ゆうみお

あまみや。旧

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6章 三学期。

215. 分からない ※閲覧注意

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R15注意


ーーー

腰が抜けて動けず、俯く美優。



信号機も車も真っ赤。


ぐちゃぐちゃになった車の前。



サイドミラーまでもが赤く染まる。






何もかもが幻だと思った。





「ーーーッ美優!!」






それでも体は勝手に動いていて、



ゆっくりと閉じていた目を開けて顔を上げた美優、急いで美優の所へ向かって視界を塞いだ。




「みお……?」
「目閉じて!!絶対見ちゃ駄目………」




もう面影はない。














自分でも理解出来ずに来たけど、これを美優に見せてはいけない。


そう思ったのは本能だった。







だから………必死であの時のことはあまりよく覚えていない。



誰が救急車を呼んだのかも、どうやって病院へ行ったのかも。





それはあとからぼんやり思い出した。




怖かった、どうすればいいか分からなかった。




そんなあやふやな記憶だったけど。







けど確かに、






(あの赤が………2人の姿が、あの姿が、忘れられない)





トラウマというものだった。






あと光景だけは、あの日、その場からはっきりと頭の中に残っている。




忘れることなんて出来るはずなかった。





足も、腕も、



ありえない方向に曲がっていた。


無くなっていた。見つけることが出来なかった。




(お父さんとお母さんは………どこにいるの?)



病院で、ぼーっとする頭で考えた。




(足は……?腕は?)










……………





……………………







ドコニモナイ







(どこ……?お父さんの足、お母さんの腕)





ゴミ箱も漁った、何回も2人を見ていた。




けどどこにもない、ついていない。




足も腕も、どうして







(あれ………?





お母さん………お父さん、どこ?)







変わり果てた目の前の2人を見て、そんな事を思っていた。







ーーー




即死だった。




病院に行って医者の話を聞くまでは、まだ少し期待していた。




けど………冷たくなった2人の体は、そんな期待を簡単に打ち砕いた。







目の前のものは「両親」じゃない。







目の前の「なにか」がなんなのか、分からなかった。











ーーー

この先の注意!

少し対象が全年齢じゃなくなります!
嘔吐、過呼吸などのシーンが増えますので苦手な方はしばらくお控えください。


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