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6章 三学期。
204.意気地無し
しおりを挟むその夜。
「黒木ー……、……もう寝たんだ」
寝るの早いな………
「……さて真冬、夜はこれからだよ?」
「……」すぅ…
こっちもか………
「まだ9時なんだけど!」
「……」パチ
叩き起こした。
「………どうせ…楽しくないんでしょ?」
「だーかーら!それなら真冬がボクを楽しませて!」
楽しくない癖に、なんて言うんだから当然それくらい出来るはず。
「ねーぇー!!」
「………やだ……」
眠そうな真冬を全力で揺らして、目を覚まさせた。
「昨日も早く寝てつまんなかったんだよ?」
「………」
無反応………
「だじゃれ大会でもいいからー、なんかしよーよ」
「………芹の競り売り」
「………」
だじゃれ大会は想像以上に楽しくなかった。
そもそも2人でやって楽しいことってなんだろう………
「………んー………」
考えたけど答えは見つからない。
真冬はまたうとうとし始めていた。
「ちょっと………布団入んないでよ」
「………」うと…
つまんない………せっかくの修学旅行なのに。
「ねー……」
毛布にくるまる真冬の上に四つん這いになってちょっかいをかけ続けた。
「まふゆー、真冬、まーふーゆー」
反応無し。
(………じゃあいいよ)
「ボク他の人の部屋行ってくるから」
そう言ってベッドから立ち上がろうとしたら、毛布の中から手が伸びてきた。
その手はしっかりとボクの服の裾を掴んでいて、
「……なにそれ…、ほんと意味わかんない。」
面倒臭い………まぁ、嫌いじゃないけど。
行くのはやめて、そのまま真冬のベッドに腰掛けた。
「……暇だなぁ」
「………」
「構って欲しいなー………」
「………」
「……はぁ」
そうやってしばらくうるさくしていたら、等々真冬が痺れを切らしたのか毛布から顔を出した。
「あ、おはよー!」
「………さぃ」
うるさいって言えてない。
「えへへ、ねぇまふ………」
途端、口が塞がれた。
………服の袖で。
「早く寝て………。」
「ん、んぐ」
ーーー
遅くまで起きていたのに目が覚めるのはボクが一番先だった。
まだ黒木も真冬も寝ていて、立ち上がるのは面倒だったのでうつ伏せの顔を少し上げて、ずっと真冬の寝顔でも見てた。
まあ、触覚のせいで顔はあんまり見えなかったけど。
(………それにしてもヘタレだな)
昨日の夜、どうせ口を塞ぐなら袖じゃなくてもよかったのに、
本当にこの人は………意気地がない。
ーーー
文字数少ないのでおまけ……
「黒木唯、高校2年生。生まれつき心臓の弱いほぼ保健室登校系男子高校生です…っ!」
身長175cm、普段は前髪で目が隠れてる。
「ちなみにR18要素を入れてくると無自覚サイコパスにこにこ男子高校生です…!」
李「もう何言ってんのか分かんないです」
たまーにしか名前が出てこない主要キャラの友達はゆうみおシリーズの別作品(アルファポリス公開)に登場する子です。こっちではモブの中のモブ。
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