嫌なんですか?」
「ボクって可愛い後輩枠じゃないですか…、もう先輩がいないボクなんて可愛いしか残ってないんですよね~……」
…………
「まぁ……可愛いかはともかく、お客さんですよ」
「……あ、はい!何年何組…、…あぁ、シロか。」
今私達は図書委員の仕事中で、お休みの司書さんの代わりに当番の李世先輩と本の貸出をしている。
そして李世先輩の目の前にいる真冬先輩に似たような見た目をした人は柊シロ。真冬先輩に似てはいるけど中身は違う、大人しい方だけどこっちはドM属性がある。らしい。
(………え、真冬とそんなに変わらない?
…………なんの事かな?)
「これ、お願いします……」
「はいはいっ、……あ、ちょっと待って真冬今接客中だから」
ちなみに真冬先輩は当番ではないけど李世先輩の隣で本を読んでる。
たまにかまって欲しいのか李世先輩を背もたれにしてくる時があるけど。
「…李世、それ、迷惑じゃないの?」
シロ先輩が聞いてきた。
「……んー、可愛いもんだよ?ていうか真冬をこんな風にさせたのボクだし!」ニコ
…………この先輩たまになんか怖い。
「終わりましたか?シロ」
「あ……うん」
「1週間後までに返してねー」
シロ先輩は青葉という先輩と帰って行った。
「っはー…………西原先輩とか未来斗先輩に会いたいなぁ…………」
「見事に未来斗さん達とは入れ違いになりましたからね………」
でも、
「李世先輩はなんで「ぐほぁッ!!」……え」
李世先輩が血を吐いた。
「や"……やめ"、やめてください、お願いだから先輩って呼ばないで…………」
大分ダメージが大きいらしい。
あと血を吐いた時に寄りかかっていた真冬先輩が床にほおり出されて頭を打った。
「……」ズキズキ…
「もうやだ……若い頃はあんなにキラキラしてたのに………」
「確かに李世先輩1年と2年じゃ別人でしたもんね、馬鹿っぽい感じから急に痛々しく……「痛くはないです!!」」
「まぁ昔も今も共通してるのは可愛いって事ですけどね!」
「………あはは、」
ーーー
【岩倉東】李世side
廊下で東に会った。
「あ………、ま…真冬」
「……」
岩倉東。真冬の中学生の時の元友達。
今年から統合して同じ校舎を使ってるせいか、クラスは違うけど会うこともある。
「……」
「ねぇ東、真冬は東を見ると硬直するんだよ、なんでだか分かる?」
「そりゃ……俺の事嫌いなんだろ、見ればわかるけど」
………
東はまぁ仕方ないという顔をしてるけど、
「良かったね東、避けられてるっていうのは逆に幸せなことなんだよ?」
「俺ほんとにお前の事よく分からない………」
真冬が他の人と話してるとボクがやきもち妬いちゃうかもしれないからーー………☆
「真冬は今はボクと友達だから取らないでね」
「恋人…?」
その頃真冬は、
(李世怒らせると何するか分からないし………相手の人がピィィィされてピ---ッされてた写真を拘束されながら見せつけられるかもしれない)
なんて考えてたみたいだけどそれは本編の話じゃないからやめてほしい。
ーーー
【身体測定】
また図書委員。
「身長1センチ伸びましたー!」
162センチ……!
「良かったですね…!私は……、2センチ伸びました…!」
美優さんは155センチ。
「真冬は?」
『157』
ということは1センチ伸びてる。
「…明日香さんはどうですか?」
今日は未来斗先輩の妹もいる。
「明日香は157!2センチ伸びたかなー!」
なんて笑うから真冬が絶望してる。
「ちなみに小数点以下切り捨てないと157.8。真冬先輩は?」
「……あぁ、2だって、可哀想に真冬。」
後輩(しかも女子)に負けるなんて。
「………個人差」
「そうだねー、真冬が小学生並に小さいのも個人差だよね!」ニコ
腹パンされた。
「青葉とシロは?」
「俺は165センチです」
「僕は内緒」
シロは真冬と変わらないくらい。
……よく見れば真冬より小さい?
「ボク達背伸びないねーなんでだろうね」
「せめて170はいきたいですね………」
青葉も高身長に憧れてるらしい。
「………あの、すみません」
「あ…はいはいっ、貸し出しですね!」
見慣れない人が来た。
黒髪に銀色の目をした、…多分1年生だと思う。
「番号と名前教えてくれますか?」
その男はにこりと笑った。
「1年2組25番。花咲優妃です」
………
「……よし、登録できた!じゃあ1週間以内に……………」
………あれ?
(この人、誰かに似てる)
あんまり思い出せないけど………
「……ありがとうございます、………
高山李世先輩」
...
......
「え………?」
「知り合いですか?」
「いや……」
男はすたすた帰って行った。
………それより、
「先輩って呼ばれた………」
「それはもうどうしようもないですよ………」
ーーー
(優妃side)
………桜庭先輩には悪いけど、俺は
(だって仕方ないじゃん気になったんだから。高校なんかどこ行っても変わんないし)
大阪からこの辺りに引っ越してきた。
アパートを借りて、1人で。
理由は、あのまま大阪にいても退屈だったことと、後は優馬の身近な人がどんな感じなのか気になったから。
本当は優馬達が在籍中の時に来たかったけど………入れ違いになってしまうのは仕方ない。
「………楽しませてくれるかなぁ。あの人達は。」
沢山、お話したいな。
ーーー
「そういえば、澪先輩と未来斗先輩はどんな感じですか?」
妹達に聞いてみた。
「お兄ちゃんは勉強ばっかしてるー」
「澪は会社が大変そうです、でも楽しそうですよ」
………なるほど。
「李世せ……李世さんは決めましたか?進路」
「ボクは大学ですよー、真冬はそのまま就職です」
真冬は在宅勤務の仕事。
そしてボクは福祉系の大学に行ってカウンセラーの勉強をする。
「真冬は家を出るから一緒に仙台に行くんです、同居はしないですけどね」
「そうなんですか、頑張って下さいね」
「はい!美優さん達は?」
「私は幼稚園教諭を目指すので李世さんと同じで大学に行きます」
「明日香はー、まだ決めてない。就職だと思うなー」
………なるほど。
「青葉達は?」
「俺は……「僕は青葉に養ってもらう」…え、それはやだ………」
ーーー
「ところで女子のジャージってどんなやつなんですか?」
ふと気になった。
今まで男子のジャージしか見たことがないし、女子はどんなジャージなのか、
「男子と変わりませんよ。ラインがピンクなんです」
男子のジャージは白に青のライン。
「へぇ……色違いなんですね」
「はい!」
………ちなみに
「例え女子が入ってこようがなんだろうがボク達の人気は絶えないですね……」
主に先輩から評判の高かったボクと真冬だけど、何故か未だに人気はあるらしい。
それを証拠に最近は後輩から告白されるし………
「なんなんでしょう、ボク達って」
「随分嬉しそうに言いますね………」
まぁモテるのは事実だから仕方ない。
「昔お母さんから言われたことあります、『知らない人に声をかけられたら録音は忘れず法的な単語をぼやきつつ笑顔で3m離れる』って」
「李世さんのお母さん、一体何を経験してきたんですか………」
ーーー
【東と優妃】優妃side
「うぉっ、と」
「……っわ」
曲がり角で人にぶつかった。
「ごめんなさい……、……って、あぁ」
確か……雪島真冬の友達。
いや、元だっけ。
「いや、こっちも悪かったな。」
「……あ、その本、俺も好きですよ」
岩倉東は本を持っていた。
「いいですよね!好きなんですか?」
俺もその本は図書室に行く口実の為に借りていた時があった。
「うん………ていうか、ちょっと……図書室に行く為の口実に?」
………あれ
(俺と一緒か………)
「最近そういう人多いですよね~、やっぱり図書委員目的?」
「まぁ……そんな感じかな」
………!
「中学の時に俺が無神経な事言ったせいでトラウマになっちゃった奴がいて………せっかく同じ学校になったから、せめて謝りたいなって」
………雪島真冬の事か。
「あー……まぁ分かりますよ!好きなのにやり方間違えて振り向いてもらえないのきついですよね~」
「あ……いや俺はそういう感情じゃないぞ?ていうか相手男子だし」
ーーー
かく言う俺も今から図書室。
あの人とは別れた。
「これお願いしまーす」
「はい!」
今日は話しかけるつもり。
「あの、いつもここで司書してるんですか?」
「…!先生がいない時だけですよ。」
双葉美優と、高山李世。それから雪島真冬。
………まぁ高山と雪島は同じ1人として考えると2人でここにいる。
「李世先輩と真冬先輩は有名ですよね。1年にまで知られてますよ」
高山李世がぴくんと少し輪郭を動かして、引きつったように笑っていた。
「あぁ……だから知ってたんですね。」
「李世先輩は明るくて皆に平等に接してくれる、真冬先輩は大人しいけど李世先輩だけにはべったり、ですよね?」
「そこまで知ってるんですね」と返されて、まぁそれは噂から聞いたものでは無いけど。
「そんな有名なお2人がこんな目立つ場所にいていいんですか?」
「有名って………芸能人でも無いですし別に平気ですよ。利用者も増えてるみたいですし」
………
……とりあえず今日はここまで。
(ゆっくり親交深めて、優馬の高校生活どんなだったかをもっと教えてもらおう………)
なんて意気込んではいたけど高山李世はそんなホイホイ情報を漏らす人でもないし警戒心のない人でもない。
むしろ人一倍警戒心が強くてこれはかなり難しい………なんて知るのはまだ先のこと。
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